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2010.09.10

「ござる乃座」の楽しみは

9月7日(火) 「狂言ござる乃座 44th」 19:00~ 於・国立能楽堂

狂言「盆山」裕基、万之介 狂言「鐘の音」万作、竹山悠樹--休憩--狂言「合柿」萬斎、石田幸雄、月崎晴夫、野村遼太ほか 小舞「屋島 後」裕基 小舞「名取川」遼太 狂言「呼声」萬斎、深田博治、高野和憲

 万作の会が主宰する公演のうち「狂言ござる乃座」(年2回)と「万作を観る会」(年1回)は、いつも楽しみ・・・なんだけど、今年はどうもうまく日程が合わず、見られるのはこのござるのみとなりそう(涙)。ござる、万作を観る会、ともに、無料で配られるパンフレットが充実しているのと、演目構成にいつも感心してしまうのだ。

 今回のパンフレットも柿や紅葉の山をイメージした表紙(デザイン:野村葉子)。萬斎さんの巻頭言(ござるの回数が自分の年齢に追いついたとのこと。演目紹介、近況など)、演目解説(三浦裕子)、語句解説、謡の詞章、そして巻末のエッセイ(勝村政信さん)と盛りだくさん。←毎回、エッセイの筆者が変わるくらいかな。

 さて、私は「ござる」は中正面で、「万作を~」は正面で見ることが多いので、今回も中正面席にて。あっ、11月末の「万作を観る会」を見に行けないのは、1回しか公演がないから。今まで2回公演だったのになぁ。しくしく。

 で、今回の演目に共通するのは・・・擬音ということになるのだろうか。「盆山」には実に様々な擬音が出てくる。特に盆山を盗みに入って見つかり、からかわれているとも知らず、犬や猿の鳴き声をする裕基くん。そこはホレ、子どものことだからまたカワイイんだけど、とくに鯛の鳴き声(笑)で帰って行くときはなんともいえませんわ~。

 そこから一転、今度は万作さんの芸を味わう。鎌倉の各寺の鐘をついて、その寺ごとに違う「鐘の音」の響きを、ただ声のみで表すんだけど、おもしろかったなぁ。ビブラートが絶妙なのね。

 萬斎さんは、ただ今、映画「のぼうの城」撮影中で、髪を切ることができないそうで(「映像技術が格段に進歩したため、カツラをつけるにも地毛を使う必要があり横髪を切ることができず」)、ちょっとあらっと思う感じでした。
 「合柿(あわせがき)」は、私の実家あたりでは普通に使う言葉なんだけど、全国的でもないのかな。シテは渋柿と知ってて売りつけるのではないらしい。でも、渋柿を食べちゃうと口笛が吹けなくて、その「吹こうとして吹けない」ありさまが見どころ? うーん、季節だなあ。

 小舞の地謡は、万作さん、石田さんたちだったけど、もしかしたら万作さんは「鐘の音」の後で、声が苦しかったのかも、という感じ。

 そして最後には、居留守を使う太郎冠者を、平家節やら小歌節やらで謡いかける「呼声」。何回も(いろんな節で)「太郎冠者は?」と訪ねるのに本人が「留守だよー」と。でも、最後には3人が浮かれて囃し合うその雰囲気が楽しくて、おもしろかった!という満足感で一杯になるんだ・・・というわけで、今回もふむふむな構成におそれいりにけり、なのでした。

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コメント

「鐘の音」、茂山さんで見た時に千之丞さんの解説があって、関西弁だとホントは聞き間違えないと言ってたんですよ。
「ね」だけど、関西弁だと「ねぇ」になって、値と音ではアクセントが反対だからって。
言葉としては、関西弁のが古くからあるもんだと思ってたんですが、この曲が江戸専用でなく、茂山さんでも古典として扱ってる以上は、関西弁も変化したってことなのかなーと、ちょっと不思議でした。
でも、聞かせどころはやっぱり鐘の音の表現で、ビブラートいろいろ!ってところは共通のようです。野村さんのも観たいなぁ…

投稿: 猫並 | 2010.09.11 22:27

猫並さま
おおっ、そう聞くと茂山さんの「鐘の音」も見たくてたまらなくなります。
なかなか茂山さんチの会までは行けないんですが・・・三鷹の「東西狂言の会」はそういう意味でも貴重ですねぇ。郊外の町に、よく関西から来てくださいます!!

ところで関西の「鐘の音」では、お寺はどちらに行くのでしょうか。鎌倉の、実在の寺が出てくるだけに、いい音の鐘ばかりじゃないこの狂言の成り立ちとお寺の関係など、変な方向に興味がいってしまいます。

投稿: きびだんご | 2010.09.12 08:55

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