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2012.11.15

バラエティに富んだ狂言を楽しむ

11月14日(水) 「万作を観る会」 19:00~ 於・国立能楽堂

連吟「御田(おんだ)」内藤連/竹山・高野・深田・岡
狂言「附子」 遼太(太郎冠者)、石田幸雄(主)、中村修一(次郎冠者)
狂言「月見座頭」万作(座頭)、萬斎(上京の者)
・・・・休憩・・・・
新作「食道楽(くいどうらく)」 北大路魯山人著「春夏秋冬料理王国」所収 狂言「食道楽」より/脚色・演出 野村万作
万作(大名)、石田幸雄(目)、深田(鼻)、中村(口)、高野(耳)、月崎(胃)、岡(手)、萬斎(心)/笛・槻宅聡、太鼓・桜井均

 このところ、野村家の狂言を見るのも「中正面」がすっかり定位置になっている。今回もそれで申し込んだら、1列がもらえたのでラッキーだった。足元が楽だし、柱で見えない、ってこともほぼなかったし。
 毎度のことながら、パンフレット(受付時にもらえる)も、とてもしゃれてる。これは萬斎さんの妹、葉子さんのデザイン←葉子さんは鶴瓶「A-Studio」で話題に出てたっけ。

 いつも「ござる乃座」や「万作を観る会」では、その構成に感心する。さすが自分チで主催する会だけあって、考えられてる! 特に今回はそう思った。定番っぽい笑いあり、不条理あり、新作あり。

 そして、最近、一門の人が増えたなあと思いつつも(内藤さんと中村さん)、顔と名前が一致しなかったのが、解決!
 最初の連吟に登場した内藤さんは、国立能楽堂能楽三役研修の第8期生とのこと。またしても、親戚のおばちゃんのごとく緊張しながら聞いてた。御田の田植えをする早乙女たちと神主の掛け合いの謡で、内藤さんは神主パートね。

 次の「附子」の次郎冠者が中村さん(その後、新作狂言にも登場)。遼太くんも落ち着いてたし、若い太郎冠者次郎冠者ということもあって、なんかほほえましかった。遼太くんは先日の「茸」よりのびのびしてたっぽい。

 「月見座頭」は途中でちょっとあぶなかったけど、楽しく月見をした後、上京の男が豹変するあたりからバッチリ覚醒。いや~、万作さんはやっぱりすごいなあと。いたぶられた座頭がそのまま帰るんじゃなくて、橋がかりで「くっさめ」をすることで、なんか重~い空気が断ち切られるという実感があった。

 そして、とにかく本邦初演の「食道楽」。しょくどうらく、かと思ってた。美食家の大名が現われ、100歳の今まで元気なのは「美食」のおかげと言い、ゴロリと食後の眠りにつく。そこへ、大名の目、耳、鼻たちが登場。もっとも彼らは大名より先に、切戸口から出てきていて(あたかも地謡のように)、目付柱に向かって座っている。紋付・袴だから、よけい地謡みたいなんだよね。

 大名が眠る1畳分くらいの台を(その上に何やら大きな布が載せられて)、後見があらかじめ持って出ていた。そしたら・・・まあ まず目の石田さんから、ばっちりお目々の作り物を持って「目でござる」。あの布の中に入れてあったのね。
 作り物は、棒の先にリアルな細工がつけられているものと、扇に描かれているもの(胃と心)の2パターン。胃はあの形の絵で、心は「心」という文字。目や耳のように2つあるものはちゃんと2つ作ってある。口はぱかっとあけると歯と舌も見えたっけ。
 その彼らが、大名の長寿は自分のおかげ、とおのおのに主張し喧嘩になったり。

 いろいろあっけに取られるところもあったけど、それも込みで面白かった。こんなふうに新作狂言を作っていく、その最初の公演というのも感慨深い。

 

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