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2010.09.22

Wキャストのお芝居を一気に見る

9月21日(火) 「野田地図 番外公演 表に出ろいっ!」 14:00~/19:00~ 於・東京芸術劇場 小ホール1

作・演出/野田秀樹 出演/中村勘三郎、野田秀樹、マチネ:太田緑ロランス ソワレ:黒木華

 これ、ほんとは2回も見るつもりはなかったのよー。ただ、チケットがすごく取りにくそうだなぁと思ってたのに、意外にも発売日に「あら行けます!」だったもんんで、ついポチッとな(芸術劇場のチケットサイトで)。その前に先行でソワレを買っていて、その後、Wキャストとわかったんでどうせなら一気に見るか、と。・・・というわけで、はずみで買い足したマチネは安い「サイドシート」から。

 サイドシートってほぼ半額近いから、かなりお得かも。特に今回は舞台&客席の形状が変わってたから、私の右端の席でもあまり見切れるということはなかった。しかも、本来私が買ってた席は、カメラの設置上NGとなって、前から3列目に進出しちゃった。いやはや、照明の具合もあって、唾が飛びまくってるのがよく見えました。

 ただ、ソワレで普通の席に座ったら、腐ってもS席(笑)。たまたまマチネと同じく右に寄った席だったので、ツマンナイなとも思ってたけど、やっぱり色々よく見えたのでした。(以下、ネタバレあり)

 お芝居は3人芝居(父、母、娘)。これを見てると「人が3人いれば社会ができる」とかなんとか?、ってことがよくわかる。2人だとそれぞれが自分の主張を言いっぱなしだけど、そこに1人加わると、一方の主張のどの部分に共鳴するかで、多数派ができちゃう。でも、その多数派は、ものすごく流動的。誰が誰の、どの部分(たいてい下らないんだ)に共鳴するか、あっという間に攻守所を変え、ってな具合。それがものすごくスピーディーなの。

 言葉のみならず、野田秀樹も勘三郎も、身体をフルに使ってあきれるほどエネルギッシュ。最初っから、テンションMAXという感じ。
 父はお能の家元(でも東京ディスティニーランドが大好き)、母はアイドルグループ「ジャパニーズ」の大ファン、娘はクドクナルド(略称クック)が好きで、そこのキャラクターグッズのコレクター。表面的にもこの、固有名詞のちょっとしたお遊びが楽しいし。

 最初は3人の誰が留守番をするか、という他愛ない(だけど、それぞれにとっては絶対に譲れない)言い合いだったのに、みんな鎖につながれちゃって表に出ていけない。さらに娘が通う書道教室の家元の予言もからんで、都会の、家の中にいながら「遭難」状況に・・・。

 いや~、80分よく笑いましたワ。野田さんは「ザ・キャラクター」の重~い部分を、これで発散させてたのに違いない。で、書道教室の薄汚い家元、と言われるたびに、あの顔が浮かぶのであるよ。うまくできてる。

 オーディションで選ばれた娘役の2人。なんか声の質が似てる気がした。それゆえにか発声も似ていて、繊細だけれど聞きやすい声だったように思う。客席自体が、ソワレの方がノリがよかったからかもしれないけど、勘三郎さんは黒木華ちゃんの方がやりやすそうだった(あくまで主観の問題)。これは黒木さんの実年齢が、この娘と全く同じ、ということもあるかな。太田さんの方がちょっとだけクールな娘に思えた。

 舞台美術や、3人の衣裳がとてもポップで可愛かった。それと父&母のヘンな髪型も特筆ものでした。

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コメント

私は黒木華ちゃんの方だけ観たんですが、なんせかぶりつきだったもんで、飛び散る唾(おもに勘三郎)とむき出しの腕を流れる玉の汗(おもに野田秀樹)まで良く見えて、いろんな意味でぞくっときました(笑)
プログラムを読んだら、ザ・キャタピラーとほぼ同時進行で書いてたみたいですね、これ。なるほど、そうでもしないと野田秀樹ですら精神の均衡を取るのが難しかったのかもと思えたりもして。
えろとぐろてぃかるぱれーど、まさにあれはエロとグロだ!と心の中で喝采しました(爆)

投稿: 猫並 | 2010.09.22 23:35

猫並さま
きゃーん、かぶりつきの特等席(←でいいのか?)。それはさぞかし飛んでたでしょう ソワレの時、舞台の突端で勘三郎が野田の顔に丸めた紙を投げつける場面で、その紙が舞台下に落ち、勘三が素早く拾いに降りたんですよ(で、よじのぼって戻った)。もう1回、投げつけなきゃいけなかったのね・・・などなど、どこまでが演出でどこがハプニングなのか、判然としなかったりして(固定電話は必ず舞台下に落ちるように狙ってるのか、とか)。殆ど酔狂の昼夜観劇も、それなりに楽しめました。
「えろとぐろてぃかるぱれーど」!! 早口言葉の練習になりそう ただの言葉の入れ替えじゃないみたいな(深読みしそうな)言葉遊びの数々もおかしいですよね。

投稿: きびだんご | 2010.09.23 10:37

この公演が発表になったときは是非見なくては、と張り切っていたのに、なんだかんだで尻すぼみになってしまった私…。でもきっときびだんご様がレポしてくださるわと楽しみにしておりました(ダブルでご覧になっちゃうとは思わなかったけれど)。ありがとうございます。
勘太郎・七之助が、とにかく稽古がすさまじい、知らない人が聞いたら本当にケンカしているみたいだと言っていましたが、唾を飛ばしまくる勘三郎さんが目に浮かぶようです。
やっぱり見に行けばよかったかな。

投稿: SwingingFujisan | 2010.09.25 11:12

SwingingFujisanさま
いやぁ、私の場合は最初「どっちでも」というスタンスだったんですけどねー。どうしてこんなことになったのやら。今後こんな酔狂はしないと思いますが、でも野田さんの芝居なればこそ、ってことで。
まぁ、見れば充分おもしろいんだけど、後から振り返ったら「ザ・キャラクター」に続けて笑えるのをやってたな、というくらいかもしれませんワ。それにしてもオジサン2人、タフでございます。息子たちも負けてられないでしょう。

投稿: きびだんご | 2010.09.25 23:50

きびだんごさま
ダブルキャストのお二人を一気にご覧になったとはうらやましいです。
私は太田緑ロランスさんの方を拝見したのですが、黒木さんはどんなだったかな、と興味ありました。彼女の方が勘三郎さんがやりやすそうっていうの、何となくわかります。

それにしても、おじさん二人のエネルギッシュさとハイテンションぶりにはほんとに脱帽でしたね!

投稿: スキップ | 2010.10.03 02:33

スキップさま
我ながら酔狂、とは今でも思ってまーす 中身の詰まったものとはいえ80分だったので、マチソワも苦にならなかったのは助かりました。
スキップさまの丁寧なレビューを拝読して、思わず「新潮」の戯曲を読んじゃいました。それに絶対「デスティニーランド」ですのね。しぜんに「デ」と聞いて「ディ」と思ってたのかな。勘三郎丈は必ず「デズニーランド」でしたか!!
3部作とのことで、いよいよブッキー主演作が気になります。これはなんとしてもチケットを取らねば。「K2」は潔く諦めましたっ。

投稿: きびだんご | 2010.10.03 11:09

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