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2013.01.22

蜷川らしさが炸裂(!?)

1月21日(月) 「祈りと怪物 蜷川ver.」 18:30~ 於・シアターコクーン

作/ケラリーノ・サンドロヴィッチ 演出/蜷川幸雄 出演/森田剛(トビーアス)、勝村政信(ドン・ガラス)、原田美枝子(バララ)、中嶋朋子(テン)、宮本裕子(マチケ)、染谷将太(ヤン)、三宅弘城(パキオテ)、三田和代(ドンドンダーラ/ジャムジャムジャーラ)、古谷一行(グンナル司祭)ほか

 前エントリー、「歌あり踊りあり、の観劇」の最後にこれを入れてたのは、単についでだったんだけど、いやはや、あながち間違いではなかった。ギリシア悲劇を思わせるコロスが(そもそもオイディプス王や王女メディアを語る)、蜷川版ではラップで歌うのだから! しかも、いかがわしげな葬列の人たちなのだ。帰ってからも、頭の中をそのラップのリズムが、ぐるぐるしてたわよ~。

 私の席は1階C列の1番で、舞台の左右(上の方)に出る字幕は、頑張らないと見えない位置。でも、それはむしろ幸いしたような気がする。ケラ版でストーリーはわかってたし、(おわかりと思いますが)字幕による説明は好きじゃないので。でも、字が目に飛び込んでくると読んじゃうもんね。
 ま、ラップで歌われる言葉は、確かに分かりづらい部分も多々あったけど、それでも、あんなに文字はいらないと思ってしまう。

 さて、実は「初・森田剛」なのでした。彼が出るとチケットを取りにくい、ということもあるし、そこまで頑張ってチケット取りもする気になれなかったからね。でも、さすがに客席には若いお嬢さんが目立ち(お隣もオシャレな子だった)、立ち見も大勢いた。

 ケラ版、蜷川版と、続けての上演だったから、こちらの記憶もまだ新しくて、比較、という点からも面白かった。全体的に、役者さんは蜷川版の方が好きというか、イメージに合うかなぁ。中でも、この森田剛くんのトビーアスと、三宅弘城さんのパキオテは特にそう思う。私にとっては、トビーアスの、怯えた小動物を思わせる「声」と、パキオテの「可愛らしさ」というのが、この芝居の中で大きかったので。

 ほかにもいちいち挙げられないけれど、三姉妹も私はこちらの方が好きだし・・・。でも、演出という点では、オーソドックスなケラ版の方が、と思ってしまう。だってエイモス家の豪華なシャンデリアなんて、同じコクーンの「桜の園」を思い出しちゃったり、そういう類の雑念がしばしば入りこんだから。
 というふうに、いろいろ比べたりとかしちゃう時点で、この企画の思うつぼ、なのよねー。

 おどろおどろしい暴力と災厄を描きながら、不思議と見終わった気分は悪くない。これは両方に共通してる。
 サイドストーリーだけど、息子を亡くした現実を一度は受け入れながら、パキオテの不思議な力で「息子」」が見えるようになった夫婦、メメとアリスト。2人の気持ちがやっぱり今の私には痛くて、蝶々のシーンでは泣いてしまった。この2人が丁寧に描かれ、そして再生する中に明るさ(ローケにも言えるか)がある。

 そうそう、ヤンを演じた染谷くん、メイクとか髪のせいか、今までの(ちょこっとテレビっで見たくらい)イメージと違ってたなぁ。ウィルヴィルという町にとっての「異邦人」っぽさが、全身から現われてたね。

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コメント

葬列にも見え結婚式にも見えてアヤシイ集団でしたよね。そう思っていたところへ長文が表示されて、コクーンシートにいた私はどうしても読まずにはいられず、おかげでえらく疲労した気がします。
でも、疲れたけれども長くは感じなかったので、私はこのケラさんの戯曲をとても気に入ったようです。だから、そんな気に入った作品を2つの演出で見比べられたのはとても幸運だったなーと。

投稿: 猫並 | 2013.01.24 20:38

猫並さま
あ、そういえば黒留袖とかいましたね。仏壇しょったりしてたし、どうしても葬列イメージでした。
電光板の字幕、目に入ると読んじゃいますよね。歌詞はともかく、ト書きまで、っていうのは……。
あ、上に書くのを忘れましたが、ケラ版の生瀬さんがよかったな、と改めて思い(直し)ました。勝村さんとはまたタイプが違って狂気めいたところとか。両方見られてよかったです!

投稿: きびだんご | 2013.01.24 23:59

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