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2009.12.10

萬斎さんの目ヂカラ

12月9日(水) 「国盗人-W.シェイクスピア『リチャード三世』より-」 14:00~ 於・世田谷パブリックシアター

作/河合祥一郎 演出/野村萬斎 作調/田中傳左衛門 美術/松井るみ 衣裳/コシノジュンコ 出演/白石加代子(女・杏・王妃・政子・皇太后)、野村萬斎(悪三郎)、山野史人(一郎)、泉陽二(善二郎)、大森博史(左大臣)、石田幸雄(久秀)、若松力(理智門)、じゅんじゅん(影法師)ほか

 午前中、小田島先生の「テンペスト」の講座(全5回の最終回)。そこで知り合ったオバサマをお連れして三軒茶屋へ。せっかくキャロットタワーの展望レストランに行こうと思ってたのに「定休日」でざんねん! で、1時半すぎにパブリックシアターに行ったら、あらま小田島先生もいらしてましたわー。

 今日の席はF列=前から3列目の中央。これ、座席表で見たとき「前に通路があって足が楽そう」と思って、つい取ったんだけど、後ろのG列から階段状になるのよね。おまけに舞台の位置が割と高いからなぁ・・・。でも、心配してたよりは見やすくてよかった。しかも、萬斎さん扮する悪三郎は、この舞台の一番前までしばしばやってくるから、ドキドキするくらいでしたっ

 さて、初演からほぼ2年半を経ての再演。今井朋彦さんが出演されないのはとても残念だった。・・・で、なんと今井さんが演じられた役の一つ・右大臣は、今回の再演では存在してないのだ!

 一言で言うと、いろいろ刈り込まれたのかな、という印象。これは、初演であっと驚いたミラーボールの「悪三郎オンステージ」(笑)が影も形もなくなってたことに代表されるか。あと、舞台奥での読経シーンもあっさりしていたような気がする。悪三郎が登場してすぐのところは、もっと「悪党」でもいいんじゃないかなぁ。というか、もっとインパクトがあった気がするんだけど。

 印象的だったのは、王子を殺された王妃の慟哭。そして前回と同じく1人4役の早替わり(というか、すりかわり)。これはほんとにアイディアだな、と思う。そして観客を巻き込んでの、「悪三郎王、ばんざい」など。影法師と面の存在は、わかっていたがゆえに理解できた部分と思う。

 あと、先月「ヘンリー六世」を見ていたがゆえの、そこからの連続もリアルだったり(リチャード三世の幼い弟と、父の惨殺の経緯など)、やはりタイミングがよかったようね。

 ちょっとパンチ不足かな、とも思いつつ、でもかなり楽しんだのは、まっすぐに悪三郎の視線が届く席から見たこと(これで評価2割増)。そして「ヘンリー六世」」の余韻が残っていたこと(1割増)。・・・というところでしょうか。

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コメント

そういえば…萬斎って、かぶりつきの席じゃないと「目があった!」っていう錯覚ができない気がします…そうかぁ、そういう楽しみが、いい席にはありますねっ

私見ですが、黒目勝ちで睫毛の長い菊之助なんて「目があった!」と感じられる席の範囲がかなり広い気がするし(笑)、海老蔵になるとオペラグラス越しでも「私を見てる!」と思えないこともないですが、普段の舞台の大きさが違うから、視線の使い方も違うんですかねぇ。

投稿: 猫並 | 2009.12.11 23:30

「国盗人」は見たい見たいと思いつつ結局は断念(そういうものばっかり)。でもきびだんご様のレポを拝読したら、同じ見るにしても初演も見ておいたほうがよかったに違いないと感じたので、まあ諦めがつきました。
萬斎さんの視線については舞台をあまり見ていないのでよくわかりませんが、猫並様がおっしゃる海老ちゃんの視線については、「その通りっ!!!」 そういう視線を受けている(と思っている)のは自分だけじゃなかったんですねえ

投稿: SwingingFujisan | 2009.12.12 08:55

猫並さま
再演「国盗人」はミーハー心・満開でした
なるほど、視線の使い方というのは、ある感じがします。狂言の時って、じっと前を見ている時間は長くても、その視線は決して観客を見てない、というか、意思とか力とかとは無縁ですもんね。
今井朋彦さんは、新国立の「ヘンリー六世」と、来年の「蜘蛛女のキス」の谷間でしたね~。ヘンリー六世では国盗人「一郎」であるエドワード4世だったので、その姿をちょっと思い浮かべてしまいました。

投稿: きびだんご | 2009.12.12 10:44

SwingingFujisanさま
いやはや・・・ わりと間隔が短くての再演だと、初演の記憶が(私でも)鮮明なので、どうしても辛口になりがちでしょうか。ミラーボールのオン・ステージなんて、その時には「こ、これは」と思ったはずなのに、勝手なもんです。
来春は「マクベス」ですが、このパブリックシアターで、萬斎さんの手法によるシェイクスピアには、これからも注目していくつもりです。
海老蔵の視線!!! それだけでも「希有なお方」ですよね~。理屈を越えた存在

投稿: きびだんご | 2009.12.12 10:54

SwingingFujisanさま!
おお、ご賛同いただけますか!!
そうなんです、だからお正月の成田屋一座は、3階Bで見ていても「ちゃんと睨んでもらえた」気分になれます…安上がりな私。いや、さすが家の芸…
私は今年一年風邪ひきませんでしたから、オペラグラス越しでも「睨み」の効き目はバッチリ。目があった!と感じたのは錯覚じゃないと思ってます(爆)

成田屋の営業妨害してるわけじゃないんですが、ええ、3階からでも効果抜群ですっ
だから来年も、私のインフルエンザ対策はこれ。もちろん節約して3Bなり。しかも昼夜を一日で一気に。その方が新型にも効きそうで(大爆)

投稿: 猫並ふたたび | 2009.12.12 21:31

猫並さま
成田屋の睨みのことが話題になっている今日、落語を聞きにいきましたらば、團十郎の声色で、「ひとつ、にらんでぇ、お目にぃ・・・」が出ましたのよん。あまりのタイミングでおかしかったです。ま、睨みに入る前のだし、万一、ほんとに睨んでも、風邪には全く効果はないですけどね
私は来月の演舞場、夜の部しか取ってません。演舞場といい、浅草といい、歌舞伎座といい・・・3階ばっかり。

投稿: きびだんご | 2009.12.13 01:57

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