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2010.11.08

「小国ながらニッポンは・・・」by和藤内・母 渚

11月8日(月) 「国立劇場 11月歌舞伎公演」 12:00~

通し狂言 国性爺合戦」序幕/大明御殿の場、肥前国平戸の浦の場 二幕目/千里ケ竹の場 三幕目/獅子ケ城楼門の場 四幕目/獅子ケ城甘輝館の場、同 紅流しの場、同 元の甘輝館の場
藤十郎(錦祥女)、梅玉(甘輝)、東蔵(和藤内母渚)、左團次(老一官)、團十郎(和藤内)ほか

 国立劇場で通し狂言がかかるときは、できるだけ見に行きたいと思ってる。やっぱり一度通しで見ておくと、違うんだもの。それに安いしゆったり見られる。今日も3階の1列目から(2等席)。ちょうど、3つだけ椅子のあるブロックの右端。最初はこのスペースを独占かと期待したんだけど、お隣さん2人が、やや遅れて登場。ざんねん。

 幕が開くと、おお、そこは大明国! 御殿の装飾や衣裳の色合いが華やかですこと。で、雲の模様がパッと目に入るんだけど、出雲大社の本殿天井の雲の画を思い出しちゃった。デザインとかは違うけど、派手な彩色なんだもん。・・・と、これはまあ余計とはいえ、古代からの長きにわたる日本と中国の関わりについて、チョコチョコ考えたりしつつ見ていた。だってぇ、そんな話なんだもん。そんな時期なんだもん。後々、寅年に国性爺を通しで見た、と思い出すのか、それとも尖閣諸島問題が様々あった年、と思い出すのか?(あるいは、通しで見たことがあったっけ、と涼しい顔してるかも

 この大明御殿の場は、役者さんがそれぞれちょっと意外な感じで面白かった。皇帝・家橘、仕える将軍が右之助&翫雀、皇妹・亀鶴、韃靼国の使者・松江。髭や鬘も雰囲気が違うんで、えっ誰?? 一番わかんなかったのが亀鶴さんかな。物語の発端として興味深く、けっこうダイナミック。これらの人(除・亀鶴)は大明御殿の場だけにしか出演されないのが、ちょっと勿体ない、という感じ。あ、市蔵さん(安大人)には全く気づかなかったけど、虎狩りのところでもう一度登場。
 で、韃靼に国を滅ぼされた栴檀皇女が船で逃げて流れ着いたのが平戸の浦、ってわけ。さて、ここから和藤内=鄭成功が中国に渡る事情がわかるんですワ。ふむふむ(笑)。この平戸の浜で、和藤内は蛤とシギの戦い(?)から軍法の奥義を悟るんだけど、このシギや蛤、また船の動き、波の様子(盆が効果的に使われる)など、見ていて楽しい場面でもある。

 昼食休憩をはさんで、次には虎が出てきたり、面白いじゃないの。・・・が、しかし。ごめんなさい、楼門の場はあんまり記憶にないのよー。ハッと気がつくと老一官がいて、あらいつの間に登場してたのかしら。次に気がつくと錦祥女が。というわけで

 まあ実は、あまりかからないらしい二幕目あたりまでが、楽しくって。そこから後は、今度は役者さんに注目、というところかなあ。中では、梅玉(甘輝)の存在感が、圧するわけではなくて静かに支配する感じ(?)が、よかった。

 今までも、好んでは見に行かなかった国性爺で、なかなかその面白さとかまではわからないんだけど、流れはわかったゾということで。あとはけっこうナショナリズム方面が、時期的にねぇ・・・。タイトルにした渚の言葉は「小国ながらニッポンは、男も女も義をば知る」とかなんとか、なのでした。

 

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コメント

今日(9日)劇場でお目にかかる前に、この記事を読んでおけばよかったです(笑)

演目を決めた時点では、日中関係がこんなになってるとは想像してなかったでしょうねぇ。とにく国立劇場だもん、先月くらいになってようやく「あれ?」と思ったに違いない…
漁夫の利で大明国と韃靼国を両方とも我が手に!というくだりは、かなりアブナイ気がしましたが、表向きは明の味方をする!というところで終わるから、ギリギリセーフって感じでしょうか。いや、和藤内は明を再興したら王様になろうとしてるってことが丸わかり、かなぁ。

私も、最初の大明国のシーンが一番楽しめました。

投稿: 猫並 | 2010.11.09 23:36

猫並さま
いやいや。何しろ甘輝館のあたりで、しゅるしゅるだったので、あんまり語り合う、ってことにもならなかったかと。あ、書き忘れてたけど、翫雀がかなりよかったなーと思いました。髭やなんかで丸顔がカバーされてた?(笑)

しかーし、よりにもよって、すごい時期に、国立で、こんなん上演してる、っていうのが・・・。やっぱり何年かしたら、そういうことだけを覚えてるような気がします。

投稿: きびだんご | 2010.11.09 23:57

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