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2013.03.01

再演・萬斎版のマクベス

2月27日(水) 「マクベス」 14:00~ 於・世田谷パブリックシアター

原作/W・シェイクスピア 翻訳/河合祥一郎 構成・演出/野村萬斎 出演/野村萬斎(マクベス)、秋山菜津子(マクベス夫人)、高田恵篤(魔女1)、福士惠二(魔女2)、小林桂太(魔女3)

(ポストトーク:野村萬斎、山口宏子)
 これ、友の会の貸切公演があったのに(確か日曜日)、申し込むのをすっかり忘れていたの。思い出したのは〆切翌日! いちばんマズい日に思い出してるね。で、仕方なく普通に買ったんだけど、でもポストトークの時に行けたからまあよかった。
 正直、初演の時のインパクトがそれほどでもなかったし、観劇にあまり気持ちが向いてなかったこともあって、1回しか見る予定はないんだけど、3階から見たかったな、とは思う。ポストトークでいろいろ聞いたものだからね~。

 とにかく5人で演じるマクベス、ということで、研ぎ澄まされた感覚、とでも言えばいいのかな。そういうエッセンス抽出、みたいな部分に、能とのつながりを感じたりして。

 しかししかし。私は初演をちゃんと見ているのだけれど、演出がずいぶん変わっていて、えっと思うようなことが多かった。いい意味でね。(まぁ、初演は2010年だから、記憶も曖昧模糊ではありますが)。どうも私の記憶の初演マクベスは、モノクロ風味なの。魔女おじさんのせい?(笑)

 今回の公演は、ソウル及びニューヨークへ持っていく、ということもあって、装置がとてもコンパクト。特に布を多用されている。そう、たたんで持ち運ぶのにはとてもいいんですもん。

 冒頭がちょっと蜷川演出を思い起こさせたり、いろんなものに使われる一畳台の背景が蜘蛛の巣で、おおだったり。・・・萬斎マクベスの衣裳が大口っぽい袴テイストだし、さまざまに新鮮でしたわ。

 とはいえ、前半はなんとなくボヤ~としてしまう場面もあった。客席を暗くしてあるしね・・・。危険!と思うくらい。

 でもラストに向けてがぜん盛り上がっていった。初め、なにこの鳥の鳴き声、なんて思ってたのが(ちょっと違和感あったもんで)、要は春夏秋冬だったのね、とか。紅葉してるバーナムの森なんて圧巻。

 そうそう、「女から生まれた者にマクベスは殺せない」けど、マクダフはなぜ殺せたか。彼は、死んだ母親(というゴミ)の腹を切り裂いて出てきたから。ここでゴミなんて言葉を書くとギョッとするけど、このお芝居全体が最初っからゴミが大きなポイント、なんだよね。
 17世紀初め頃のシェイクスピアの作品が、現代の我々が直面する問題をも意識させている。床面がブルー(の布)だそうで、地球イメージだとするなら、やっぱりそんな色彩(落ち葉や雪なんかも)を、上から意識して見たかったな、とも思う。

 ポストトークは、朝日新聞の山口さんが聞き手となっての対談。能は「亡霊」と何百年もつきあってきてる、というのは、なるほど!でした。

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コメント

あの細身の大口、カッコ良かったですよね。
私はやっぱり、藪原検校やリチャード三世の萬斎より、こういう役の方が楽しく見られます。ビジュアルって大切(爆)
初演の時は、丸…っていうか、球…っていうか、ドーム?な印象が残ってますが、演出もこっちの方が断然好きでした。
ただ、いわゆる普通のマクベス(っていうとへんですけど)だと、マクベスの人種的なコンプレックスみたいなものをとても感じるのですが、そもそも萬斎マクベスはそれが薄めで、今回はさらに見た目が好みだったせいもあってぜーんぜん感じず、マクベスを見た!っていう気分ではない気がしています。

投稿: 猫並 | 2013.03.02 18:03

猫並さま
私も初演のマクベスは、円というかグルグルという印象が強いです。そういえばドームでしたね。
演出でいうと、「見つめる魔女」の「視線」が、不気味というか不穏というか。
ま、萬斎マクベスは・・・出た!オレさま萬斎、と思っちゃいました そういうところがまたなんですけど。
人種的コンプレックスは、考えたこともなかったです。
うちにある「蜘蛛巣城」DVDを、ちゃんと見たくなりました(いいかげんにしか見てないので)。

投稿: きびだんご | 2013.03.02 23:18

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