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2013.12.26

漫画と舞台で、太宰!の一日

12月26日(木) 「グッドバイ」 15:00~ 於・シアタートラム

(シス・カンパニー公演 日本文学シアターVol.1[太宰治])
作/北村想 演出/寺十吾(じつなし・さとる) 出演/段田安則(黄村先生)、蒼井優(三舞理七)、柄本佑(渡山)、半海一晃(屋台の主人)、山崎ハコ(茜)、高橋克実(二重回しの男)

 この作品はタイトル他が表わしているように、太宰治「グッド・バイ」をモチーフにして、北村想が書き下ろしたもの。といっても、私は「グッド・バイ」に関しては、全く知識ナシ(いっつも、あらゆることに関してこう書いてる気もするが)。

 ところで、昨日たまたま友人が貸してくれた漫画があって、それは片山ユキヲ「花もて語れ 5」(小学館)。朗読漫画という不思議なジャンル(?)で、主人公の若い女性は、朗読を学びそれによって社会の中でも成長している。朗読するのは文学作品なので、どう読むか=どう解釈するか、という作品論にもなっている。
 5巻は、「ごん狐」(子ども時代の思い出の本)と、太宰の「黄金風景」。今朝はこの漫画を家で読んで、それからシアタートラムに出かけたわけ。

 ・・・そうしたら、このお芝居は太宰ネタではあるけど、でも現代の話なのに、よりによって、「黄金風景」の名前が出たんだよね。これにはビックリだ。

 大学で哲学とミステリー文学を教えている黄村(こうむら)先生は、妻を亡くした後、8人の愛人(!)がいる。あ、現在の妻は彼が勤める大学の理事長なんだけど、その愛人全員とうまく別れるために、美人の秘書を雇う。それが三舞理七(みまい・りな)。ものすごーい河内弁でまくしたてる。黙ってりゃ超美人なのに、喋ったらオシマイ、みたいな子。

 この河内弁が実は「まがいもの」で、それには理由があって・・・。研究室の助手が渡山(とやま)、先生と理七が待ち合わせる屋台のおでん屋にいつもいる太宰を気取ったインバネスの男、そして流しのギター弾き。これが出演者のすべて。

 舞台上の「場所」は、研究室と、おでん屋台。これが暗転でうまくチェンジして、それぞれの場面にスッと入っていける。
 段田さんが初老の男の哀愁を漂わせつつ、ちょっとユーモラスだったり、さすがの存在感。半海さんのおでん屋は似合いすぎでしょう、という感じだったな。

 つい注目したのが柄本佑くん。この前の「エドワード二世」の細身スタイル(と巨大なヒゲ等々)とは打って変わって、いかにも文系研究室の助手、って感じの、なんといいますか、冴えない風貌。でもねー、ちょっと正体不明なところが曲者っぽい。

 蒼井優ちゃんは、やっぱり声を張り上げる時のキンキンしたところが、私にはちょっとダメだな。なので、河内弁は・・・トントーンとリズムがあって気持ちいいんだけど、むむむ、でした。だんだん、そういう言葉じゃなくなるとOKなのになぁ。

 今の話なのに、そこはかとなく黄村先生の学生時代(つまり「同棲時代」とかがはやったような)の匂いがして、山崎ハコが劇中で歌うのですよ。歌はいいんだけど、台詞はやめようよ、と思ってしまった。ちょっとだけどね。

 トータルで作品としては、不思議なテイストとしか言えないな。でも、どこかに太宰の「実像」のイメージが見え隠れしてるのかもね。

 

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