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2012.02.26

船弁慶がとてもよかった

2月26日(日) 「神遊15周年記念公演 言霊能における語り」 13:00~ 於・国立能楽堂

能「木曽 願書」シテ・観世喜正 ツレ・観世淳夫ほか(休憩10分)
独吟「起請文」観世喜之 一調「勧進帳」観世銕之丞 大鼓・柿原崇志 狂言語「奈須与市語」野村万作 (休憩15分)
能「船弁慶 重キ前後之替 船中之語 早装束 舟唄」シテ・観世喜正 ワキ・宝生閑 アイ・野村萬斎ほか

Kamiasobi_2 ←2月21日付の日経新聞と、今日のパンフレット

 日経に喜正さんが載ってる、というのは聞いていて、きのう会社でコピーを取ってきてた。まさにこの「神遊」公演についてのこと。が、ここに出したのは、自分で取ったコピーじゃなくて、今日の会場で渡されたもの。

 神遊は、笛・一噌隆之、小鼓・観世新九郎、大鼓・柿原弘和、太鼓・観世元伯という囃子方の4人と、シテの観世喜正が結成した会。15年ということは、それぞれの人が30歳前後のころから活動しているというわけで。私が以前見に行った時も・・・萬斎さんが出てらしたはず。エヘヘ。

 それはともかく、今回は「能のもつ言葉の力」に焦点を当てて番組を構成したそうで、私はそういうの(構成の意図がはっきりしているもの)がすっごく好きなんだなぁ。で、じっさいに、ほんとに様々なバリエーションで見せてくれました!

 言葉に関して言うと、「木曽 願書」では、義仲一行が神社に戦勝祈願の願書を奉納することになり、シテ(覚明)がそれを書き上げ読み上げる。「起請文」は能「正尊」の前場の聞かせどころとか。偽りの誓いを立てて読み上げる。「勧進帳」はいわずとしれたあれ。そして「奈須与市語」は野村家では何度も聞いてる、「屋島」の間語り。

 というわけで、ほんとに語り語り語り。「木曽」は40分ほどだけれど、シテとツレが7人、ずっと一緒に舞台の上にいる。直面。
 その後、名だたる方々の「ソロ」なわけで、ここまでは地味といえば地味ですわね(笑)。その分、「船弁慶」の静御前がよけい綺麗に感じたのかも。

 喜之氏は先週の矢来でも感じたけど、声の張りがなくなってるのがちょっと残念。万作さんは、時に息が荒くなることもあるけど、3人の演じ分けや鋭い動きなど、見事だった。昨年末の「狂言劇場」Bプロを見られなかった私には、さらにうれしい演目でした。「勧進帳」の独特のリズムも面白かった。まったく贅沢なひとときであるよ。

 「船弁慶」は120分の予定とあって、大丈夫かしらんと心配してたけど、いやいや、とてもドラマチックで楽しかった。とくに前場・静御前の別れの舞と、橋がかりでの哀切さ、ほんと美しかったなぁ。間狂言の萬斎さん(船頭)は、最初に出てきた時、肩衣の模様が「碇と綱」かな?と思ってたんだけど、早装束とのことでピューッと幕に走り込んだら、すぐに頭巾をつけ装束も替えて出てきたのでした。
 そうそう私は中正面だったので、船をこぐ(舟唄を歌う)萬斎さんがちょうど柱に隠れそうな位置で、それは少し残念だった。脇正面にするべきだったか、と。
 後場の知盛の激しさもさることながら、ちょうど子方の義経を守る弁慶(宝生閑)の気迫にも圧倒される思いだった。

 アハハと気分転換できるものがないプログラムで、どうかな、と思ってたんだけど、「船弁慶」が面白くて気分はすっきりでしたわ。会場の入り口では、演者の家族(お子さん)もお手伝いしていたり、アットホームでもありました。

 2週続けて、お能の会にいくと、いろいろチラシも増えちゃって。日にちが合うものの中では「テアトル・ノウ」(味方玄さん)に心ひかれます。えーっと、萬斎・裕基親子が出るから、だけじゃないよ、もちろん。

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コメント

雑感:
・観世喜之の声の張り・・・能楽師の肉体年齢は他の芸能者(歌舞伎役者、噺家、義太夫太夫等々)と比べ10歳位老いているように思えます。70半ばを過ぎると、衰えが如実。皆修練、鍛練しているはずなのに、不思議です。
・船弁慶・・・昨日謡が上がりました。発表会の舞囃子の稽古が重いため、謡は下手なまま済んでしまいましたとさ。
・関西系の若手・中堅能楽師のレベルは高いらしいですよ。味方玄も一度観てみたいと思っています。

投稿: 松乃鮨 | 2012.02.28 23:23

松乃鮨さま
☆えっ、能楽師の方々の声ってそうなんですか 拝見する機会が多くないからか、そんなこと思いもしませんでした。今回は「独吟」だったこともあって・・・。(そういえば元気な声の噺家・川柳川柳って人もいますね 最近はもっぱら他の人のマクラで話題になってるのを聞くくらいですが。)
謡の発声にどこか独特なものがあるのでしょうか。
☆発表会 能舞台デビューですか。先日の矢来で、後ろの方が当日のシテ・遠藤さんの下でお稽古してるそうで、教室は光が丘だけど発表会は矢来、などとお話しされてました。ンで、松乃鮨さんを思い浮かべてはいたのでした。
☆味方玄さんはどこかで何かを(笑)見てるんですよ。三響会方面かなぁ。あとで調べてみようっと。京・大阪は、伝統芸能のあれこれに接近すると、より近しくかんじますねぇ。

投稿: きびだんご | 2012.02.29 10:26

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