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2013.09.17

第二部はちゃんと見たのだけれど

9月17日(火) 「九月文楽公演 第二部」 16:30~

「通し狂言 伊賀越道中双六
「藤川新関の段 引抜き 寿柱立万歳」「竹藪の段」「岡崎の段」「伏見北国屋の段」「伊賀上野敵討の段」

 15日の第一部に続いて、第二部を。どうせならあまり日にちをおかずに見たかったからね。
 紋壽さんが病気休演のため、奴助平を勘十郎さんが。勘十郎さんは第一部で平作、この第二部では助平と山田幸兵衛(岡崎の段に出てくる、政右衛門のかつての師)を遣ってらっしゃる。

 最初の「藤川新関の段」は、今後の展開の発端部分でありつつ、ちょっと愉快な場。奴助平が覗く遠眼鏡に三河万歳が見えて、そこから軽妙な「寿柱立万歳」に。そしてまた元の場面に戻る。
 第二部は、徹底的に志津馬&政右衛門の敵討道中で、そこに女性たちがからむ、といったところかな。

 関所破りとなる、雪の「竹藪の段」は、意外と緊迫感がなかった感じ(ここは太夫と三味線は床ではなくて、上の御簾内で演奏)。様式化されてるからかな。御用提灯を持って出てくるのも2人だし。

 それはともかく、問題はメインとなる「岡崎の段」ですよ! 切の嶋大夫/富助、後の千歳大夫/團七が熱演。まぁ、嶋大夫さんのあの熱演に、千歳さんも引っ張られたかのように見えちゃうけれど。

 それなのに。ちょっとこの話はイヤでござる。最後にかっこよく立ち回りを決めて仇討ちが成就しようとも、ここの赤子殺しは重く残っちゃうよ。
 こういうのを当時の庶民が楽しんで見てたのなら、武士に対する皮肉な目があったといえるのかもね。

 その後の船宿・北国屋での、ちょっと面白い場面とか、敵討のスッキリ綺麗な場面など、気持ちは軽くなるのだけれど・・・。でも、なんかひきずっちゃうよ。

 そんな重さの中でのちょっとした救いは、北国屋に登場する藪医者(と太夫が言う)・竹中贅宅の顔(首=かしら)。いやん、阿部サダヲみたいよ。かわいいのに、かしら名は「端役」ですって。

 今日の席は4列25、つまり右ブロックのいちばん左。このあたりがけっこう好きなのよ。呂勢大夫さんの螺鈿の綺麗な見台がバッチリ見えたし、文雀さんのお袖もよかった。でも、「岡崎の段」の嶋大夫さんの熱演のとき、床も見たいけど(だってほんとに全身で語ってるもん)、その場面では、お谷は舞台下手にいるから、、あっち見てこっち見て、と忙しい。ま、この場合、床は見なくていいんでしょうけど 

 今回は特別キャンペーンで、第一部、第二部のチケットを両方購入した人に、「千本松原の段」を抜粋して復刻(明治42年発行)した「懐中稽古本」のプレゼントがあった。とうぜん、貰ってきたけど、これを懐中してフムフムというわけにはいかないでしょう。読めと言われれば・・・読めるとしても。あ、読めないか。

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歌舞伎・文楽」カテゴリの記事

コメント

あの子殺しは、赤子なので、ちょうど桜姫や三五大切の子殺しの場面を思い出しました。あそこ、親子関係や人権問題の、現代と当時との大きな差を感じますよね。コドモの生死は親のもん、っていう。
子持ちの友人で、三五大切を見た人は、いちように「嫌い」というような…これも、歌舞伎にしたらもっと生々しくなりますかねー
嶋大夫、すごかったですね。私は2等の端から見てたので常に視界に入ってて、え?そんなに?と思うくらいの熱演で、縮んでっちゃうような気がしたほどです。
今回、特製床本をもらい忘れかけて帰りにロビーを引き返したワタクシですが、11月の歌舞伎では双六をもらい損ねそうな、プログラムを割引なしで買ってしまいそうな、なんだかそんな気がしています…早めにチケット取って同封しとかないとダメかも…いや、チケット取るまでに忘れちゃうかも…

投稿: 猫並 | 2013.09.19 07:25

猫並さま
子殺しの中でも、大義が前面に出すぎてるといいますか(まさに子どもの生死は親のもので)、ダメな奴とかバカとかと切り捨てられないモヤモヤが・・・。歌舞伎だとさらに生々しくなりますよね、きっと!

嶋大夫、ほんとよかったです。じいさん好きの血が騒ぐ(爆)。千歳大夫も、だいぶ脂が抜けてきた感じで、この流れは今回、一番気に入りました。

そういえば、11月の歌舞伎でもプレゼントがもらえるんですね。ちゃんとチラシを見てなかったです。でも、行くかなぁ、どうだろう。

投稿: きびだんご | 2013.09.19 22:23

こんにちは。
まだ数回しか文楽を観劇していないので、演者さんたちの素晴らしさなど皆目わからないのですが、そう、この嶋大夫さん、もんのすごく印象に残りました。
お歳は召していらっしゃる様なのに、その熱演たるや・・・感動、じ~~ん・・・
7席しかないという1350円のお席でしたので近く近く近く・・・・素晴らしかったです!
終盤まさに手に汗握る感じで観・聴き入ってしまったのは初めてでした。
陰陽師ラストより感動しちゃった。

ところで、書にも関心のある私。きびだんご様はどういったお稽古なのですか?
いや、まだ始めてはおらないのですが^^;

投稿: はじめまして。 | 2013.09.21 12:53

はじめまして。さま
こんにちは。コメントありがとうございます。
3等席でご覧になったんですね。うらやましい! チャレンジしても敗退、ということが多くて・・・。太夫さんにせよ、三味線、人形遣いの方にせよ、素敵と思える人を見つけるだけで、楽しみが何倍にもなる気がします。嶋大夫さん、可愛いじいちゃん(手乗り人形にしたい)なのに、あの気迫というギャップがたまりません

書の稽古は、私の場合は教室では書かず、課題(手本)を書いてもらって、自宅で書き、それを見てもらう、というパターンです。入門したての時は、教室で「いろは」から書いていたのですが、今は順番待ちの時間に少し書くくらいです。かななので、百人一首と俳句を1つずつ、それと屏風土代の臨書が基本です。
なんか不思議に「始めどき」ってある気がします(私の場合は、たまたま義母の書道用具を形見分けでもらった時に、友人に誘われた)。いい出会いがありますように!

投稿: きびだんご | 2013.09.21 18:35

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