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2014.08.09

3階からパペットの馬を見る

8月8日(金)  「ウォー・ホース 〜戦火の馬〜」  13:30〜  於・東急シアターオーブ

このタイトルの映画あったよね〜、ちょっと気になってたんだけど。というくらいの認識で、でもわりと早くから、シアターオーブで上演されるのは知ってた。当時、ほんとの馬が出るの?などと思ってたくらい、何も知らなかったのです。
気になりながらも(ツイッターなどの感想)手を出さずにいたところ、ご覧になった方が近くにいたこともわかり……行くか!でした。躊躇したのは値段の高さもある。実際に見てみれば、これだけのキャストを招聘するのだからと納得するのではあるけれど。
ゆえに、安いB席から。B席って3階の後ろ2列だと思う(私は文化村のサイトから購入)。なぜなら、3階の2〜4列は全くの空席だったから! うむむ。得チケの類は出てないのよね。値段を下げればもっと入ると思うのに。1階は、見える範囲では埋まってたから大丈夫なのかな……満足度が大きいから、もっと見てほしいな、と。そして、近くからみればさらに迫力だっただろう、とも。

英語上演なので、舞台の左右に字幕が。最初のうち、字幕にうまく目の焦点が合わず、雰囲気で見てました(舞台から字幕への移動の際に焦点が合わない)。双眼鏡は持ってたけど、そうすると文字を読んでる間、肝心の舞台が見えないので、早々に諦めた。あぁ、ちゃんと英語がわかったなら!  ま、見ているうちにだんだん目も慣れてきたからよかった。目が慣れるというと、馬(=3人遣い、っていうんだよね、やはり)も、最初のうち遣ってる人の方に意識がいったりしてた。でも、気がついたら、生きてる馬として見てたんだな〜。実際に人が乗ったりする大きさなので迫力ある。うん、やっぱり近くで見たかったかも。

ストーリーは、映画の紹介の時、大まかには知ってたけど、実際に見てみると入ってくるものが違う。時は第一次世界大戦。そう、戦争に戦車や機関銃などの近代兵器が登場した、と大昔に習った記憶が蘇る。文字でいえばさらっと1行かもしれないけれど、その陰にはそんな近代戦の犠牲になった軍馬がいっぱいいたのである。

  2幕構成の第1幕は、少年アルバートが住むイギリスでの、彼と愛馬ジョーイとの出会いから。そもそも無理に買ったのは父で、その後も馬の運命の重要な局面で父親がからんでくる。馬を賭けの対象にしたり軍に売ってしまったり。軍馬となってフランスに行ったジョーイを追って、アルバートは年齢を偽って入隊する。
  第2幕は前線での戦いの場面が多い。ドイツの捕虜となり殺されるビリー(アルバートのいとこ。祖父・父から受け継いだナイフをかざして銃で撃たれる)と、ドイツ軍のものとなる優秀な馬たち。ジョーイだけでなく、もう1頭のトップソーンの存在も大きい。
馬との交流の視点で、ドイツ軍の将校フリードリヒの生き方も描かれる。あるいは、アルバートと親しくなる青年や、戦地フランスの子ども、前線にいる兵隊を通して、戦争の虚しさ悲しさが伝わってくる。
そいう心情的な部分と、一方で、機関銃のほか、戦車、毒ガス(アルバートが浴びたのは催涙ガスだけれど)などの近代兵器も出てくるから、それから100年たった現在のことも思わずにはいられない。もはや人と向き合わずにボタン一つで「済む」んだよね。
  その旧・旧時代の戦力としての馬。ジョーイとトップソーンは良きライバルで、鉄条網を乗り越えられたのはこの2頭だけ。だけど前線ではなく負傷兵運搬などで使われてるうちに弱っていく。馬って安楽死させられるんだよね。倒れたトップソーンから、遣っていた3人が静かに去って行くいく時、命がなくなった存在を強く意識した。また、ジョーイも前は飛び越えた鉄条網に引っかかる。その間の苦難を思う。このあたりから涙が……。

今日は長崎原爆忌。こんな8月に上演されているのも意味あることだと思う。

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演劇」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。

お暑うございます。
まさかこのトピックにからつぎが?

実はこの舞台のプロデューサーの方がお知り合いの方のお嬢さんでして。。舞台をご覧になったばかりの方からそのお話を伺ったばかりということもあり、のこのこと出てまいりました。

あの馬はなんでも文楽を参考にしたそうです。

そして今日も桃とマスカットで幸せ~♪のからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2014.08.09 17:30

私が観た日は日曜日でしたが、一階の通路より前は埋まっていましたが、後方の客席はガラガラでした
せっかく良い作品なのに、空席多数のままにしておくのは勿体ないですね。
パペットの馬は本当に生命が宿っているかのようでしたね。
一幕目は字幕と舞台の行ったり来たりに慣れなくてうまく集中できなかったのですが、二幕目はグッと引き込まれました。
価格設定だけでなく、字幕上演というのも敬遠されてしまう要素なのかも

投稿: 尚花 | 2014.08.09 20:58

からつぎさま
確かに、思わぬ所からボールが飛んできた、という感じです
プロデューサーの方はお若いのかしら。
ほんとにいい作品だと思うけど、集客には苦労されてるのでは。
馬は3人遣いという以外に、文楽との共通点はあまりわからなかったんですが、迫力の点でも近くでもっとよく見ればよかったかな。

桃&マスカット 羨ましい。昨日、ミッドタウンに行ったらB1に果物屋さんができてて、清水白桃1個2100円でした

投稿: きびだんご | 2014.08.09 22:12

尚花さま
おかげで見ることができました。ありがとう。
やはり1階もそんな感じだったんですね。上からだと前方席しか見えないから入ってるようにも
ほんと2幕はあっという間に感じました。私も1幕、話の把握と、字幕と……いろんなものに戸惑っちゃって、慣れるまで時間がかかりました。
馬もよかったし、シンプルな歌声も沁みて、舞台から「強いエネルギーを、優しく」受け取ったような気がしています。
文楽なら字幕は馴染みやすいのにね。

投稿: きびだんご | 2014.08.09 22:34

きびだんご様お勧めのこの舞台、残念ながらやはり見ることができそうにありません。
これって、映画があったよねえと私も思っていたらやっぱりあったんですね(予告を見た記憶があります)。私も映画、ちょっと気になっていたんですけれど、結局映画も舞台も見ずじまい。
それで、きびだんご様のレポを拝読して想像の翼を広げております。

投稿: SwingingFujisan | 2014.08.12 00:17

SwingingFujisanさま
たまたま今日の朝日新聞朝刊、社会面下に広告が出ていました。
私ももっと近くで見たい、などとも思いますが、それは無理というもの……でも、だんだん命あるものに見えてくる舞台上の馬や、戦争を別の視点から見ることなど、ほんと記憶に残るものでした。
TBS主催なんだから、映像をいずれ見せてくれないかしら。映画も、どこかで機会があれば!

投稿: きびだんご | 2014.08.12 17:49

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