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2010.04.05

芸達者な人たちの「かたりの椅子」

4月3日(土) 「かたりの椅子」 14:00~ 於・世田谷パブリックシアター

(日にちが前後しました)
二兎社公演35 作・演出/永井愛 出演/竹下景子、山口馬木也、銀粉蝶、大沢健、内田慈、吉田ウーロン太、松浦佐知子、でんでん、花王おさむ

 久しぶりの二兎社、新作公演である。いつものように(パブリックシアター会員なのに)二兎社に直接チケットを申し込んだ。そしたら・・・M列左ブロックという、おやおや?な席でした~。しかも、当日、後ろはほぼ空席という でも、舞台の構造上、あまり前の方だと首が疲れそうだし、特にかぶりつきで見たい人がいるわけでもないから、このあたりで暢気に見るのは、決して悪くはなかった。

 客席の平均年齢はかなり高い。これは二兎社だとまぁいつものことだっけな。市民運動してます?とか教員リタイア?みたいな率が高いの←あくまで推定。偏見。(んじゃぁ、私は他人からはどう見えたのか、って話だよね)

 お隣の60代後半とおぼしき女性2人が、開演前にたくさんのチラシを見つつお喋り。「博覧會」のチラシに反応して、「ホラ、この人、オトコオンナの」(笑)。ものすごく懐かしい単語を聞いた気がした・・・オトコオンナ。それって、篠井英介さんを指して言ったんだよね。

 というような、ノンビリムードの客席にいて、でも、これから始まる内容は「新国立劇場の芸術監督をめぐるアレコレ」に想を得ているのだから(というより、永井さん自身が当事者であった)、展開に不安(重苦しいとイヤだな)も持っていたのだった。

 「かたり市のアートフェスティバル」のプロデューサーとして雇われた、りんこ(竹下)。実行委員長はアーティストの入川(山口)で、斬新な楽しいフェスティバル案を持っている。いっぽう、主催者側は天下りの財団理事長(銀粉蝶)、その右腕で都庁から引き抜かれたという目高(大沢)、市の担当者(でんでん)で、委員長案は衛生上、安全上、個人情報保護などから問題アリとして、(圧力というかたちではなく)つぶそうとする。

 実行委員の面々(内田、吉田、松浦、花王=有識者ワクだったり地元商店街ワクだったりする)は、最初、一致団結して実行委員長案を通そうとするのだけれど・・・。

 まぁ、私の生活には基本、無縁なのだけれど、想像はつくような「官僚的言い回し」が皮肉っぽく描かれたり、会議のプロセス、内容は明らかにされない、また出席者には守秘義務がある、という縛りなど、実際の出来事をそのままイメージさせるようなことなどがあふれている。でも、竹下演じるりんこが、バリキャリ女性じゃなくて、迷ったり悩んだり押し切られたりしている姿が、とっても身近に感じられるんだわー。

 最後の暗転になった時、ふっと、「これ、どんな風に終わるのかしら」と思ったら、そこがラストなのであった 結末は一通りではなく、観客にイメージさせる終わり方。しかし、どっちにしても、これからりんこは大変だなぁ。

 役者さんは全員、二兎社公演に初登場だという。道理で、いつもの常連さんが誰もいないわけか。アテ書きとまではいかないのかもしれないけど、それぞれにピッタリ、という感じだったなぁ。特に、ナイーブなアーティスト、山口馬木也くんがすごくよかった。あと、銀粉蝶、でんでん。財団側の、いわゆる悪役になっちゃう方の「弱さ」も見せつつ、そういうことがあってもなお強固に守られていく守旧的な物事って、なんなのかと思ってしまう。

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