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2010.01.26

聴いてから読む

 年が変わってから、やっと「1Q84」を読んだ。かなりすっとばしたりもした・・・気がするが。そもそも年末年始に読もうかなと思い、ついでにamazonでヤナーチェク「シンフォニエッタ」CDも買っていたのだ。結局、読めないまま、CDだけは聴いていたのだった。

 チェコ語仲間には、音楽から入った人も何人かいて、以前からヤナーチェクが好きと言ってた男性は趣味はピアノという人である。また、フォークダンスの指導者でもあるオバサマは、何十回もチェコを訪問しているがゆえに、「1Q84」に出てくる、(シンフォニエッタから感じる)「ボヘミアの風」というのは違うんじゃないの? モラヴィアよねぇ・・・などなど。さすがに、話題作だけのことはある話題をいろいろ提供してくれていたのだった。

 私も新刊として出た当時、仕事の必要があってパラパラめくったりしていて、「シンフォニエッタ」は、冒頭でタクシーのラジオから流れていた曲、というだけの認識だった。が、かなり重要な存在として、何度も繰り返し出てくることを、読んでみて初めて知った。 

 そういえば、この「1Q84」の前に読んだのは「海辺のカフカ」だったっけ。あちらもわーっと読んで、でもそんなに記憶にない・・・。だいたい今やタイトルを「少年カフカ」? なんて思ってたりする。あちらにも「暴力」の影はあったっけ。

 「1Q84」では、主人公の一人・青豆嬢の行動に、つい懐かしのTV「必殺シリーズ」を思い浮かべる。でも、彼の描く世界は(「暴力」も含めて)モノクロ、無機的な映画の雰囲気。ふっと気がつくと、すごくオシャレな感じの映像が浮かぶんだけど、色がついてないんだ。

 根本的に相容れない部分も感じつつ、それでも挫折せずに読み通しちゃう。これは作家の力かしらん。登場人物に感情移入はしない(どの作品でも)。作中人物と同様に(?)、現実感なく、クールに見つめている自分を確認するのみ。

 しかし、読む前に聴いてたのと、読み通してから聴くのとでは、ちょっと思いが違う。広がったといえるのか、あるいはむしろ情景が限定されたというのか・・・。

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コメント

スメタナの「わが祖国」の中の「モルダウ」(が日本での通称だと思うんですが)に歌詞がついて、合唱曲になってるのをご存知ですか?
中学生あたりの合唱コンクールで、私の時代には!、よく歌われておりました。全国的な現象だったみたいで、社会人になってから合唱コンクール体験者との話題によく登場した曲のひとつなんですが、あれも歌詞の冒頭が「ボヘミアの流れ、モルダウよ」で、日本語にしかありえない歌詞だなーって(後からですが)思ったのを思い出しました!
でも、チェコを旅行した時にチェコ・フィル演奏のわが祖国のCDを買ってきたんですが、ショップの店主は川の名前を「ブルダヴァ」って発音してて、モルダヴィア(彼はその時そう発音したんです)はドイツからの見方だとかなんとか言われた記憶があったんですが、拝見すると私の記憶はまたもやどこかで破綻をきたしているようですね…モラビア、おお!そういうブランドがあった!!

投稿: 猫並 | 2010.01.27 08:14

きびだんご様のバイタリティーにここでも感服です。だって、私は長編というだけで、読む前から眠くなってしまうんですもの。村上春樹も短編をいくつか読んだだけです(短編を読んだ範囲では、「好き」と思いましたけれど)。
アンソロージーなら歓迎です 私もマイアンソロジーとして歌舞伎版でも考えてみようかしら。

私が習ったモルダウの歌詞は「ボヘミアうるおす川よ、豊かな流れモルダウ」でした。東欧(とくにチェコとハンガリー)には行ってみたいですわ~。

投稿: SwingingFujisan | 2010.01.27 08:49

猫並さま
そういえば「わが祖国」、歌ったことがある気がします。た~らら~ら ら~らら モールダーウよぉという感じなので、猫並さんと同じ歌詞だったんでしょうか。そのうち記憶の奥底から発掘されるかしらん。
私はほんとは旅行に行っちゃイカンだろ、というくらい、地図が読めないんですが(年とって益々重症化してる)、その上にカタカナ地名が混乱するので、海外はさらに大変です。まして地名は、英語読みだの現地語読みだのもあるし。克服(?)するには、「ブルタヴァ川」の川岸に立ったのだ、とか、実感するしかないのかも。でも、その前に日本を漫遊(笑)すべきだったりして。

投稿: きびだんご | 2010.01.27 09:18

SwingingFujisanさま
特にこの本みたいに100万部超えが話題になったりすると、買ったり読んだりする「時」を、失ってしまいがちですよね。
私は知人が持ってるのを知ってたから借りて、新幹線の中で読み、直後に版元勤務の友人と会う(=話題にする)、という3段階でやっと読破(と言えるのなら)できました。
村上春樹は短篇が好き、というのもわかる気がします。

私も久々どこかへ行きたいなー。今年はチャンスなのか、すでに時を失ったのか、ちょっと微妙な状況です。

投稿: きびだんご | 2010.01.27 09:27

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