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2011.04.23

自分で誕生日を祝う、記念観劇なのだ

4月22日(金) 「3軒茶屋婦人会4 紅姉妹」  19:00~ 於・紀伊國屋ホール

作/わかぎゑふ 演出/G2&3軒茶屋婦人会 出演/篠井英介(ミミ)、深沢敦(ベニィ)、大谷亮介(ジュン)

Beni_2 ←「べにしまい」と読む

 この3人のオジサンたちが女形で演じる3軒茶屋婦人会の公演も4作目。今まで全部見ている私って・・・

 チケットはG2プロデュースで取った(F列センターブロック)。絶対に見られる日を選んだので、誕生日に一人寂しく(笑)観劇ということになってしまった。家族からは「お祝いしようと思ったのに」(ホントか?)と。キャンディーズのスーちゃんと、ほとんど同い年だったんだなぁと、今さらながら気づく、区切りの年なのですワ。

 そんな告白(?)はともかく、期待に違わぬ面白さで、満足感いっぱい。終わりよければ全てよし。楽しい一日でした。

 舞台はアメリカ、NY。カウンターとテーブルセットが1つだけのバーには、「SOHO 紅や」という看板が出ている。オープニングに、篠井さんが一人登場・・・あれれ? あの派手なチラシの写真とは大違いの地味な着物で、老女、という感じなんだけど。照明もほとんどなし(後方のみ)。ジュンもベニィも死んで・・・という思い出話。

 次のシーンは世紀が変わったばかりの新年(ハッピー・ニュー・センチュリーと言ってる)。ここまで気づいてなかったけど、バーの壁に電光文字が出て年号を示していたよう。私は次の1990年から気がついた。2001年には3人揃っている。でも、3人とも相当なお年で、記憶力が弱まり(物の名前が出てこない、話題がループするetc.)で笑える。

 こんな調子で、だんだん年代を遡り、彼女たちの関係、彼女たち3人が母親だというジョーの存在、3人が愛した一人の男(ジョーの父親。日系人部隊としてフランスに赴き戦死)、アメリカ社会での日系人の位置づけ、などなどが徐々に明らかになっていく。でも、そこは芸達者な3人だから、笑いがいっぱい。

 1977年にジョーが結婚した時には、3人とも留袖で出席する、ということで、実家がお金持ちだったらしいジュンの着物がどっさり(着物のことを知らないミミに、TPOの解説も)。ベニィとミミが「細雪ごっこ」をしたり、舞台上でベニィの着付けをしたのも楽しかったなぁ。この年が一番華やかで、チラシのイメージ。

 物語の冒頭では、アメリカで生を終えた(終えようとする)日本人女性の話、と思っていたのに、だんだんだんだん事情がわかってくる。ジョーがほんとは誰の子なのかもわかる。その後、年は1960、1945まで遡って終わる。日系人部隊だった442部隊なんて知らなかったし、フォード大統領が日系人差別を国家の過ちと認めた、という台詞などもある。3人はそれぞれに戦争と関わりながら生き、しかし3人でいることによって、新たな人生を生きたようにも思える。

 各年代のシーンで必ず出てきて飲んでる「ノアーズミル」(バーボン)や、アカペラで歌う「ハーバー・ライト」など、小道具の存在もピリッときいてて、忘れがたい。

 3茶婦人会の作品は、どれも、挑戦的というのか(ちょっと言葉が違うな)、意欲的というのか。彼ら(彼女ら?)にしかできない表現を目指していて、そのあり方が好きだとつくづく思う。もちろん、面白いのが大前提で。

 前作「ウドンゲ」が現代日本のオバサンの、喪服姿だったから、今回こんなに色とりどりだったのもわかるなー、なんて思う。「次は絶対派手にしましょうね」というのがあったにちがいない。

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コメント

お誕生日おめでとうございます!

改めて自分の年令を考えると、実年令に精神年令が全然追いついていないことに愕然としたりするのですが、普段は自分の年を忘れて過ごしております(笑)

紅姉妹のチラシ、何とも凄いインパクト!
怖いもの見たさ、の世界ですね(笑)
濃そうですがすごく面白そう。
きびだんごさんのアンテナ、さすがです。
感度の良いアンテナと心を持ち続けること・・大切ですよね。

投稿: 尚花 | 2011.04.23 22:36

尚花さま
ありがとうございます! 勢いで(というより居直りか)、告白までも もういいんだ(爆)。もちろん、ふだんは年齢を忘れてますよネ。ふと気がついてガクゼン、というのは同じです。忘れないと生きていけないワ。

そう、この「紅姉妹」のチラシで引いてはいけないのです!! 第1作で、3人のオジサンたちが、アメリカのハイスクールのチアガールを演じたから、見る私も、何もこわくないのよ。
今の年齢だからわかることもある、と思えば、年をとるのも怖くない・・・かな。

投稿: きびだんご | 2011.04.23 23:27

お誕生日おめでとうございます。
mixiはやたらとお誕生日通報してくれますが、あれはなんかこう、対応に苦慮します、特に私のようなオジオバサンは。だから発表があるまで音なしの構えで(笑)

見る予定のない芝居なせいか、ふんふんと内容を読んでたら、ふと「二つの祖国」を大河ドラマにした「山河燃ゆ」を思い出しちゃいました。幸四郎演じる主人公が志願したのって、日系人舞台でしたっけか。あの時、幸四郎と西田敏行が兄弟役で、それ以来ずっと幸四郎をゴリラ顔だと思ってた私。

投稿: 猫並 | 2011.04.24 00:10

猫並さま
どうもありがとうございます。いつもは発表(笑)してませんが、やけっぱちなのか、なんなのか・・・。ま、タイトルにまですることはなかったかな。
mixiもかなり放置気味です。で、お知らせはたぶん何か設定を間違えてて、全く来なくなってます(迷惑メールで受信拒否してるのかも)。でも全く不自由しないしねぇ。

このお芝居、とても面白かったんですよ。G2の演出って、微妙な時もあるけど、この3人芝居に関しては、とても好きです。
大河の記憶はほとんどなく(というか、どうもテレビのことは昔から覚えられないみたいで)、えーっ、そうだったの?西田敏行と幸四郎が兄弟だなんて、なんちゅうキャスト、と思ってしまいました。

投稿: きびだんご | 2011.04.24 09:08

お誕生日、おめでとうございます
ああ、何と濃そうなお芝居!役者さんも充実しているし、わかぎゑふさんも、才能ありますもんね。楽しいお芝居で、めでたくお誕生日を迎えられて、よございました!

タイトルは赤塚の世界?ああ、懐かしい。スーちゃんとほとんど同じで区切りの年、きっと私も同じ年なのだ(笑)あっという間の半世紀ですよね。

これからも、きびだんごさまの全方位アンテナのステキなブログ、楽しみにしています

投稿: よこ奴 | 2011.04.25 00:41

よこ奴さま
ありがとうございます!! 
私の勢いでの告白(笑)に、同じくノリで答えてくださるとは感涙ですわ

ほんと楽しいお芝居を誕生日に見られてよかったです。これを女優さんがやったらヘキエキするのかもしれず、その意味でも3茶婦人会ならでは、なのでした。
全方位アンテナとは嬉しい褒め言葉ではありますが、ずいぶん欠けてます。でも、どんなものでも「楽しい何か」が得られるなら、これからも貪欲に、と思い新た。元気が湧いてきましたっ。よろしくお付き合いのほどを。

投稿: きびだんご | 2011.04.25 08:15

遅ればせながらお誕生日おめでとうございます(ました、かな)!!

わかぎゑふは中島らもの関連で一度見てみたいという気持ちもあるのですが、なかなかそこまで手が回りません。G2もチケット会員みたいなのに入っているのに一度も取ったことがないし。で、紅姉妹はキョーレツなチラシ(すべてが「濃い」)に惹かれたものの、やっぱり二の足を踏んでしまいましたわ (^-^;
でも、きっときびだんご劇場で観劇できると思っていました。中身も「濃い」お芝居だったのですね。ありがとうございます。楽しませていただきました。

投稿: SwingingFujisan | 2011.04.27 18:37

SwingingFujisanさま
うふふ。ありがとうございます 後の人生、楽しいことばかり考えていたいですわ。

「トップ・ガールズ」のチラシが魔除けになる、なんて書きましたが、これも充分(さらに?)魔除けになりそうですよね。でも、正直、見ていただきたかったな、なんて思うくらい、素敵なお芝居でした。この3人にしかできない表現、という部分が、特に大きくて、もっと年取ってからもアグレッシブにやってくれい、と思っちゃうのです。

投稿: きびだんご | 2011.04.27 22:14

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