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2009.12.03

2009 南座顔見世 その1

12月1日(火) 夜の部 16:15~

 南座前で待ち合わせていた友人から、「先に着いたけど、ごった返しているから道の反対側にいる」とのメール。確かに、あの作りでは歌舞伎座のような短時間での入れ替えは不可能だわねー。「まねき」を見ながらお喋りして、頃合いを見計らってた。でも、よく考えたら、間近から「まねき」を見るのを忘れてた~。

 第一「天満宮菜種御供 時平の七笑」 我當(藤原時平)、進之介(判官代輝国)、亀三郎(頭の定岡)、亀寿(藤原宿祢)、薪車(三好清貫)、亀鶴(春藤玄蕃)、竹三郎(左中弁希世)、彦三郎(藤原道真)ほか

 幕が開くと、そこには亀三郎、亀寿、薪車の3人。おお、揃って美しい 第一声が亀三郎さん。いつもながらのいいお声。それだけで楽しくなっちゃうから単純さぁ。赤っ面の亀鶴さんも登場して、一段と気分

 この「時平の七笑」といえば我當さん、ということだけは知っていたのだけれど、ストーリーなども全く知らないまま。だから白塗りのお公家さんの姿で現れた時には(ほんとは当然なのに)、あら~!?と思ってしまった。しかも(歴史的には)自ら追い落としたはずの道真に同情的というかすんごく立派な人なんですもの。

 結局のところ、見るからに悪人という時平ではなくて、策略家の、顔は白塗りでもお腹の中は真っ黒な時平。心理的な側面は、あら近代に入ってからの作かしらん、と思えるほど。実は18世紀後半の並木五瓶らの手による。この七笑は序幕の最後だそうで、全体はどんなストーリーなのかしらん。そうそう、道真の娘は「紅梅姫」という名前でしたー(名前のみ登場)。 

 竹三郎さんが、いかにも気弱狡猾な公家の役で、なんだか印象的。こういうわかりやすい人はまだしも・・・と、後で思わせるような作りになっているのかなぁ。お話そのものは単純ではあるが、面白い。そして、「七笑」のタイトル通り、最後に見せ場がある。幕が全部閉まってからの笑いには、不意を突かれ、それだけで笑っちゃうんだけど、ものすごく効果的に思える。だって、後々どんな話だったかな、というときには、白塗りの時平の顔と、最後の高笑いは絶対に覚えてるはずだもの。

☆ ☆ ☆

第二「土蜘」菊五郎(僧智籌実は土蜘の精)、時蔵(源頼光)、菊之助(胡蝶)、愛之助(渡辺綱)、権十郎(坂田公時)、男女蔵(碓井貞光)、亀三郎(卜部季武)、梅枝(巫子榊)、團蔵(番卒次郎)、松緑(番卒藤内)、翫雀(番卒太郎)、梅玉(平井保昌)ほか

 今年、久しぶりに南座遠征をしたのは、「土蜘」と「一條大蔵譚」に音羽屋父子が、加えて菊ちゃんが「助六」に白玉でも出演するから、という理由が一番。というわけで、楽しみにしてましたよー。最近も見たことがあるわけだけど、やはり配役がずいぶん違うから、そういう楽しみもある。

 太刀持ちが梅丸くんで、ああこんな声だったのか、と。意外としっかりした(年のわりに・・・と書いていて、実際の年齢を知らないのに気づいた)声なのね。巫子榊で出演の梅枝くんが、なんだかほんとに落ち着きがあって感心するくらい。細面というのか瓜実顔というのかのお顔に、こしらえが似合ってるんですもの。それに加えて愛之助くんたちも立派で、ここまでの2演目での若手の奮闘ぶりに、さらに熱が

 菊ちゃんは、胡蝶で花道を登場してきた時から、ほーっ。声が響くとさらに 夜の部では、この後の白玉が正直、今イチの感じだったんで(綺麗さにおいて)、一段と、こういう清らかな役が似合ってるのかー、と思ってみたりした。菊パパは数珠でつくる蜘蛛の見得なんかは、少しアッサリ目に見えたけど・・・。それと、源頼光の役は、前回の富十郎さんのイメージが強烈で、すぐに時蔵さんに頭の中で置き換えられなかった。

 しかし、ここまででもタップリしっかり楽しんだのに、この後、仁左衛門・玉三郎の「助六」だ!と思うと、なんと贅沢な顔見世でしょうと、改めて思うのだった。

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コメント

拝読しているだけで、楽しい楽しい。
「時平の七笑」は見たことないし、三カメ揃いが魅力ぅぅ
「土蜘」は、菊ちゃん見たい!!
ま、どっちにしても叶わぬ願いですから、「助六」もきびだんご劇場で楽しみます

投稿: SwingingFujisan | 2009.12.03 13:12

おかえりなさいませ(で、よいのかしら?)

昼夜とも一等席でのご観劇という夢のような顔見世遠征でらしたのですね。私はぐっと節約して(笑)昼夜とも2等席で見ることにいたしました。助六は何度も見てるし、封印切りの八右衛門は近くで見たいってのもあったのですが、来年は松竹座にも行きそうだからここは我慢しておこう、と。

「一條大蔵譚」、とっても楽しみです。昼夜一日で見てしまうことにしたので、佐々木高綱はもしかしたらパスしてしまうかも。夜まで集中力を持続するためにもそのほうがいいかなとも思っています。

青蓮院で青不動明王がご開帳されているので、せっかくだからそちらも行ってみようと観光旅行もしちゃうつもりのからつぎでした。

あ、27日にNHKで顔見世中継あるそうですよ>
SwingingFujisan様

投稿: からつぎ | 2009.12.03 14:52

おお、おっかえりなさいませ。
私はずーっとずーっと後の、千穐楽近くにならないといかれないので、まずは予習させていただこっと。

胡蝶の、あのマトリョーショカ的装束は、個人的に菊之助がもっとも映えると信じております(笑)声もいいですよね、能取りの雰囲気が活きる声質じゃないかなって思ったり。

助六を書かずに切るなんて、いけずだわ(笑)早く早くぅ…

私が学生時代に歴史を真面目に勉強しなかったので、藤原時平ってそんなに重要人物なのか?という基本的はところがイケてません…関白太政大臣といっても、藤原家の人はみんなそうでしょ?って思うくらいで。歌舞伎で定番の悪人になってる何人か、そういう人がいます…暫のウケの清原とか、樺冠者どのとか。
時平って、何した人なんですか???藤原氏の中でも重要人物なのかなぁ…

投稿: 猫並 | 2009.12.03 19:04

SwingingFujisanさま
なんだかほんとに若手がしっかり活躍してるのに感心した南座遠征だったのです。
早く感想を書いてしまわないと、記憶がなくなる~

投稿: きびだんご | 2009.12.03 20:56

からつぎさま
はいっ。ただいまです。
私はホラ、岡山への帰省をからめたので、えーい一等席で、だったのですよ。しかも、海老蔵の襲名の南座で「助六」を見た時、一等なのにほとんど花道が見えなくて(花道の真上の席でした)、泣いちゃったトラウマがあったので、音羽屋さんにお願いすれば間違いないだろうと。
からつぎさんが仰ってたように、八右衛門がすごくよかったんですよ!! これはお楽しみにね。
青蓮院も最初、考えてたんですが、結局、信楽方面への強行軍となってしまいました。昼の部を見た後はそそくさと帰らざるをえず、あーあ、惜しいことをしたなぁと、今、思ってるんですよ。

投稿: きびだんご | 2009.12.03 21:01

猫並さま
いやいや、さっさと見てしまうと、後からご覧になる方が羨ましくて仕方なくなると思います。名古屋あたりなら、リピートしそうだけど、それができないから、しっかり見るゾ、なんだと思うことにします。
猫並さんが菊・胡蝶をマトリョーシカと仰ってたのが記憶にしっかりと残っていた、ので、ついウフフでした。胡蝶のような役は、菊ちゃんでなくちゃ、と思ってしまいます。
藤原時平が有名なのは歌舞伎の中だけではないのかしら。・・・と、思うんだけど。日本史はイヤになるほど勉強したから、かえって記憶から追い出してるのでなければ。

投稿: きびだんご | 2009.12.03 21:08

ごめんなさい、この場をお借りして。
からつぎ様、情報ありがとうございます。しっかり録画!!です。

この後のレポも含めてきびだんご様の興奮が伝わってきて、気持ちが高揚してきました。あ~、やっぱり南座行きたかったよぉ~~

投稿: SwingingFujisan | 2009.12.04 23:11

ごめんなさい、私もこの場をお借りしますm(_ _)m

SwingingFujisan様、お役にたてて何よりです。
>あ~、やっぱり南座行きたかったよぉ~
まだ間に合いますよぉ(悪魔の囁き?)

浅草のチケットで頭がいっぱい、のからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2009.12.05 13:06

SwingingFujisanさま からつぎさま
どうぞどうぞ、どんどん使っちゃってください。というか、私も放映情報に感謝、です。

私の友人たちも、みな必ずといっていいほど身近に介護が必要な人を抱えています。ほんと、そういう年代になったんだ、と、つくづく思います。だから、「今なら行ける」という時は逃さずに、「ああ、今はとてもダメ」という時は、すっぱり諦める、そんな決断力=割り切り上手をめざそうと思ってますよー。

投稿: きびだんご | 2009.12.05 14:05

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