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2013.06.20

人形による「近代能楽集」

6月19日(水) 「三島近代能楽集『邯鄲』「葵上』」 19:00~ 於・東京芸術劇場シアターイースト

(江戸糸あやつり人形 結城座旗揚げ380周年プレ公演)
原作/三島由紀夫 演出/松本修 人形美術・写し絵/林静一 音楽/斎藤ネコ 出演/結城孫三郎、結城千恵、荒川せつ子、結城育子ほか

Yukiza ←パンフレットより。「邯鄲」の人形

 この公演は、2011年3月18日~27日に予定されていた(アサヒ・アートスクエアにて)。しかし、あの大震災により会期を短縮し、また余震が実際に頻発する中では、とうぜん不十分なものであっただろう。

 私も2年前の公演は知ってはいたものの、様子を見ているうちに行けなくなった、というのが実際のところ。もちろん、行こうと思ったのは、松本修演出、という部分が大きいかな。結城座は以前に一度見たことがあったけど(毬谷友子との共演)、ちょっと独特の世界、という感じがしてたので。

 でも、ここで再演されるチャンスを逃す手はない。
 松本修氏のMODEでは、今年12月にカフカ・プロジェクト2013と題して、「失踪者」「審判」「城」の三部作連続上演を企画していて(座・高円寺1にて)、それに向けて自分の中で盛り上がってもいた。

 今回の近代能楽集は、「邯鄲」70分余の後、休憩、そして葵上30分ほど、という構成。

 結城座の舞台は、一人の人形遣いが一体の人形をあやつりながらその役の台詞を言う。これ、結構というかかなり大変! 「邯鄲」では主人公の次郎は、まず生身の人間が登場する(結城数馬)。その次郎が、人形の菊と会話するのだから、大きさも全くちがう。人形の背丈は大人の太もものあたりくらいかな。で、枕を出させて眠ったところから、人形の次郎が現われる。

 といった手法になじめないと、??と思って、なかなか舞台に集中できないかも。でも、内容がどちらも「幻想」の世界のような話なので、人形って向いてるんじゃないの、と思った。

 上にパンフレット(2年前の初演時のものを今回500円で売ってた)の人形ページを上げたけど、最初に出てくる菊(次郎の元乳母)の人形がよかったなー。色合いがとても好きなのよ。そして、この菊と次郎以外は、みんなガイコツというところが、いやはや、ですわ。

 「葵上」では、人形は能面のイメージ。こちらは生霊の六条康子がとても美人!(若林光はそうでもない)。時間的には短いけれど、お話も濃密なわけで、音楽も演出もダイナミック。

 タイプの違う2作の組み合わせが、とても生きてたと思う。もっと大勢かと思っていたら、出演は8人だけだったから、そんなに少なかったのかと驚いた。

 それにしても、「邯鄲」では、厭世感しかなかった次郎が、枕のおかげで様々な「夢」を見て、最後に「僕は生きたい!」と言う。しかし、その生とは現実の「この世」ではないだろう。「葵上」にしても、光は生霊と知りつつ六条さんの方へ行く。彼女との記憶は大きなヨットや水の世界だ・・・これを2年前の3月に見ていたら、どんなことになっていたのだろうと思わずにはいられない。

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