« シェイクスピア祭 | トップページ | 観劇ウィークなのに »

2013.10.04

弦楽四重奏を聴きに行こうかしら

9月28日(月) 「OPUS/作品」 13:00~ 於・新国立劇場 小劇場

作/マイケル・ホリンガー 翻訳/平川大作 演出/小川絵梨子 出演/段田安則(エリオット=第一ヴァイオリン)、相島一之(アラン=第二ヴァイオリン)、加藤虎ノ介(ドリアン=ヴィオラ)、近藤芳正(カール=チェロ)、伊勢佳世(グレイス=ヴィオラ)

 (未だ9月の負債を返済中、という感じ)
 作品・作家のことはまるきりわからないけど、キャストが魅力的、と思ってた。段田、相島、近藤と並ぶと、三谷組っぽいじゃない? でも行けるかなぁ、と迷っていて、9月になってからやっとチケット購入。このくらいのタイミングで買えるのが、ほんとは一番うれしい。小劇場だから、どこから見てもいいや、だし。

 コメディ、なのかな・・・(?)というのと、あとは「弦楽四重奏」ということだけがわかっている状態で、劇場へ。舞台は、真ん中の四角い空間を、客席が挟む状態。
 その舞台の四隅に、椅子と譜面台が置いてある、ほぼそれだけの中で2時間弱、演じられる。あ、アメリカでの話で、NYのほか、ピッツバーグとかワシントン(大統領府!)、ロンドン(レコーディング)などもあるが、椅子&譜面台のみ、というのは変わらない。

 もともと男性のこの弦楽四重奏団は、どうやら同じ指導者の下で学んだらしい。会話の中に先生の話が出てくる。たとえばこんな具合で、会話の中で、なぜエリオットが第一ヴァイオリンなのか、とか、脱退したドリアンの実家はハイソらしい、とか、いろんなことがわかってくる。もちろんそれぞれが抱える事情などもね。

 事情とは・・・女好きはともかく(笑)、難しい病気であったり、同性愛であったり。それがいきなりポーンと語られるのではなくて、あれ?と引っかかりを持たせた上で、後のシーンで明らかになる、という感じ。

 演奏家としてとても優秀な(しかしリーダーには向いてない)ドリアンが、弦楽四重奏団を脱退して、新メンバーに選ばれたグレイス。伊勢佳世さんが、ほんとに軽やかに演じていて素晴らしかった。5人のバランスがとてもいいんだけど、グレイスの存在は大きいな。衣裳もまた、暖色系(穏やかなオレンジ、黄色など)のふわっとしたスカートスタイルで、こういう舞台構造なだけに、また生きていた。

 途中でいろいろ笑えるんだけど、いや~、重いじゃないですか。音楽家の特殊な世界では決してなくて、小さな組織とか家庭とかに置き換えてもいい。緊張とそれの弛緩がほどよい、ともいえるかな。

 当然、演奏するシーンも多いんだけど、うまく音をかぶせてある感じ。・・・にしても、役者さんは楽器を持つところから始めるわけでしょうから、大変よね。
 その役者さんの中で、加藤虎ノ介さんは初めて。「ちりとてちん」での、ひねこびた役(笑)は記憶に残ってる。もっと細くてちっちゃいイメージがあったんで(←なぜ?)、ちょっとビックリしたかな。

 舞台の形状からして(私は奥側から見てた)、常に俳優さんが前を向いて喋るわけではない。背中ごしに台詞を聞くこともあるけれど、その時の声が一瞬で冷ややかなトーンになってギョッとしたり(段田さんです)。むしろ顔が見えてなくて、より伝わることもあるのかもしれない。

 というわけで、贅沢な時間でありました。余禄としては「弦楽四重奏」を聞きたくなっちゃうことかな。特に劇中で出て来たベートーヴェンOp.131とかね。秋だなぁ

|

« シェイクスピア祭 | トップページ | 観劇ウィークなのに »

演劇」カテゴリの記事

コメント

いくんですよ、今月、弦楽四重奏。ベートーベンじゃないですけど。
でも、そのせいで、菊五郎最後(たぶん)の四の切を見られない…
私は、いろいろ見た9月、その中でこのOPUSがダントツで良かったです。お能は滅多に見られないものを見たし、バレエなんかも世界的名演だったし、文楽だって十分楽しかったのですが、どれもこれには勝てなかったです。
でもコメディって言われると引っかかって…私の受け取り方が深刻過ぎるのか?とも思ったのですが、やっぱり重いことは重いですよね、これ。組織論というか人間関係として、あるいは、才能と向き不向きについてとか、いろいろもろもろ。たった5人でも、なんて贅沢な配役だろうと思ったし、それこど誰一人欠けてもできないな…と、
そこで思い出したのが、次のエドワード二世って、この春に寝坊して休演にしたカレも当初は出演予定だったんですよね。どの役をやる予定だったんだろう…

投稿: 猫並 | 2013.10.04 19:02

猫並さま
よかったですよね!! コメディの定義って何? ほんと、見ながらいろいろ考えさせられました。・・・内容が濃くて、グサッときたいするんだけども、消耗するわけじゃなくて。
正直、同性愛だとかガンだとか、ありがちな展開かも、ではあるのに、陳腐にならないんですよね。5人、それぞれによかったな。意外と(?)相島さんの存在のおかげで、風通しがよかったかも。

そうだ、エドワード二世に、あの彼も出演予定でした。いやはや・・・。
で、猫並さんはほんとに弦楽四重奏にいらっしゃるのね。私も今日、吉祥寺シアターで、チラシをもらってきました

投稿: きびだんご | 2013.10.04 21:35

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« シェイクスピア祭 | トップページ | 観劇ウィークなのに »