« 末廣亭の余一会は長蛇の列! | トップページ | お江戸の顔見世、波乱の2日目 »

2012.11.01

パブリックシアターも3階から!

10月31日(水) 「こんばんは、父さん」 19:00~ 於・世田谷パブリックシアター

(二兎社公演37)
作・演出/永井愛 出演/佐々木蔵之介(佐藤鉄馬)、溝端淳平(山田星児)、平幹二朗(佐藤富士夫)

 末廣亭で落語を聞いたあと、タカノフルーツパーラーでお茶して三軒茶屋へ。まずは「こんばんは、父さん」を3階席から見るのです。まずは、ということは・・・後日、1階からも見るってことで。

 「萩家の三姉妹」ですっかり永井愛の作品にはまった友人と私。それ以来、一緒に見てきてるんだけど、今回はなかなか日程が合わず、しかもチケット取りが「なんで?」というくらい大変だったから、えーい3階席にしよう!と。
 でも、先日のリチャード三世もB席からだったけど、全体がよく見えてコスパ二重丸だったのと同じで、充分かも、と。ま、蔵之介を見るんで、私は1階からもう一度、なんだけどね。

 永井愛というと、(いまNHKドラマでやってる)「シングルマザーズ」や、新国立劇場の芸術監督をめぐる騒動に取材したもの(「かたりの椅子」)、教育現場における国歌強制(「歌わせたい男たち」)などなど、ものすごく「現在」の問題意識にのっとった作品を作ってきてる。特に近年はそう。
 今回ももちろんそれは健在だけれど、あそこまで「生」じゃなく、親子関係が中心にある。「こんばんは、父さん」だもんね。以前は「こんにちは、母さん」も作ってる(こちらもテレビドラマ化もされた)。

 朝ドラの「梅ちゃん先生」で、蒲田の町工場があの時代(戦後すぐから新幹線開業あたり)を象徴していたけど、この芝居でも、花形だった町工場の「跡」つまり廃工場が舞台。

 昔は羽振りがよかった金属加工の工場主(コンピュータ化に乗り拡大し、そして負けてしまった)。その息子は、親の期待通りにホワイトカラーになり、しかし相場に手を出してすべてを失った。二人は10年以上連絡も取り合っておらず、しかもどちらもほぼ無一文。いやサラ金どころか闇金に返済を迫られる身。そして父親からなんとか取り立てようとする青年。

 そんな3人が、引き寄せられるように工場跡にやってきた、ある一日(午後から夜にかけて、かな)のこと。
 ほんと、今の世の中で完璧に「負け組」の3人。父と子が昔のことを語る中で、どんなにこの父親が息子に期待をかけていたか、事業の拡大に邁進したか(その過程で様々なものを振り捨てていたか。ま、とっても俗人なんですわ、この父さん)。
 そしていかにも今の若者クンも、けっして展望があるわけじゃない。自分の現実はわかってる、その中でせめて店長になりたい、成績を上げなきゃ!と。でもこの子が、けっこう救いというか、ある意味ムードメーカーかな。

 なんだかね~、閉塞感いっぱいのいま、でもまあ生きていこうよっていう応援のような(応援もちょっと違うな、そこまで積極的じゃないけど)感じかなあ。父さんはたくましいし、息子もナイーブだけどなんとかやってくでしょ、青年もね。
 そんなふうに高度成長からこっちの日本人を考えてみたりした。次はもちろん、俳優をよく見るよ!(1階とはいえあんまりいい席じゃないけどね)

|

« 末廣亭の余一会は長蛇の列! | トップページ | お江戸の顔見世、波乱の2日目 »

演劇」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 末廣亭の余一会は長蛇の列! | トップページ | お江戸の顔見世、波乱の2日目 »