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2010.03.25

台詞劇としての新作能

3月24日(水) 「新作能 野馬台の詩-吉備大臣と阿倍仲麻呂」 13:00~ 於・国立能楽堂

小田幸子/脚本 梅若六郎/演出・節付 野村萬斎/演出 国立能楽堂制作・初演
野村萬斎(吉備真備)、梅若玄祥(阿倍仲麻呂)、野村万作(皇帝)、野村裕基(蜘蛛の精)、石田幸雄(通辞)ほか 地謡
笛/藤田六郎兵衛 小鼓/大倉源次郎 大鼓/亀井広忠 太鼓/助川治

 実は、ずいぶん早くに、3月24日は劇団☆新感線を見るぞ(ソワレで)と決めていた。そこへ、この新作能上演を知って・・・諦めようかとも思ったけど、吉備真備を萬斎さんが演じるのを見ないなんて、と思い直した。えーい、24日はハシゴしちゃえ!! しかーし、能と新感線。こんなに「静と動」の落差が激しいのがわかっているのにハシゴとは、全くなぁ・・・自分であきれつつ、しとしと雨の中、能楽堂へ。

 あ、ポスターがカッコイイのよ。国立劇場へ歌舞伎を見に行った時に初めて目にして、おおっと思ったもの。

 まず大まかな印象を言えば、パンフレット(700円也)の萬斎さんの言葉にある「能楽劇」という表現が一番しっくりきた。ほぼ台詞劇と言ってもいいくらいで、わかりやすい。そして狂言が幹にあるから、笑いもたくさん。最初に作り物の高楼が出てくるんだけど、これの仕掛けも面白い。それと梅若玄祥さんの仲麻呂が、あんなに喋るとは思わなかったなー。さすがに新作能は言葉もよくわかるよ。

 途中で登場する万作さんの皇帝、石田さんの通辞、これはまぁ「唐人相撲」のバリエーションでもある。このあたりまでは、けっこう面白く笑いながら見ていたんだけど、その後、事態は大きく動くことになる・・・。が、この緊迫した場面での仲麻呂の言葉、が、お囃子の声と重なって殆どわからなかったのが残念だった。それまで、どうしても台詞を追ってしまっていたので、そんな気持ちになったんだと思う。(いつもだと、どのみち詞章はよくわかってないから気にならない)

 あと、こういう新作能の場合、地謡の人たちも大変だろうなと思う。・・・というのは、音楽的な心地よさみたいなものがあまり感じられなかったから。そのあたりも、なんとなく「言葉ありき」の世界の気もする。

 とはいえ、終盤の風雲急を告げたあたりから、言葉ではなくてイマジネーションの世界に取り込まれて、それゆえに印象も深くなったように思う。

 萬斎さんは、少し前まで「マクベス」をなさっていて、続けてこの新作能・・・頭の中で台詞はどんなふうにインプットされてるのかしら。驚くばかりだわー。

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能・狂言」カテゴリの記事

コメント

1日遅れて観てきました。
ホント、セリフが…狂言のようで…判りやすかったです!
でも、判りすぎて、途中まで誤解してたモノがあった私です(爆)

最初、あの塔の中に六郎オジサンが入ってるもんだとばかり思っていて、台に乗せるのに大きく傾いた時は「壊れる!」って心配しちゃいました。萬斎だと判ってからの引っ込みは「どうにでもなるなー」って気分になりましたが。

仲麻呂と吉備真備の関係が、今まで思っていた印象とずいぶん違って、びっくりでした。

投稿: 猫並 | 2010.03.25 22:54

猫並さま
ほんと盛況でしたよね! お互い、見に行けてよかった。(開演前も終演後も、トイレの行列がすごかった)
やっぱりお能だから、高楼の中には六郎さん、と思ってしまいますよね。私も萬斎さんが顔を出した時は、あらっ、と思いました。
それにしても、シテの言ってることがあんなにハッキリわかるとは・・・ほんとに「能」と言っちゃっていいの?(というくらい、ワカンナイものだと思ってる私)

投稿: きびだんご | 2010.03.25 23:37

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