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2010.12.27

菊之助・玉手で締めた、今年の歌舞伎

12月25日(土) 「日生劇場大歌舞伎」 16:30~

 今年最後の歌舞伎は、日生劇場の千穐楽。初日近くに最前列センターあたりで見て、中日くらいには2階席(F列)から。そして千穐楽は1階E列センターだから、いわゆる「とちりセンター」といったところ。日生劇場は座席が前の列と重ならないようにチドリになっていることもあって、ものすごく見やすかった。松竹座の合邦も含めて、初めてちゃんと花道の玉手もじっくり見る(感じる)ことができた。

 何回見ても、庵室の場では泣いちゃうんだわ~。通し上演で、ここに至るまでのことがわかりやすい、ということもあるけれど、松竹座の時と比べて、手負いになってからの告白がストレートに迫ってくる。これは、菊之助の精進の成果ではないかしら。誰かの玉手と比べるわけでもなく、素直に玉手御前の言葉として胸に落ちるのである。渾身の玉手、だったよねー。

 気がつけば、それまでさんざん、玉手御前の話は苦手、などと言ってた私がすっかりトリコになっている。若くみずみずした玉手と、それに釣り合う俊徳丸、浅香姫のバランスもよかったのかしら。特に梅枝くんの俊徳丸は「程良く」きちんとしていて、感心したのだった。

 たまたま、今日(27日付け・朝刊)の東京新聞、小田島雄志「言いたい放談」はこの摂州合邦辻のことであった。日生劇場というミュージカルの殿堂で歌舞伎を見るのは「ワイングラスで日本酒を飲むような違和感」があるのでは、と思っていたが、玉手御前が登場したとたん「不思議な明るさにたちまち吸い込まれていった」そうである。

 「菊之助は、玉手御前の女心を宝玉のように光にくるんで観客に手渡してくれたのである」と文章は結ばれている。まぁ、タイトルも「日生劇場を“歌舞伎の玉手箱”に」ということで、お得意の駄洒落モードがちょっと入ってるんだけれども。でも、泣くよねぇ・・・と、小田島先生と語り合いたい気分でもある(22日のシェイクスピア講座をさぼっておいてよく言うよ、だけど)。

 「達陀」も、時蔵さんの青衣の女人が素晴らしくて、ついつい体育会系ダンス!と思ってしまう私の誤解(笑)を正すことになるのだった。

 2演目ともに、ある意味、わかりやすさが前面に出ていたような気がする。それは、役者の年代ゆえ(等身大で演じるならば)か、あるいは、劇場も少しは関わるのかもしれないなぁ。何はともあれ、「歌舞伎座さよなら公演」で突っ走り、その後は基本、音羽屋とともに過ぎた2010年もまもなく終わり。今年もまたいい年でありました!

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コメント

<渾身>という言葉が本当にピッタリ。
「蹴殺すぞ!」はもの凄い迫力でしたね。
手負いになってからの菊之助君を息を詰めて見入ってしまいました。
3回観ても全く飽きることなく、もっと観たかったなと思う位です。
それは達陀も同じ。
充実の12月日生歌舞伎でした!
チーム音羽屋でお喋りできたし(3人が揃ったのは初めてですよね)とても良い観劇納めになりました。

来年もどうぞ宜しくお願いいたします。

投稿: 尚花 | 2010.12.27 21:28

尚花さま
チーム音羽屋!! そういえば、3人そろったのは初めてでした。観劇後、私もクリームソーダくらいならお付き合いできた気がするけど(爆)、また次の機会を楽しみにしています。ワインを飲めるところに、よろしくね
ほんと私も、全然飽きなかったです。見るたびに、感じが違うんだもの。菊ちゃんが、ということではなくて、ああ、父・合邦に対してはこうだったか、とか、いろいろね。東蔵さんは松竹座よりは抑えめだった気がしますが、その辺は実際はどうだったのかなぁ。

ブログ上のみならず、実際にもお喋りできたり、いろいろ実りの多い楽しい年でした。来年も音羽屋を応援し、またほかにもいろんな舞台を楽しみましょうね。どうぞ、よろしくお願いします。

投稿: きびだんご | 2010.12.27 23:15

小田島先生の評は私も読んでうんうんと頷きながら嬉しくなりました。菊ちゃんの玉手が好きなのは、ひとつには「不思議な明るさ」があるからなのかもしれない、と小田島先生の言葉に気がついた次第です。

日生劇場っていい劇場だなと、今回はとくに思いました。

投稿: SwingingFujisan | 2010.12.30 12:58

SwingingFujisanさま
小田島先生もそろそろ80歳くらい。でも、相変わらず精力的に劇場通いをなさってるみたいです。
日生劇場はほとんど縁がなかったのですが、いいですよね。ロビーなどのスペースがゆったり取ってあるのは、嬉しいですし。

投稿: きびだんご | 2011.01.04 00:23

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