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2012.05.31

5月はとことん宮沢賢治

5月30日(水) 「天使猫」 14:00~ 於・座・高円寺1

作・演出/渡辺えり 出演/手塚とおる、馬渕英俚可、谷川昭一朗、土屋良太、宇梶剛士、渡辺えり ほか

 渡辺えりの主宰する「オフィス3○○」が、5月17日~6月3日の日程で、「月にぬれた手」と「天使猫」の連続上演を行なっている。晩年の高村光太郎を主人公とする「月にぬれた手」(演出/鵜山仁)は、去年の震災直後に上演されたものの再演で、「天使猫」は全くの新作。どちらも東北(花巻)が舞台である。
 「月にぬれた手」も見たかったけど、日程的に無理だったので、宮沢賢治を描いた(らしい)「天使猫」を。平日マチネで、客の年齢層は高そうだけど(おじさん多し)、ほぼいっぱい。

 メインのキャストの中で、役が一つなのは「宮沢賢治」の土屋良太だけ。手塚とおるなんて「猫/保阪嘉内/きつね/生徒B/紳士」だし、宇梶剛士は2役だけど「清六/岩手山」。岩手山、ってまさに山、だよ

 まずは宮沢賢治といえば、というおなじみのマント着てトランクを持った賢治が登場する。・・・けれども、そこで妻を捜す「白猫」に出会って・・・場所も季節もかわってしまう。さっきまで蛍だったのに「あれは雪ですよ」」とか。 

 実際の賢治とその家族、農学校教師時代のこと、エスペラントのこと・・・そういった「事実」と、彼の作った作品世界が渾然一体となったような、まか不思議な世界だった。

 そんな不思議さを、手塚とおるが変幻自在にピシッと表現していて、いやはや彼なくして、と思わずにはいられない。だから、ちょっと茫洋とした土屋良太の賢治も生きてくる、というわけで。

 あっという間に時空が変わる(だいたい出てくるのが猫やらうさぎ、ひばりだったりもするし)、その転換も鮮やかで、トランクの中にほんとに人が消えるのなんてマジックみたいだったわー。

 動物の体験として劇中で「津波」が語られ、またラスト近くにはあきらかに「鎮魂」の物語がある。だけれども、それで勿論おわりではなくて、白猫は今も妻を捜している。賢治という人を思い、作品を思い、そして今現在の東北をも思う、そんな2時間だった。

 高村光太郎は宮沢賢治と接点があり、また終戦の年には宮沢清六方に疎開もしている。いま花巻には「高村山荘・高村光太郎記念館」もあるなんて、全然知らなかった。「天使猫」にも高村光太郎の名は出てくる。

 戯曲「月にぬれた手」を収録している『悲劇喜劇」2011年6月号は、特集が「天変地異と演劇」で、公演パンフ(被災地への寄付)と一緒に買ってきた。読んでいると、野田秀樹「劇場の灯を消してはいけない」をはじめとする、演劇人それぞれの思いや状況(中止の決断にも当然の理由がある)が伝わってきて、今更ながら当時のことを思い返している。

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コメント

こんばんは。

「トランク」の一語に反応してしまいました。賢治の弟である清六さん(だったと思う)のエッセイで『兄のトランク』というのがあるのを思い出したのです。そうか、賢治といえばやはりトランクなのですね。

ぢつはちょくちょく新聞などを「声に出して」読んでいるからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2012.06.01 19:57

からつぎさま
こんばんは。ほんとはこの週末、東北に行こうとあけていたんですけど(5月前半の時点で)、モロモロ邪魔が入って家でくすぶってます。花巻に行ってれば、5月は完璧に宮沢賢治月間だったのにな。あ、6月に入ってるか
「声に出す」って、なんだかゆったりした時間が得られそうですね。健康にもよさそう!

投稿: きびだんご | 2012.06.01 23:09

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