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2013.03.13

バルト三国ってどこでしょう?

3月11日(月) 「八月のラブソング」 19:00~ 於・本多劇場

(加藤健一事務所 vol.85)
作/アレクセイ・アルブーゾフ 英訳/アリアドネ・ニコラエフ 訳/小田島恒志 演出/鵜山仁 出演/戸田恵子(リディア)、加藤健一(ロディオン)

 時は1968年の8月。場所はラトビアの首都リガ。もうねぇ、何回聞いても、バルト三国がわからなくなっちゃう「お年頃」 いま、よくよく地図を見たら、バルト三国=(北から)エストニア、ラトビア、リトアニアで、首都リガは港町なんだわね。芝居の後半に、海辺のシーンが出てくる。

 ラトビアって、ロシア革命の後に独立したものの、1940年にソ連に併合され、翌年にはナチス・ドイツの軍政下に入り、第二次大戦後再びソ連領になってるから、このお芝居の当時は、ソ連っていうことだわね。ここリガのサナトリウムで、2人は医師と患者として出会った。

 2人ともすでに60歳を過ぎているという設定。サナトリウムにいながらも、(動脈硬化と医師は言っているけど)元気できままな彼女の言動に、振り回されてしまうのだった。あ、リディアはモスクワ出身。ロディオンはレニングラードで娘夫婦は日本にいる。

 でも、だんだんお互いが気になってきて・・・。まあ、タイトルから見てもそういう展開ではある。だから、というわけではないけど、前半はちょっと退屈なところもあったかな。

 それが、互いの過去がわかったあたりでキュッという感じに。リディアは何回も結婚してるけど、若くして生んだ息子を戦争で亡くしている。ロディオンも、同じく医師として従軍していた妻を亡くしていた。ともに1944年没。

 レニングラードには決して帰らない、と強く言うロディオン。理由は言わなかったけど、後に、海辺の墓地の、毎朝花の供えられる墓が、妻のものだとわかる。

 惹かれ合いながら、退院するサナトリウムの門の前で、その後、ロディオンの家でと、何度も別れを言うリディア。
 いわば「老いらくの恋」で、2人とも健康に問題がありそうだけど、素直によかったねと思えるのは、乗り越えてきたものの重さが判っているからかも。でも、リディアって大変そう・・・いや、面白そう

 墓地が海辺だったのは(何本もの大きな木がある)、原作からの指定だろうか?

*日本でも過去に様々なタイトルで上演されている。1979年「ターリン行きの船」杉村春子・尾上松緑、1980年「古風なコメディ」越路吹雪・米倉斉加年、2005年「ふたりのカレンダー」黒柳徹子・団時朗 ほか。

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演劇」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。

いわゆる「演劇」はまず見ない私ですが、ときどき心魅かれるものがあります。もともとがみーはーなもので、映画だろうとスポーツだろうと「好きな人」が出ているものを見に行きます。でもって加藤健一さん、戸田恵子さんともに大好き!そのうえ舞台がリガですってぇ?(ロシアふぇちなもので、バルト3国どころかソ連の旧15共和国全部言えちゃったりするわたくし)。

それでも実際に見に行ったらきっと退屈するだろうと思うけど、きびだんごさまのおかげでここで楽しませていただけてとってもうれしく存じます。ありがとうございました。

さ、これから演舞場~♪のからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2013.03.14 13:59

からつぎさま
うーーむ。私にとっては「謎の人、その名はからつぎ!」ですわ。旧ソ連の共和国が全部言えるなんて、あーた
リガという地名も初めて聞いたんですよ。心惹かれるものがありますね。
そして、戸田恵子さんも加藤健一さんも素敵でしたよ。戸田さんは、主役よりも脇で光る役の方が好きなんですが、これは二人芝居だから程よいうまさのバランスみたいのを感じました。
地味めですけど、この二人なら年取ってからの人生が楽しめそうでした。

あ、演舞場は「二人椀久」

投稿: きびだんご | 2013.03.14 22:58

私の中で、老いらくの恋とはまったくつながらない都市なのでビックリです…
リガはハンザ同盟の主要都市のひとつですよ。だから、ラトビアではドイツ語がよく通じました。っていうか、バルト三国を旅行した際に、エストニアは文化的にも人種的にもフィンランドに近いから言語もフィンランド語にそっくりなんですが、ラトビア語そのものもドイツ語っぽく、リトアニア語はポーランド語と区別しきれませんでした。そして、リガにはアウシュビッツと同類の収容所がありましたっけ。フォーサイスのオデッサ・ファイルに出てくるのも、たしかリガの収容所の話じゃなかったか…と、今、そんなことがアタマに浮かんで、読み直したくて仕方がない気分に!
そう、私にとってあの辺は、フォーサイスとかフリーマントルとか、冷戦時代のスパイ小説そのもの(爆)

投稿: 猫並 | 2013.03.14 23:06

猫並さま
もう、どうしてみんなバルト三国に詳しいのっ そういえば「ハンザ同盟」って習った記憶が・・・。でも、それと地図上の場所とが結びついてなーい(あるいは、かつては結びついてたのに今はぐじゃぐじゃになった?)。
そしてまたフォーサイスとかフリーマントルとか。妙になつかしい名前。いまちょっと予感がして、傍らのカバーがかかってる文庫本(積ん読のままボロボロになった)を見たら、フォーサイスでしたよぉ(ただし湾岸戦争あたり)。興味はあったけど読まなかった類の作家なのかも。

そして今、行くなら、むしろベネルクス三国に惹かれたりして チューリップの季節だから?(爆)

投稿: きびだんご | 2013.03.15 01:06

おはようございます。
しょうもないことに食いつく私めをお許しあれ。

「ベネルクス3国」ってのを小学校(だったと思う)で習ったときはけっこう衝撃でした。ベルギーとルクセンブルクはわかるけどなぜ?状態でしたからね。でもってもっと衝撃だったのは「イギリス」という国がないことを知ったとき!地図帳の国名一覧を順に見ていってどうやっても見つからない。なぜ?なぜ?なぜ?

そして首都がロンドンである国を探し国名を見て「!」だったからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2013.03.15 08:31

からつぎさま
何にでも食いついてくださいっ
からつぎさまはきっと、地図帳1冊あれば何時間でも遊べるような子だったのでは、などと想像しています。私は小学校の時、授業で地球儀を作ったんですが(貼り合わせていって最後に仕上げのコーティングをする)、情けない出来にショックを受けていらい、地図はイヤですねー。社会2科目選択の大学入試も、もちろん地理はいの一番に放棄・・・あ、言い出すととまらなーい。
イギリスねぇ、UKって何?とか、いろいろありました。

投稿: きびだんご | 2013.03.15 19:34

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