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2012.05.30

なぜ私は新感線を見て、こんなに考えてるのか

5月28日(月) 「シレンとラギ」 18:00~ 於・青山劇場

(劇団☆新感線2012年春興行 いのうえ歌舞伎)
作/中島かずき 演出/いのうえひでのり 出演/藤原竜也(ラギ)、永作博美(シレン)、高橋克実(ゴダイ大師)、三宅弘城(ギセン将軍)、北村有起哉(シンデン)、石橋杏奈(ミサギ)、橋本じゅん(ダイナン)、高田聖子(モンレイ)、粟根まこと(モロナオ執権)、古田新太(キョウゴク)ほか

 月末の月曜ソワレならきっと大丈夫、と早くから確保していたチケット。が、5月24日~7月2日という長期間の公演なのに、どうしてこの日にしちゃったかなと思うことしばしば・・・。売るとか交換するにはあまりにもいい席すぎて、まあジタバタせずに行ってきました。楽しかったー。あまりにいい席というのは、前から3列目のセンター(少し左寄り)。藤原竜也くんとか、ちょっとドギマギするくらい近くで見たよ。

 いっちばん最初に、藤原竜也と古田新太(親子の役)が並んで立ったとき、えーっと思うくらい「竜也くん、顔ちっちゃ~!」 (笑)。
 永作博美の第一声が、少しがっかりで(早口で私がついていけなかっただけか)心配したけど、その後はOKでした。

 北の国にはギセン将軍というアホ将軍(虫好き)とその母がいて、実際にはモロナオ執権一族が力を持ってるらしい。キョウゴクは侍所の大将として、人殺しを生業とする狼蘭族のシレンに南の教祖を暗殺させていた・・・はずだったが、20年もの間ねむりつづけていたそのゴダイ大師が蘇ったとの報に、シレンとキョウゴクの息子ラギは南へ向かう。
 北は北で、モロナオvs.キョウゴクの争いがあり、そのキョウゴクは南から北へ、また南へと何度も寝返ってるらしい。

 かつて教祖・ゴダイ大師は、巧みな(?)教えで信者を得、強大な力を持っていた。こういう洗脳的な場面って、おもしろおかしく作ってあってもギョッとするものがある。また、高橋克実が不気味な得体の知れない大きさを舞台の上で放っていて、目を奪われてしまった(昼間、NHKの連ドラで見たばかりだったから一瞬、ギャップに笑いそうだったけど、そのことはすぐに忘れた)。
 
 ・・・というようなことを書いてると、永遠に終わらないね。古田新太の役が意外にもシリアス(橋本じゅんとの場面を除く)。結局、ラギはキョウゴクと袂を分かって(キョウゴクの非情さには理由がある)、シレンと行動を共にするんだけど、傷ついたラギとシレンが身体を休める小屋が海辺、というあたりで「リア王」を思い浮かべたり(密偵であるヒトイヌがやってくるし)、もともとキョウゴクが南で親交のあったシンデンの過去の行動が明らかになると、さらに別の物語が立ち現われる。
 そうまさに「オイディプス」ですか。この人たちはコロスですね、と。

 ま、あいかわらず、様々おバカだったりするんだけど(ヒトイヌオ=河野まさとはツボでした)、物語の骨格がしっかりしていて、舞台装置や転換も綺麗でシンプル。それだから役者さんの言葉なんかがスッと入ってくる。真剣に考えればいろいろ怖いし(毒薬入りの爆弾で攻撃するなんて!要するに化学兵器テロでしょ?)、それに対して解決になるのか?というラストとか、ふと考えちゃうと、なんかひきずってしまう。あ~、どきどきしたよ楽しかった、というのとは全然違う、終演後の私。

 永作博美って、ちっちゃくてあどけない笑顔でおそろしい、という役がはまってる。プラス母性もね(と「雨」を思い出す)。それが定着しちゃいけないとも思うけど。北村有起哉は地味に大事な役・・・かもしれないけど、もっとという感も。

 シレンとラギが北から南へ行く時の衣裳がよかった。シレンの黒ずくめ(&黒のロングブーツ)はすごく好みなので。ラストでもう一度、この衣裳だったのよね。ラギは・・・笈を背負ってて頭巾(?)だし、ちょっとマンガチックというか可愛かった。

 あ、そういえば18時開演のところ、17時45分くらいまでロビー開場だけで、??と思ってたら、機材の調整に時間がかかったとか。ゆえに開演も遅れたのでした。でも、そもそも平日18時は厳しいよね。 

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演劇」カテゴリの記事

コメント

そういえば、来年の大河で、秋川悌次郎(字が違うかな)ですね、北村有起哉。去年は(見てないですが)秀次だったというし、タッキー義経の時の禿はキョーレツだったし、なんか、キワドイ?役が来ますね、NHKだと。
と、芝居と関係ない話しで失礼しましたm(__)m

投稿: 猫並 | 2012.05.31 08:45

<メタルマクベス>でグッタリ疲れてしまった記憶が消えず、しばらく新感線から遠ざかっていました。
で、チェックもしていなかったのですが、これは観てみたいかも
永作博美ちゃんの舞台を観たいと思いつつ、<雨>を見逃してしまって残念に思っているし。
そんなに良い席ではないけれど、おけぴに譲渡が出ているので検討してみます

投稿: 尚花 | 2012.05.31 10:10

猫並さま
有起哉くん、まだ「11ぴきのネコ」の記憶が鮮明です 来年の大河に出演決定とは、ちっとも知りませんでした。そうそう、義経の時の五足はすごく印象的でした。(白石加代子とか、平幹&夏木マリとか、濃かったですねぇ。)
テレビドラマや映画はなかなか見る機会がないので、舞台にたくさんでてほしいです・・・。

投稿: きびだんご | 2012.05.31 22:26

尚花さま
メタルマクベス 有起哉くんも出てましたねー。
今回のシレンとラギ、引いてしまうところもあるかも、ですが(そこを乗り越えると)、コアな新感線ファンじゃなくても充分楽しめる・・・といいなあ

投稿: きびだんご | 2012.05.31 22:33

チケット取る時はなんか夢中で取ったのですが、予定の日にあまり行きたくない事情ができて気持ちがしぼんできて、きびだんご様のレポを拝読してから決めようと思っていました(私もそこそこいい席なんで…)。で、やっぱり行くことにしようかな

ところで、この話題とは全然関係ないんですけれど、昔は市川家に「きびだんご」という名前の役者さんがいたそうですね。この前、亀ちゃんが「徹子の部屋」で言っていました 残しておいてほしい名前だったなあ。

投稿: SwingingFujisan | 2012.06.03 12:04

SwingingFujisanさま
ちょっとどうしようという時に限って、とてもいい席だったりするんですよね。別の日と交換する、という手もあるけれど、それもエネルギーがかなり必要だし・・・あんなに高額でなければ、私ももう1回見たいです 物語としては気に入ってますよ。突き抜ける感じは余り得られなかったけど。

ところで、徹子の部屋、私も見てました。「きびだんご」の話には、をををでしたわ。團子も昔は「だんご」だったそうですね。・・・と言いつつ、岡山から買ってくるお土産にはいつも「きびだんご」は不採用なんですが

投稿: きびだんご | 2012.06.03 22:47

きびだんごさまのご感想、楽しく興味深く読ませていただきました。
海辺の小屋で「リア王」を思い浮かべるあたり、「そうかぁ~」と感心したり。

永作さんは大阪の初日を観た時、「大きな舞台(単にキャパシティという意味で)向きでないかも?」と思いました。「雨」や「ドラクル」はとてもよかったという印象でしたので。
ですが、後半に観た時はずい分違って見えましたので、やはり底知れぬ女優さんだな、と(笑)。

竜也くんラギをとても愛おしく思える私ですが(笑)、今回は高橋克実さんゴダイにつきるといったところでしょうか。
有起くんについては、もっと!!同感です。

投稿: スキップ | 2012.06.04 10:51

スキップさま
新感線はいつも「席はどこでも、見られればいいや」くらいのユルユル観劇なので、スキップさまに読まれてはちょっとお恥ずかしい、という気持も 今回と「ふくすけ」は、キューブで当たったのでした。今までけっこうダメだったんだけど。
「リア王」は自分でもビックリ。あれ?なんで出てくるかな、でした。

大きなハコではどうなの?という役者さん、いますよね 永作博美の最初の登場シーンでは、つきつめればまさにそういう感覚だったのかもしれません。でもだんだん
また全く違う役どころでも見てみたいです。ところで、ドラクル・・・私はどうも記憶から削除してるらしい!!
藤原竜也はねぇ・・・ほんと笈を背負った姿が未だにおかしい。昔話の少年みたいだったんですもの。

投稿: きびだんご | 2012.06.04 21:51

見てきました(11日)。
高橋克実さん、よかったです!!
北村さんはおっしゃるように、「もっと」な感じがしました。
現代にも通じる展開で面白かったです。見なかったらきっと後悔していたと思いました。ありがとうございます。

投稿: SwingingFujisan | 2012.06.20 10:03

あ、書き忘れました。
やっと書いた感想で、リンクさせていただきました。

投稿: SwingingFujisan | 2012.06.20 10:04

SwingingFujisanさま
リンクありがとうございます。でも見に来た人は内容のなさに驚くと思うけど
それはともかく。無事にご覧になれて何よりでした。ストーリーがちゃんとしてたから、間違いはない、と思ってました。有起哉くん、そういえば粟根さんと役をチェンジしてたら、どうかなぁ。高田聖子さんとか粟根さんとか、いつもの役柄の安心感はあるんだけれど。

投稿: きびだんご | 2012.06.20 14:03

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