« もりだくさんの土曜日 | トップページ | 楽しかった!大阪2泊3日 »

2014.07.17

イメージ違ってたな〜、綾野剛

7月14日(月) 「太陽2068」 19:00〜 於・シアターコクーン

作/前川知大 演出/蜷川幸雄 出演/綾野剛(奥寺鉄彦)、成宮寛貴(森繁富士太)、前田敦子(生田結)、中嶋朋子(奥寺純子)、大石継太(金田洋次)、横田栄司(奥寺克哉)、内田健司(佐々木拓海)、山崎一(
曽我征治)、六平直政(生田草一)、伊藤蘭(曽我玲子)ほか

このところ、蜷川さん演出の舞台はあまり見てなかった。いつもわりにエネルギーが必要、ってこともある。内容的にも劇場も(さい芸の場合は)。でも、今回はなぜかフラフラとチケットを確保しておりましたよ。……あえて言えば、前川作に興味があったから? いや、ふらふらと、というのが正しいと思う。

とはいえ、綾野剛、前田敦子出演ってあたりで、ずいぶんな人気らしく、中2階および2階の両サイド、立ち見の人がずらり。当然、若い人が多いのですわ。上演時間ほぼ3時間、休憩時もわさわさしていそうだったから下には降りなかった。

もともと「太陽」は、2011年に前川さんが主宰する劇団イキウメで上演されてるけど、私は見ていない。今回、その台本を新たに「太陽2068」として書き直したものという。

チラシに、大きく「昼と夜に、別れてしまった世界」とある。いわく。バイオテロにより拡散したウイルスにより、強く若い肉体を長く維持し、高い知能を得た反面、紫外線に弱く太陽光の下では活動できない体質に変異した人間「ノクス」と、古くなってしまった普通の人間「キュリオ」が共存する社会。

冒頭の事件が、えっ、これは何?という感じだった。だんだん、ノクスとキュリオのことがわかってくると、ああ、太陽光に当たってノクスが一人死んじゃったのか、と合点がいくけれど、とにかく、何かよからぬことがあって、キュリオの村は窮地に追いやられたのだとわかる。その「犯人」は逃げてしまい、残された姉や村の人たちは大変な思いをしている。
ノクスの獲得した体質は、血液によって感染するし、キュリオの中にも毎年、ノクスになることができる人がいる(希望者の中から抽選で選ばれる)。
この段階では、キュリオの村だけだから、ぼろっちい長屋の集合のような、土色の風景なんだけれど、実はその下にはノクスの居住区域があり、こちらはいかにも未来っぽい無機質さ。ブルーのサイリウム的な光が象徴的。この二段構造の中で話は進行し、門番のノクス・森繁(成宮)と、ノクスになりたいキュリオ・鉄彦が徐々に親しくなって行く。

ある意味、キュリオは旧弊な部分を引きずりつつもやわらかく、ノクスは優れているかもしれないが傲慢である(そりゃあね、老いないのだもの)。衣装もキュリオのメインの人たちは白で、ノクスは黒。

いかにも、2011年の震災・原発事故の年に作られたんだ、ということを何度も実感させられる。たとえば、元の村を捨てて新天地に集団で移住する、とか、政府によって情報操作が行われている、とか。

綾野剛の鉄彦は、18歳の設定だったかな。ちゃらんぽらんで、いらついている若者をエネルギッシュに好演。へー、こんな役者だったのかと認識を新たにした。このキュリオ鉄彦の相棒である森繁は、対照的に大人な存在。年齢も少し上だったはず。それが、お互いに影響しあっていく姿がとてもいい。音楽もとても印象的。

時に男の子が(誰とは言わないが)無駄に?脱いだりもするんだけど、演劇というものに圧倒された思いのする3時間。あっという間にすぎてしまった。

|

« もりだくさんの土曜日 | トップページ | 楽しかった!大阪2泊3日 »

演劇」カテゴリの記事

コメント

きびだんごさま
フラフラとチケット取って、パンフレットもお買いにならず、イキウメの初演もご覧にならないでこれだけ的を射たご感想に感心することしきりです。
出だしは本当に「これは何?」という感じですものね。

綾野剛くんと成宮寛貴くん、実年齢は同じらしいのですが、二人の佇まいに年齢差(もちろん、キュリオとノクスの違いも前提に)が感じられてとてもよかったですね。
綾野剛くんは人気出てイメージ先行しちゃった感がありますので、こんな役も活き活きとできるんだと皆さんに知っていただいてよかったです。

個人的には、前川さんが脚本書き換えたとはいえ、イキウメも蜷川さんの手にかかるとこうなるのか~と改めて御大のお力に感じ入った次第です(笑)。

投稿: スキップ | 2014.07.30 13:01

スキップさま
うぎゃ〜 なんかお恥ずかしい。。。
とりあえず蜷川さんの舞台は「ヨイショ」という感じがあって、こわごわ見たりしてるんですが、これは面白くて、わかりやすかったんですよね。
そのわかりやすさが、一方で、ウーンという反応ももたらす、ということかしら。
もっといろいろ書こうと思ってるのに、なかなか。
中嶋朋子さんや大石さんのことも書けませんでした。
前田敦子さんを筆頭に、オッというキャストと、絶対的な信頼を寄せる役者さん、その「調合具合」が、さすが蜷川さんですね。

投稿: きびだんご | 2014.07.30 21:08

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« もりだくさんの土曜日 | トップページ | 楽しかった!大阪2泊3日 »