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2013.02.10

二人芝居:1970年のベルファスト

2月10日(日) 「モジョ ミキボー」 18:00~ 於・下北沢OFF・OFFシアター

脚本/オーウェン・マカファーティ 翻訳/平川大作 演出/鵜山仁 出演/浅野雅博×石橋徹郎

 (浅野雅博:モジョ、ナレーター、せんずりベイビー、ミキボーの母、ミイボーの父、バスの男、チケット売場の女、懐中電灯の女 石橋徹郎:ミキボー、ファックフェイス、第一の女、第二の女、モジョの父、アイスクリームの女、少佐、シドニーおじさん)

 このヘンテコなタイトルは、2人の少年の名前。「モジョとミキボー、ミキボーとモジョ」。北アイルランドのベルファストに住む。時は1970年。

 アイルランドの話らしい、というのと、2人で17役!ということくらいしか情報がないまま、見に行った。
 休日、下北沢駅前の劇場で、上演時間も90分弱、というのはとても都合がよくて、「お芝居の熱を感じたい」気分にはピッタリだったので。

 最初のうちは、翻訳もの独特の(といっていいか、少なくとも私には)、なんか猥雑っぽく乱暴な雰囲気に、うまく入っていけないんですけど・・・と思ってた。でも、だんだん二人の「少年」の醸し出す空気になじみ、また声の変化やちょっとした小道具(エプロン、ジャケット、帽子などなど)で、瞬時に別人になるのが面白くなっていった。2人しかいないのに、芝居の上では4人が存在したり。

 当日もらったリーフレットに、「北アイルランドとは」という解説があった。アイルランドにおける宗教対立。この芝居に即して言えば、モジョはプロテスタント系。坂の上に住む。ちょっとお坊ちゃま系(中流階級)。ミキボーはカトリック系。橋の向こうに住む。全くのガキンチョ。

 2人はこの年に公開された「明日に向って撃て!」が好きで好きで、映画のブッチとサンダンスにあこがれ、彼らになりきろうとする。少年らしい冒険や、悪ガキたちとの対立、未知の世界(ボリビアとかオーストラリアとか)へのあこがれ・・・それぞれの家庭に問題を抱えつつも、ガキんちょの時代を思いっきり生きている。そんな印象。
 この「子供が力一杯生きてる」感じが、すっごくよく出てた。あ、力一杯というのは、文字通り、ばかばかしくも燃焼してる、ってことね。

 いっしょにゴロゴロもつれ合って生きてた二人が、宗教対立の暴力の中で、ミキボーの父が亡くなったことにより、こっちとあっちに分かれてしまう。もはや二度と交わらないことが悲しい。

 表面的には1970年のアイルランドのことだけれど、いや、普遍的に起こりうることに違いない。この公演は、明日まで東京で、その後、大阪、福島、札幌と続く。福島の会場はキャパ500とのことで、いろいろ作り替えることもあるらしい(アフタートークより)。福島というと、原発を思わざるを得ないけれど、たとえば事故後、推進側と反対側とか、二分する大きなものに隔てられるものを思ったりする。

 偶然にもアフタートークのある回だった。別項を立てます。

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