« どれも動かない | トップページ | 木曜日はダメだってば! »

2011.10.25

カトケンワールドを二人芝居で堪能

10月25日(火) 「音楽劇 詩人の恋」 19:00~ 於・本多劇場

(加藤健一事務所 vol.80)
作/ジョン・マランス 訳/小田島恒志 訳詞/岩谷時子 演出/久世龍之介 出演/加藤健一(マシュカン教授)、畠中洋(スティーブン)

 2003年の初演以来、これが4回目の上演。今までも、チラシなどを目にしてはいたけど、見るには至ってなかった。が、このところカトケンづいているので、勢いで見に行った。大正解でした!! たびたび再演されるだけのことはある。休憩込み2時間20分ほどが、ほんとあっという間に感じられた。

 タイトルになっているのは、ハイネ「歌の本」からシューマン自身が選んだ16編の詩に作曲をした連作歌曲の題名。このお芝居の中では、かつて神童と呼ばれたピアニスト、スティーブンが、挫折の末、伴奏者に転向すべくマシュカン教授のレッスンを受ける、そのレッスンが、この「詩人の恋」を歌うこと。だって、マシュカン教授はヴォイストレーナーなんだもの。ピアノは教えられないよ!! そんなつもりじゃなかった、ピアノをきちんと弾きたかったスティーブンなのに・・・。

 そうそう、物語の舞台は、ウィーン。時は1980年代(はっきり何年か言ってたんだけど失念)。

 ロマンティックなタイトルとは裏腹に、そこに厳然として存在するのは、ユダヤの問題であり、強制収容所やナチのこと。そう、戦争から「まだ」40年ほどしか経っていないんだもの。とは言いながら、1幕は、自信を失い余裕なく生きる若い音楽家と、職にしがみついているかのような老教授のコミカルな場面がメイン。
 1幕の終わりに、スティーブンがユダヤ人であることを告げ(だからダッハウ強制収容所の見学にも行った)、波乱を予感させながら休憩。そして・・・。

 と、歴史的な部分に注目するとこんなことになるんだけど、じっさいにはそういう事実と「音楽」およびスティーブンの成長が、見事に噛み合ってる感じ。カトケンさんも畠中さんも素晴らしい!

 パンフレットの加藤さんの文章によると、当初、この作品は上演できないと思って(音楽の壁が高すぎる)、何年も寝かせていたのだそう。でも、思い切って上演を決めて、本格的に歌の勉強をすることになり、約10年間、毎週1回レッスンを続けているとある。確かに、声楽の先生なんですもん。ピアノも弾くんだよ。これを自分で上演したい、という意志は、何ものにも負けない、というところかしら。

 東京公演は今日が初日(知らなかった)で30日まで。だけど、すでに8月の終わりから全国を巡演していて12月初めまで。9月~10月には東北でも公演があったんだ。本多劇場は見やすくて好きだなぁ。

|

« どれも動かない | トップページ | 木曜日はダメだってば! »

演劇」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« どれも動かない | トップページ | 木曜日はダメだってば! »