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2012.11.12

文楽劇場に11時間!(メモ)

11月10日(土) 「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」 10:30~、16:30~ 於・国立文楽劇場

第1部 大序「鶴が岡兜改めの段」「恋歌の段」 2段目「桃井館本蔵松切の段」 3段目「下馬先進物の段」「腰元おる文使いの段」「殿中刃傷の段」「裏門の段」 4段目「花籠の段」「塩谷判官切腹の段」「城明渡しの段」 5段目「山崎街道出合いの段」「二つ玉の段」 6段目「身売りの段」「早野勘平切腹の段」
第2部 7段目「祇園一力茶屋の段」 8段目「道行旅路の嫁入」 9段目「雪転しの段」「山科閑居の段」 大詰「花水橋引揚の段」

 10時の開場前には着いていたので、結局11時間ほどは文楽劇場にいたことになる。よくそんなエネルギーがあったもんだね。大阪のSさんが取って下さった席は、1部2部ともに最前列! 人形がほんとによっく見えましたです。そういえば、初めて文楽劇場に行った時も最前列だったんだ(今回が2回目です)。

 いま手もとには、半券をもぎってもらってない第2部のチケットがある。1部終了後、ロビーにいてそのまま席に戻ったからね。チケットのチェックも全くなかったよ。

 3段目の「腰元おかるの文使いの段」まで(たぶん)は、人形遣いの方も黒衣頭巾で。こういうのはどんなふうにして決めるのかなあ。

 今回は最前列だったこともあって、もっぱら人形に注意がいってたな。とはいえ、「塩谷判官切腹の段」の咲大夫・燕三など、聞き惚れつつ。あの切れ味鋭い三味線と声のトーンのバランスが、とても好き。

 人形では、(人形遣いではなく、首ね)高師直のぐわっとした顔の作りとか、勘平のスッキリした優男の感じがいいな、と。塩谷判官はどうもあまり好きになれなかったぞ(笑)。・・・と、いまパンフレットで「かしら名」を見たりしてるけど。

 公演初日から、紋壽さんと千歳大夫さんの休演は発表されていた。
 この日は「花籠の段」で文雀さんがフラッとされたようで(あまり動きのない場面だったけど、顔世御前が座布団から少しずれてしまった)、最後は黒子さんが2人で抱えるように引っ込まれた。この間、目を閉じてらっしゃる文雀さんとか、袖から低い姿勢で出てくる黒子さんの頭が少し見えたり、郷右衛門の玉輝さんが心配そうに何度も視線を送ったりしてるのが、それこそ最前列だからこそよくわかって、正直、気もそぞろになってしまった。
 次の顔世登場では、勘彌さんに代わってた。とりあえず翌日は休演とのことで、何日か前にもそんな休演はあったそうだけど、いやはや、ほんとご無理はなさらず、と申し上げたい。

 切腹の段での緊迫感から解放されて・・・6段目あたりで時々意識がなくなった気がするな。

・・・・・・・・・・・・

 7段目は華やかで楽しい。簑助さんの遣う「おかる」に目が吸い寄せられちゃうし。第1部で加古川本蔵(9段目も)を遣ってた勘十郎さんが、ここでは寺岡平右衛門で、平右衛門の着物とおそろい?の袴に注目しちゃった。
 7段目とか9段目とか、歌舞伎でよくかかるものは、ついそっちを思い浮かべたりね。私は山科閑居の、芝カン・戸無瀬、菊之助・小浪がその赤と白の色彩とともに忘れられないんだけれど・・・。

 通しで見ると、切腹する塩谷判官、勘平ほか、定九郎や本蔵の「死体となった人形」=そこに置かれた人形を見るわけで、でも、その「姿」が妙に生々しく感じられたのが不思議だった。(三谷幸喜さんが朝日の連載エッセイでそんな死んじゃった人形のことを書かれてたと思うけど、どこかで影響されたのかな) 特に勘平。髪の毛の乱れ方やなんかかもしれない。

 呂勢大夫さんは本来の、6段目「身売りの段」と7段目のおかるに加えて、千歳大夫さんの代演で「山科閑居の段」の奥と大活躍(山科閑居の切は嶋大夫さん)。なまじ声がいいから(?)一本調子な気がするときもあるけど、これからどんどん円熟味を増していかれると思うと、応援するぞ、な気分。

 大阪に住んでたら、リピートしてるんだろうな。幕見もあることだし。

 そうそう、文楽劇場って、客席もゆったりしてるし(席の配置など)、ロビーも広いから、通しで居続けてもそれほど苦にならないのかも。そういう快適さって、実はとても大切なんじゃないかなと、改めて思った。「国立」の劇場ならばこそ、と思うと、経済のモノサシだけで計らないでと、強く思うのですわ。

 

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