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2014.09.16

新作・文楽を見る

9月10日(水) 「文楽九月公演」第三部 19:00〜 於・国立劇場 小劇場

「不破留寿之太夫(ふぁるすのたいふ)」
鶴澤清治=監修・作曲 河合祥一郎=脚本 石井みつる=装置・美術 尾上菊之丞=所作指導 藤舎呂英=作調
英大夫・呂勢大夫・咲甫大夫・靖大夫/清治・藤蔵・清志郎・清公 /勘十郎(不破留寿之太夫)、和生(春若)ほか

シェイクスピア「ヘンリー4世」「ウィンザーの陽気な女房たち」を翻案した新作文楽。事前に、PR活動などでずぶん力が入っていた印象。前の「テンペスト」翻案に比してね(外題を失念してるし)。それって、この間の、文楽を取り巻く状況の変化と関係あるのかしらん。

それはともかく。勘十郎さんの遣う、でぶっちょのシェイクスピア劇の人気者、フォルスタッフ→不破留寿之太夫の写真だけは、事前によく見ていた。
「テンペスト」は、結局のところ、三味線が頑張ってました!という記憶が一番残っている。頑張っていた、というのか、5丁くらいで、じゃかじゃかやってた、という記憶(いびつに合成されてるかも)。なので、今回もちょっとそういう危惧はあったの。

幕開きから、舞台美術(大きな木、満開の桜)と異国っぽい音楽で……意外なことに「十二夜」が蘇ってきた。なんかねー、舞台の下手にチェンバロがいたんだよ、ってくらい。イカンイカン(笑)。

そしてもう一つ。わりと最近見た蜷川シェイクスピア「ヘンリー4世」の、吉田鋼太郎フォルスタッフと、松坂桃李ハル王子も蘇っちゃうよ。てなわけで、小劇場に身を置きながら、どうも違うことを考えたりしてたね。吉田ー松坂版でも、居酒屋でのドタバタシーンは記憶に残ってるけど、文楽ではほぼその場面を抽出したような作り。
だから、ほんとは二人がじゃれあって遊んでいたようなところもあるのに、春若(なかなかいいネーミング)が、妙に分別くさいというか……まあ、やがてはちゃんとした王さまになるとしても、ね。

不破留寿をはじめ、恋をしかける二人の女房たちのキラキラ衣裳とかに目が行ったり、音楽に気を取られたりしつつ、楽しく見たんだけど、そういえば太夫さんがわりと頭から飛んでるな、と気がつく。
まあね、 実際問題として状況説明的になってしまうから、心には残らないんだろうな。
いろいろ演出も面白く(人形が客席通路を歩いて退場するなんて)、これはこれで、アリとは思う。でも、なかなか難しいもんだなぁ、とも。

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歌舞伎・文楽」カテゴリの記事

コメント

今日見て来ました。後ろの2等席にいたのに、人形が歩いてきたせいで、近くからよく見られてラッキーでした。
私は、テンペストよりこっちの方が気に入りました。主人公が好みだったのかもしれませんが、セットや衣装もあっちより好きだったような気がします。

投稿: 猫並 | 2014.09.17 22:57

猫並さま
私も下手寄りだったのでラッキーでした。いつもなら(呂勢さんだから)床寄りを取ってたかも、ですが、ちょっと引いた位置から全体を見ようかな、と思ったので。
テンペストよりは、いろんな面でよかったとは思うのですよ でも、なんだかね、太夫さんが報われないなー、なんて。

投稿: きびだんご | 2014.09.18 00:35

今回は残念ながら観に行けませんが、7月にあった座談会には参加しました。
セットと衣装は有名な方なんですよね。
つい重ね着させてしまって、素材もこだわるから重くなってしまうような事を言ってました。
勘十郎さんが、これはギリギリで、これ以上重くなると遣うのが辛くなると。
期待度はかなり高かったものの、観に行けなくて残念です。

投稿: ホタル | 2014.09.19 08:07

ホタルさま
7月は行けなかったんですよ。残念。13日には河合先生の講座が朝カルであって、当初は行こうかと思ってたものの、まっいいか(有料だし)でした。
今回は舞台装置がとても印象的。不破留寿が英大夫さんで、ご本人を彷彿とさせるところが、とかなんとか読んだような。なんやねん(笑)。
また上演してくれるといいですね。今度は大阪で

投稿: きびだんご | 2014.09.19 11:13

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