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2012.11.14

four(裁判員、法務大臣、刑務官、未決囚)

11月13日(火) 「4 four」 19:00~ 於・シアタートラム

作/川村毅 演出/白井晃 出演/池田鉄洋、田山涼成、須賀貴匡、高橋一生、野間口徹 (アフタートークつき)

 私があらかじめ持っていたチケット(セブンイレブンで発券)は、指定席ではなくて「118」と番号がついていて、てっきり自由席で番号順に入場、と思ってた。そうしたら、受付で今度は、「0122」とナンバリングされた紙をもらった。その裏側は、

Four

 いったいなんなんだ~。??と思いながら客席の方に行くと、真っ平らなステージ&客席スペースに、アットランダムな番号が書かれていて、自分の番号の場所に、木箱のようなのと座布団で、自分で席を作る。ふううむ。
 そのうち、あらら? スタッフみたいに見えるけど野間口さんじゃないですか。などなど思ってるうちに、ほかのキャストもバラバラに集まってきて、「始めますか?」

 野間口さんが持ってきた四角い箱の中からくじ引きをして、4人の役割が決まる。それが、裁判員、法務大臣、刑務官、未決囚・・・。会話は少なくて、それぞれのモノローグで話が進んでいく。別にどの役割、なんて名乗る訳じゃないから、ああこの人は裁判員なのか、とか思いながら、そしてバックグラウンドに思いをはせたり。

 でも、途中で感情が激して自分の役割が続けられなくなった人が出て、またくじ引きをして役割チェンジ。さらにもう一度(元に戻る)。そんなふうにぎくしゃくしながら、いつの間にか、観客もそれぞれの立場に、我が身を置いているような。つまり、裁判員として死刑の判決を出す、その執行書にサインする、実際に執行する、そして絞首台に上る死刑囚(・・・と書いていて、そうだ「未決囚」じゃなくてここに至れば「死刑囚」だよな、などと思ってみる)。

 なぜ、その心情を語っているのか・・・最後に、それまでほとんど見守ってただけのようだった野間口さんが、語ることによって、えっ、もしかしてみんな犯罪被害者の遺族だったのか、と。気づくの遅い。いや~、正直、それを自明のこととした上でもう一度、最初から見たいです!(その余裕はないけど)

 というわけで、これってどういうこと?と、わからないなりに、モノローグに引き込まれ、それぞれの感情に自分を重ねたりしていたのでした。

 役者さんはある程度、自由な動きもできるらしくて、最初、私のそばが空席だった時に、そこへ一生くんが座ったり、前の席との隙間がそれほどないのにそこを鉄洋さんが何往復もしたり、いろいろビックリすることも多かったなー。
 それだけ役者さんが近い、というわけで。ああ、モノローグだから成り立つ役者同士の距離感なんかもあるわね。5人ともよかったよ! これからも見なくっちゃ(5人とも)と思っちゃった。

 アフタートークは、俳優5人と白井さんと、司会者(パンフの編集者)。芝居の内容が内容だから、わいわい、なんてことにはならない。それぞれに真摯に役に向き合ってたのがよくわかった。

 印象的だったのは、田山さん、池田さんがともに、「動きの中で台詞を覚える」と言ってたこと。直接に会話しなくても自分が喋ってる間、視線の先に誰がいるか、その風景で台詞を覚えていく、と。
 あと、稽古は、とにかくモノローグ主体だから、一人の役者と白井さん、という感じで、学校の時間割のように予定が組まれていたんだとか。

 こんなふうに、観客の間で演技するとなると、(最初は全く演技スペースを作らないことも考えた、と白井さん)実は、役者さんも気になることがあるみたいで。「いやに挑戦的なお客さんがいて」とか、ちょっと笑わせてくれた。

 でも、こういう役って、やってる人は劇場を出たら切り替えられるものなのかしら。なんか引きずりそうだけど。・・・そうはならないのがプロ

 うまくまとまらないんだけど、まあ混乱してるのも今の私の見方、というところですね。
 

  

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演劇」カテゴリの記事

コメント

箱馬の高さには3種類あるわけじゃないですか?私は60番台で、2番目の高さだったのでなんとか保ちましたが、一番低い設置だったら集中力が続かなかったかもしれないなーと思ってました。
やっぱり椅子こそ文明(爆)
でも、面白かったですね、いろんな意味で。実験的なものって馴染めない時もあるんですが、これは5人の役者の芝居ヂカラを見たような。満足感たっぷりで、私は疲れましたが、いい感じの疲労ではありました!

投稿: 猫並 | 2012.11.16 23:57

猫並さま
箱馬(というんですね)、私も2番目でした。3番目でもよかったのかも。確かに一番低いのはイヤですね。あれは「浮標」の最前列と同じくらいで、座り心地はウンと悪そうですもん。
実はトラムで10月の初めに「ファンファーレ」を見たんですが、何も書くことがなくて、最低限の見た記録さえ残してません。あちらも実験的というか、いろいろ「作っていく」タイプの芝居ではあったのです。
なんて言うのかな、「four」は判りづらいけど、作ってる側の独りよがりじゃなくて、ちゃんとこちらに、考える余地を与えてくれてるんですよね。それに客がなんとかくらいついていけるだけの役者の技量もあったのでは、なんて、今にして思ってます。
須賀さんは5日の休演日に、「こんばんは、父さん」を見に来てたと思います。タフだなー。

投稿: きびだんご | 2012.11.17 21:08

歌舞伎役者がレギュラーでなくなってからほとんど見なくなっていた「先輩Rock You」、さっきなんとなく見始めたら面白くて結局全部見てしまいました。一生クンが出ていたんです。最後に「four」のことをちょっとだけ喋っていて、そうだきびだんご様がレポを書いていらしたなと思い出し、再びここにやってきました。「four」に関する二言三言の説明の中で一生クンが「エチュード的な」と言っていたのが印象的で、確かにきびだんご様の感想を読むとそれがわかるような気がしました。

投稿: SwingingFujisan | 2012.11.17 23:35

SwingingFujisanさま
あっら~、「先輩 Rock You」見損ねちゃいました。ざんねん この前、萬斎さんご出演の時はちゃんとチェックしてたのに、ぬかった
全然うまくまとめられなくて、いやはや、なんですけれど、一生くんのまとう雰囲気が、おそろしいくらいだったんですよ。最終的に彼は(一度、田山さんと役割をチェンジするものの)死刑囚として絞首台にぶらさがりもするし(このシーン、こわい)。
最終的には、ものすごく間近に見て、いっそうというミーハー心全開、なのかも。手放しでそう言えない重さがあっただけで。

投稿: きびだんご | 2012.11.18 00:03

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