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2013.04.06

真正面から、ベタな任侠世界

4月6日(土) 「今ひとたびの修羅」 13:30~ 於・新国立劇場 中劇場

(シス・カンパニー公演)
脚本/宮本研 原作/尾崎士郎「人生劇場」より 演出/いのうえひでのり 出演/堤真一(飛車角)、宮沢りえ(おとよ)、岡本健一(宮川)、小出恵介(瓢吉)、小池栄子(お袖)、浅野和之(黒馬先生)、風間杜夫(吉良常)、鈴木浩介(横井)ほか

 シス・カンパニーって、なんか不思議な公演をするんだなー。これは「人生劇場」が原作だけど、前に確か「父帰る」や「瞼の母」もあったような。いや、全然読んだこともないけど、ナンデスカ?みたいな感じで、このキャストでなければ見に行ってない。・・・というわけで、一番安いB席から。

 もっとも、そう思った人は案外多いのか、中途半端なA席が結局B席値段で買えたみたい。SS、S、A、Bの設定というのは珍しいよね。
 B席は当然2階最後列かと思いきや、私の席は2階1列右サイド(端から6つめくらい)だったから、ラッキーだったのかも。

 昭和初期、日本が大陸に進出していく時代の、日本の任侠世界の物語である。

 脚本じたいは1985年初演のものとか。今回のいのうえ演出では(私はほとんど見たことないけど)「やくざ映画」の世界そのものっぽい。最初に、対立するふたつの組の抗争(もちろん刃物)が土手下であって、そこに、正面後方から、じゃじゃじゃーんと着流しスタイルの堤真一登場、派手な音楽、タイトルバック、という具合。ここは、ちょっとあっけにとられるほど。

 でも話はいたってシンプル。堤真一と情婦(とはどこにも書かれてないけどピッタリするのはこの言葉)・おとよ役の宮沢りえ、そこに割ってはいる形の岡本健一。一方、早稲田大学に通った後、作家になったボンボンの瓢吉(小出)と尽くす女・袖(小池栄子)、そして女流作家。
 2組のすんなりとはとてもいかない愛情関係。両者を結ぶ、老侠客・吉良常(風間)、ふわふわ動く黒馬先生。浮き世の義理とか、筋を通すとか、仁義とか・・・そんな言葉がぐるぐるした150分。

 こういう時代のベタさ加減みたいなのが、意外なほど新鮮に感じられたなぁ。特に男と女の、ありふれたようでいて、もはや忘れられてるゴツゴツしたぶつかり合い、みたいなもの。
 表面的には、古~い時代の人間模様なんだけど、むしろ今の恋愛物よりもリアリティがあるのかも。そのゴツゴツした部分が、生身のぶつかり合いのようで。

 主役の2人以外にも、風間杜夫が老侠客の生き様をきっちり。そしてやっぱり小池栄子がいいな。尽くす女!ですよ。あと、岡本健一の短髪・着流しもカッコよくて。

 それほど期待してたわけじゃないのに、いや、面白かったです! だから、劇場通いはやめられん。

*1985年、新橋演舞場での初演(木村光一演出)のキャストは
飛車角=中村吉右衛門、おとよ=太地喜和子、瓢吉=現・三津五郎、お袖=いしだあゆみ、吉良常=芦田伸介

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コメント

私はS席でした。
舞台からはちょっと遠いかなという位置でしたが、ちょうど花道代わりに使う通路のすぐそば。通っていく役者さんたちを間近でバッチリ観られて得した気分。
和服の着こなしがきれいでしたね。堤真一の着流し姿がキリッとしていますね。宮沢りえにも惚れ惚れしました。意外だったのが小池栄子。彼女、こんなに和服が似合ってましたっけ?

投稿: ケイジ | 2013.04.14 11:52

ケイジさま
ああよかった、ご覧になったんですね。
なんとなくケイジさん、お好きな感じがしてたもので。
近くで見たかった、という気持ちもありますが、安めの席があるのはありがたいです。
小池栄子、イメージとは正反対の役で、それがまた素敵でした。そう、着物もすごく似合ってて。と同時に、私は岡本健一も気に入ったんですよ!
宮沢りえも、ほんと舞台に引っ張りだこですね。相撲部屋の女将にならなくてよかった(爆)。

投稿: きびだんご | 2013.04.14 21:48

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