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2014.05.16

演出家・赤堀雅秋に大注目

5月14日(水) 「殺風景」 19:00〜 於・シアターコクーン

作・演出/赤堀雅秋
出演(役名は、平成16年/昭和38〜43年)
八乙女光(菊池稔/クニオ)、大倉孝二(菊池直也/安西)、荻野目慶子(菊池マリ/ナンシーさん)、西岡德馬(菊池国男/ー)、キムラ緑子(大場節子/菊池君子)、尾上寛之(大場茂一/兵頭健)、太賀(大場順/丸山正二)、江口のりこ(菊池道子/時枝)、福田転球(長嶺八郎/馬場勝也)、安藤聖(田島典子/傘子)、近藤公園(袴田俊彦/ー)、駒木根隆介(花輪大輔/ー)、大和田美帆(ー/マリ)

いや〜、シアターコクーンの客席が若い若い。制服の高校生らしき子もいるし、若いお嬢さん(いまミニスカートが流行ってるのを実感)がいっぱい。それというのも、主演の八乙女くんがJの子だから。私は全然知らないけどね 先月の森田剛くん「夜中に犬に起こった奇妙な事件」をすっかり失念してたのを反省して、勢いでチケットを取った。その時点では、懸念材料があるとすれば八乙女くん。

そして、この作品については(いつものように)何も知らなかったけど、これ実際の事件に材を取ってるのね。それが起きたのが平成16年。九州・大牟田。
ヤクザ(といっても時流に乗れず逼迫)の菊池の一家4人が、金融業を営む隣人・大場節子と息子たち、その友人の4人を殺した。物語は海辺でのそのうち一人の殺害する場面から。ほかに菊池家と縁を切っている娘の周辺、捜査する刑事が登場。
全員逮捕されたうち、父・国男の取り調べ場面から、舞台は彼の若かりし頃、昭和38年へ。

舞台の「時」は、こんな風に過去にさかのぼり、また戻り。この転換の手法が素晴らしいし、わかりやすい。音楽には三味線が使われて、ほんと「情念系」。

だいたい登場するのが、ヤクザだの金貸しだの、場末のスナックに娼婦たち。また、東京オリンピックを翌年に控えた高度成長期だけれど、エネルギーの王様が石炭だった時代は過去のものになろうとしている時代。落盤事故も描かれる。国男(現在は西岡。若い時は八乙女)も炭鉱で働いていたのだ。

そのイメージはある意味ではステレオタイプかもしれない。だから描かれることに想像が及ぶ。まあね、客席の多くのお嬢さん方には1ミリもわからないとは思うけど。
むしろアイドルがこんな救いようのない役なのに平気なのかしら?
平成の、菊池家の次男としては人殺しを担い、昭和の貧しい労働者としては、やはり底辺にいる母の呪縛があり。……それを、うん、健闘してたと思う。なんだか岡本健一を彷彿とさせる舞台での姿だった。

それはもちろん、周りをがっちり固めたベテラン、若手の存在も大きい。荻野目慶子=国男の妻、キムラ緑子=国男の母、それぞれの空虚さがおそろしい。大倉孝二は、けっこういつものグニャグニャで笑いを担ったりもするのに、人としての欠落がじわじわくる。

作・演出の赤堀さんは、今まで役者としては見てたけど、作・演出は記憶に残ってないなぁ。ストーリー自体は決して得意な方向じゃないものの、演出の手法がとても好き。冒頭と、終盤で、アカペラで歌われる「黒の舟唄」も、とても印象的。

第1幕75分、休憩15分を挟んで、第2部90分。菊池家の娘がやってるスナックでの会話など、他愛もなくダラダラ日常が語られてるみたいなのに、ダレないのが不思議。

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