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2013.02.08

ロナルド・ハーウッド 三たび

2月8日(金) 「テイキングサイド ~ヒトラーに翻弄された指揮者が裁かれる日~」 14:00~ 於・銀河劇場

作/ロナルド・ハーウッド 翻訳/渾大防一枝 演出/行定勲 出演/筧利夫(アーノルド)、福田沙紀(エンミ・シュトラウベ)、小島聖(タマラ・ザックス)、小林隆(ローデ)、鈴木亮平(デイビッド)、平幹二朗(フルトヴェングラー)

 もともと2月の観劇予定は少なくて(その分、映画などに行こうと思ってた)、私にしては珍しく劇場に行かない日々が続いてた。自粛してるわけじゃありません。

 これはいつ行こうかな、と迷っていたら、「当日引換券」が安く買えたので。センターブロックの最後列よりちょっと前だけど、文句は言いませんよ! ど真ん中だったし、意外と見やすい。キャパ的にはいい感じだよね、銀河劇場。新宿からけっこうかかる、というのだけが難点かな。

 さて、お芝居は副題にもある通り、ドイツ降伏後の連合軍(米軍少佐)による、親ナチ容疑者としてのフルトヴェングラーの取り調べの場面。ほぼそれだけ。ちょっと重そうな暗そうな、台詞劇である。

*開演前に客席で、「咳はできるだけ我慢して! ロビーにのど飴も置いてます」とスタッフが言ってたのにはビックリ。ほんとに咳してる人はほぼいなかったよ。・・・ただし私の近くで、寝息以上いびき未満、ってのは聞こえたけどね。

 ナチス・・・というと、「国民の映画」の小林隆さんは印象的だったな、なんて思い出してしまう。今回の彼は自分の身を守るために、少佐に屈した男の役。

 というか、見ながら、「加藤健一さんでこういうの見たよ」と思ってたら、見たも何も、作者は同じロナルド・ハーウッドの「コラボレーション」だったんでした。登場するのはリヒャルト・シュトラウスだけど、やはり戦略的に祭り上げられてた。(タイトルの「三たび」とは、「コラボレーション」の前に見ていた「ドレッサー」もハーウッド作だから)

 芸術なぞ全く理解しない(する気もない)アーノルドと、取り調べ側のスタッフからも尊敬されているフルトヴェングラー。このやりとりは見もの。第1幕、フルトヴェングラーが出てくるまでが、少し長く感じられ、舞台の暗さもあいまって、付近の寝息となったもよう。
 でも、小島聖のタマーラ(ピアニストである夫はユダヤ人であるために収容所に送られ亡くなったが、フルトヴェングラーに一度は助けられた)は、存在感があった。台詞に込められた感情がピタッと舞台に合う感じで。

 筧利夫の嫌なヤツぶり! ついつい東京裁判とかもイメージしてしまうよ、勝者が裁く、という意味で。(そう、タマーラがいみじくも問うのでした、「誰にとっての真実か」と) 芸術を理解しない彼が、アメリカそのもの、という皮肉?
 いっぽう、平幹二朗は(早口の筧に対して、ことさらにゆっくり喋るかのようで)、芸術家そのもの。「こんばんは、父さん」の彼もよかったけど、やっぱりこういう役がいいなあ。衰えを知らぬ、と形容したい。

 もらったチラシの中に「東京フルトヴェングラー研究会」のものがあった。ふむむ。

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