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2014.05.07

一日、文楽を楽しむ

4月26日(土) 「通し狂言 菅原伝授手習鑑」 10:30〜/16:00〜  於・国立文楽劇場

(国立文楽劇場開場三十周年記念  七世竹本住大夫引退公演)
第1部 初段「大内の段」「加茂堤の段」「筆法伝授の段」「築地の段」/二段目「杖折檻の段」「東天紅の段」「丞相名残の段」
第2部  三段目「車曳の段」「茶筅酒の段」「喧嘩の段」「訴訟の段」「引退狂言  桜丸切腹の段」/四段目「天拝山の段」「寺入りの段」「寺子屋の段」

   住大夫引退公演というのを抜きにしても、菅原伝授手習鑑を通しで、というのが魅力的で是非行きたいと思っていた(その後、東京公演の演目を知って、さらに大阪で見たいという気持ちが強くなった)。一日居続けは大変だけど、でもがんばったよ!  席はあぜくら会の初日に取ったから、第1部が8列センターブロックの右端、第2部がかぶりつき1列の真ん中。うーん、東京でこんなふうに取れてたらなぁ……

   いつものように、なにも考えずに劇場に行ったわけだけれど、今まで文楽でこの通しを見たことはなくて、そのせいか花組芝居がやった通し上演を思い出しちゃった。いや、あれはよくできてた!  またやってほしいな。菅原伝授だけじゃなくて仮名手本とか牡丹灯籠とかも。

 大内の段がまさにプロローグで、時平、道真、斎世親王の先行きの不穏さが感じられる。そして加茂堤なんだけど、ここでまず梅王と松王が出てくるのか、などと、私の記憶にある歌舞伎との違いに思いがいくのですわ。筆法伝授も歌舞伎で見てる……よね。
   二段目は、ストーリー的には深刻(?)だけど、道真の木像や、鶏が出てきたり、動きや計略の面白さに惹きつけられる。このあたりで、ほんと花組芝居を思い出したんでした。

そういうのからいくと、第2部はだいたい歌舞伎で見覚えがあるかな、というところ。「喧嘩の段」は白太夫70の祝い=賀の祝で、梅王、松王が喧嘩して桜が折れる段だしね。この時の折れる桜は、枝ではなくて幹がポッキリ、でした。

 その中では「天拝山の段」が歌舞伎では見たことなくて、物珍しくもあった。道真が太宰府に流されて、そこへ白太夫も行ってる。梅が慕って飛んできて・・・そして、恨み骨髄の道真の姿が・・・。ここがあるから、のちに皆が恐れる道真像が合点できるんだなー。

時平だって、初段「大内の段」とこの「天拝山の段」があることで、謀反の心がはっきりわかる。それに対して、怨霊となる道真も。………くわばらくわばら。 また東京でも上演される機会があったら、見逃さずに頑張りたいものですわ。なんかね、大阪だとわざわざ行く分、がんばってしっかり見るぞ、という気持ちになる。これが東京だったら、今までは「疲れるもん」なんて思ってたの。 *住大夫引退狂言の「桜丸切腹の段」は、桜丸=簑助、八重=文雀。

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コメント

きびだんごさま
やっぱり通しで聴きたかったな。
それと、花組芝居の「菅原伝授」も私、観ていなくて、このきびだんごさまのご感想を読ませていただいて、ますます観たくなりました。
「KANADEHON忠臣蔵」もほんとによくできていて、私なんてあの作品で「仮名手本」の全体像理解したと言ってもいいくらいです。
加納座長、ほんとすごいですよね~。

と話はそれてしまいましたが、こんぴらで若い役者さんたちの車曳や寺子屋観て、文楽で滋味あふれる語りでそれを聴いて記憶を増幅させるというのはなかなか贅沢でした。

そして、住大夫さん(涙)。

投稿: スキップ | 2014.05.08 12:39

スキップさま
花組芝居の「菅原伝授手習鑑」、スキップさまは舞台に飾られた提灯のみ参加、だったんでしたっけ。あのアイディアも素晴らしい。欲をいえば、あうるすぽっとがちょっとなので、別の場所での再演を熱烈希望です。
私もこれらの通しを見て、へぇっ、そうなの!?でした。
あ、植本さんも出てほしいです。

ぞういえば、こんぴらで車曳や寺子屋がかかってたんですね。特に若手のだから、両方ご覧になると、より感慨深い気がします。
住大夫さん……。いよいよ東京でも始まります。

投稿: きびだんご | 2014.05.08 22:32

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