« 言葉で全ては表現できるのか | トップページ | リフレッシュ »

2014.01.25

「思考する能力」を捨てた時・・・

1月25日(土) 「ハンナ・アーレント」 於・吉祥寺バウスシアター

ドイツ・ルクセンブルク・フランス(2012年)
マルガレーテ・フォン・トロッタ監督作品

 先月半ばまで岩波ホールで上映されていて、話題を呼んでいたのだけれど、その時は見に行けず。その後、何カ所かでの上映を経て、吉祥寺でも! 夕方までの上映だから、行ける日が今日しかなくて、なんとか行けてよかった。

 主人公は亡命してアメリカに暮らすドイツ・ユダヤ系哲学者ハンナ・アーレント。彼女はアイヒマン(1960年に逮捕されたナチス高官)裁判を傍聴し、その記録が大変な反響(というより批判)を巻き起こす。

 こういう事実をもとにした映画を見ると、ほんとうに何も知らない自分にうんざりしてしまう。

 映画では、エルサレムで行なわれた裁判の実写フィルムが使われており、ガラスで囲われた中で証言する被告アイヒマンや、多くの証言者たちの姿や声が映し出される。この圧倒的な事実の重さがあるから、彼女の思考の過程が理解できる気がする。

 映画のラスト近く、批判の渦の中で(大学からも辞職勧告を受けるが拒否する)、学生たちに語りかけるスピーチが圧巻。ここで語られるのが、「思考」について。思考することを捨てた平凡な人間が、残虐行為をするのだと。考えることで人間は強くなる。深い思考を。

 彼女が批判された論点は大きく言って2つあるのだけれど、それには今は触れない。深く考え、それを言葉にして、そのことに対してあらゆる責任を負う。受けて立つ強さと、そこに至る様々な苦難を思う。

|

« 言葉で全ては表現できるのか | トップページ | リフレッシュ »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 言葉で全ては表現できるのか | トップページ | リフレッシュ »