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2013.10.25

こまつ座:納得のキャスト

10月19日(土) 「イーハトーボの劇列車」 18:30~ 於・紀伊國屋サザンシアター

作/井上ひさし 演出/鵜山仁 出演/井上芳雄、辻萬長、木野花、大和田美帆、石橋徹郎、松永玲子、みのすけ ほか

 国立能楽堂から回ってきた紀伊國屋新宿南店。おそいお昼を食べてもまだまだ時間があるから、タカシマヤとの連絡通路側にあるタリーズで、仕事してました。えへへ。こういう時、窓際のカウンター席は助かる。

 さて、珍しくこまつ座で買ったチケットなので、定価だけれども3列目のセンター。宮沢賢治だし、出演者が好みだし・・・、たまには近い距離でみるのもいいか。

 去年、宮沢賢治記念館を訪ねていたから、その時の記憶が甦ったというか、あの時感じた「いったい何者? 何がしたかったのか」という素直な気持ちを思い出した。だって、「雨ニモマケズ」「永訣の朝」「銀河鉄道の夜」・・・といった作品と、農業指導くらいしか知識にないから。鉱物へののめりこみ(しかも仕事にすべく模索)とか、宗教への傾斜とか、なんなのぉ?というくらい。 それらは、記念館の展示でも、かなり力を入れていた。

 賢治や両親、妹たちのいる世界と、彼の作品世界の人たちが、何度か入る汽車の場面を通してつながっている。そして、両方に現われる不思議な車掌。(いつもそうだけど)見ているその時に泣いたり笑ったりというより、後からゆっくり思い出しながら味わえるタイプの舞台だなぁと思う。

 役者さんは、もちろん井上芳雄くんの名前にまず惹かれる。「組曲 虐殺」は歌がけっこう記憶に残ってて(カタカタ回る~、胸の映写機、とか)、歌う? と思ってたけど、そういう部分ではない芳雄くんをたっぷり見た気がする。ある意味、悩める青年で(でもおぼっちゃんで)、がむしゃらで、ほうっておけなくて。
 そんな彼の周りにいる人たちも、かなり磐石。父/刑事・辻さんの「父権的部分」と、それに対する母/下宿のおばさん・木野花の柔らかさ。このお二人は、なんていうのかな、すご~くキャパが大きくてその引き出しからいかようにも芝居できます、という感じなんだろうか。もちろんこれは見ながら思ってたことじゃない。

 おおっ!と思ってたキャストが、みのすけ&松永玲子。ナイロン100℃で見ることが多くて(ほぼそれだけと言っていいくらい)、ちょっとびっくりの出演だった。そして期待に違わぬ程よい存在感。みのすけは、独特の雰囲気が、ミステリアスな車掌にピッタリだし、松永さんの変化球的存在感には、いつも感心しちゃう。
 三菱社員という強烈キャラの石橋徹郎さんは、最初、その強烈さゆえに(?)前に見た芝居のことをすっかり忘れてた。ラストシーン、それまでのスーツ姿じゃなく思い残し切符を持つ農民(?)姿で現われた時、あらま「モジョ ミキボー」の相方、とやっとガッテン。遅すぎる。「モジョ ミキボー」は浅野和博さんとの二人芝居で、鵜山演出だったのでした。
 大和田美帆の、妹/女車掌も、最後の車掌役でくっきり(衣裳も、病人の白から車掌の黒だし)。

 そして一方にいる、賢治の作品世界の、山男だの熊打ちだの、の人たち。こちらは花巻、東北の象徴といっていいかもしれない。実はこちらの方が、芝居としては難しいよね、とも思う。汽車の中だけで語らせる構成、すごいなー。

 などなど書いてると、もう一回見たくなる。実はずいぶん安くも見られるんだけど、いまその時間的余裕がなさそうで残念・・・あれ? 11月17日までやってるんなら、行けるかな。もうちょっと後ろから見てもいいな、と思ってるので。

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