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2012.02.06

落語を聞く楽しさに、思わず感動

2月4日(土) 「第13回 柳亭市馬・柳家喬太郎 二人会」 18:00~ 於・トリイホール

桂鯛蔵・代脈、市馬・普段の袴、喬太郎・任侠流山動物園--仲入り--喬太郎・寿限無、市馬・うどんや

 この前、この二人会に行ったのはどうやら第10回だったらしい。ほんと着実に積み重ねて13回にもなってる! そしてマイクも使わない小さいホールで、この2人を2席ずつ聞けるなんて、こんな贅沢な会は滅多にないよ。

 整理券を配っての自由席、なんだけど、私は5時40分くらいに到着。そしたら、前から2列目が一つスポッと空いてて、そこに入れてもらえた。ありがたや・・・。周囲は地元の熱心な落語ファンみたいで、開演前に飛び交う話が面白いというか、さすが大阪。落語家評とかコストパフォーマンスにシビア。なんか東京とは違う! 私の知る限りでは、東京だとそういう話はたとえしても、ひそひそ内輪で、なので。

 鯛蔵さんは全く初めて。前の名前はなんだっけ。師匠の桂都丸さんが塩鯛に改名したのに際して、弟子もみんな「鯛」がつく名前にしたらしい。あんまり上方っぽさがなくて(広島出身だそう)、素直な話しぶりに好感。でも、けっこうインパクトはあったよ。

 そうそう、全13回の二人会で、同じネタを演じたことは一度もないんだって。つまりお二人、ここでそれぞれ26の噺をやった、ということね。これ、どこまで続くのでしょうか。一度やったけど、みんなまた聞きたい噺なんかもあるとは思うけど。

 今回は、特に市馬・喬太郎の2人だからこそ、というバランスのよさをすごく感じた。いい流れだったなぁ。こういう良さっていわくいいがたいもので、そして一期一会でもある。

 この会より前にお二人の噺を聞いたのは
市馬・・・年末の年忘れ落語集、奇しくも「うどんや」@中野zero大ホール
喬太郎・・・ダイナース落語会での三三さんとの二人会@国立小劇場

 ということで、私にとってはある意味「聞き比べ」的なものがあった。市馬師匠の年末の会は、「歌う忘年会」でもあり大きな会場だったけど、欲を言えばもう少し小さい会場が好み。しかもこの時は隣がじっと聞いててくれない老夫婦、ということもあって、楽しかったけど噺じたいを堪能するには至らなかった。今回はそれを補って余りある、でした。ほんとに、冬の夜のさぶい川っぺり(をイメージ)、うどんやと祝言帰りの酔っ払いの姿が目に浮かぶよう。うどんやにとっては迷惑な客だけれど、男はかわいがってた近所の娘の嫁入りをとても喜んでる。ただ喜んでます、だけじゃなくてそれまでの付き合いさえ想像できる。実の娘を手放すような気持ちもあるのね、とか。困った酔っ払いおやじなのにここではホロリとさせられて(「うどんや、頑張れよ。明日はいいことあるさ」なんて応援しちゃうよ)・・・ああ、いい噺でありました。

 いっぽう喬太郎さん。今年は三三さんとの会が多いのかも、だけれど、ダイナースの会はかなり「よそゆき」顔。それはまあ、そうでしょうよ、ですね。市馬、三三は同じ古典の人でもタイプがちがうし、芸歴からいえば、喬太郎さんはこの二人の間に入るわけだから、立場もちがう。
 ええ、ここはもうノビノビでございました。「任侠流山動物園」は三遊亭白鳥作。私は作ったご本人では聞いたことあるけど、喬太郎さんでは初めて。いや~、やる人によってこんなにも違うのね。と、当たり前だけど、それがまず。白鳥さんだと、絵本を読んでる時みたいにホワホワした感じもあるんだ、と改めて思いもした。喬太郎さんは、やっぱり狂気がありますわ、それと演劇性と。最後には浪曲もうなる、という大サービス大笑いの一席。

 それに加えて、「寿限無」の面白さ。若手(高座番をしてた市也くんとか)にはいい勉強になったのでは。喬太郎さんらしく、サゲは「名前が長いから、それを言ってるうちにコブがひっこんだ」という定番じゃなくて、その先へいくんだけれど。

 会場のよさと、二人ならではのたぶんいい緊張関係、それと寄席で培われたであろう全体の「流れ」・・・たぶん後々までも私の記憶に残ることになると思う。

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