« 2014年9月:5年と10年 | トップページ | ライン川下りのお土産 »

2014.09.04

観劇はエネルギー源!

9月3日(水)「HISTORY BOYS」 19:00〜 於・世田谷パブリックシアター

作/アラン・ベネット 翻訳/常田景子 演出/小川絵梨子 出演/中村倫也、松坂桃李、太賀、鷲尾真知子、安原義人、浅野和之ほか

チケットを取った時は、松坂桃李くんに惹かれて、だったはず。ずいぶん前のことなんだけれども。
軽い時差ボケがずっと続いてる感じで、毎日眠いんだけど、ヨイショっと出かけて行った。……そしてすっかり元気になって帰ってきたよ。やはり、こうでなくては(調子が出て、チケット取りをしちゃったよ)

お芝居の舞台は、1980年代のイギリス。とある高校の、オックスブリッジを目指す優秀なクラスの男子8人と、指導する教師たちの物語。プロローグとして、車椅子に乗ったアーウィン(中村)が登場する。これ、後の展開からすると、とても秀逸な導入だった。次に彼が出てくるのは、この高校の臨時教師としてで、この時の彼は健常者である。

高校生たちは、信仰に強く惹かれる子、ユダヤ系の内気な子、スポーツ派などなど、様々。中では、デイキン(松坂)が、ルックスよし、要領よしの明るいモテモテ君で、彼を中心に回っていく。
そう、デイキンのような子はいるよね、と思いながらも、そういう出来た子が苦手なもので、つい彼への点数が辛くなっちゃう私である。

そして、教師も個性的。バイクで登場する定年間近のヘクターは、一般教養を教える。しかも詩歌を暗唱するなど、とてもユニークで、要は点数主義じゃない。慕われてもいるけれど、生徒をバイクの後ろに乗せてはイタズラをしているよう……。
校長(安原)というのは、一人でも多くの生徒を有名校に入れたいわけで、ヘクターの指導に飽き足らず、臨時教師のアーウィンを雇う。いかにも怜悧な印象。そして彼は、受験で勝つためのテクニックを教え込もうとする。

と、こう書けば単純みたいだけれども、ヘクター先生の授業の中では、ハウスマンだのラーキンだのというイギリスの詩人や、ヴィトゲンシュタインなどなどが出てくるし、お遊びで映画のシーンを演じてはその映画名を答える「賭け」があったり。
また口述試験の練習の時に、ホロコーストをどう答えるか。ここでもアーウィンはテクニックだから、ユダヤ系のポズナーを傷つけ、彼の親から抗議されたりする。そして、女性教師リントット(鷲尾)の存在はまたジェンダーの問題をも提起する。

イギリスの話ではあるけれども、受験というものを通して、ちょっと自分の高校時代がよみがえったりもした。

その後、ヘクター先生のイタズラを校長が知るところとなり……紆余曲折があって……みんな受験をクリアして、アーウィンが車椅子となる事故が起きる。そして、今の彼らは、という紹介で舞台は終わる。デイキンはやっぱり、うまくやってるよ、とか。軍隊に入って誤射により28で死んだ子もいたり、優秀だったのに大学に入ったことで目標を失ってしまったり。

演出の小川さんは注目の若手だけれど、さすが。ほとんど椅子だけが小道具の(あと隅に置いてあるピアノ)シンプルさ。床に敷いた大きな紙を、生徒たちはびりびり破いてメモや答案に使う。そしてその紙が最後にはあっと驚く、ヘクター先生の柩となって生徒が掲げて奥に入る。やられましたわ!
それと、生徒の一人が弾くピアノでポズナーが歌ったり、アカペラとか、歌の使い方も秀逸だったと思う。

浅野さんは、ほんと自由自在だし、ベテラン3人は安定の存在感。そして中村くん! いや〜、若い教師の情熱とか悩み、秘密……デリケートな佇まいがとてもよかった。要・注目。
*いつもながら、高校生役の人たちの数人が、顔を識別できない。病気だな、こりゃ。

|

« 2014年9月:5年と10年 | トップページ | ライン川下りのお土産 »

演劇」カテゴリの記事

コメント

きびだんごさま
「ヒストリーボーイズ」とても見応え・・というか
「聴き応え」かな?ありました。
中村倫也くん目当てだったのですが、
松坂桃李くんはじめ他の若い役者さんも皆
よかったですね。
もちろん浅野さんたちベテラン勢も。
ちなみに、私も数人を除いて顔をあまり識別
できなくて、髪型で見分けていたという(笑)。

あの床に敷いた紙が柩になる演出は私も
おおっと思いました。
鎮魂の雰囲気もすごくよく出ていましたよね。

詩の分野には特に弱くて、引用や台詞が時折
難解に聞こえたのですが、こちらで拝見して、
あぁ、あれはハウスマンだったのかと今さら
気づいたり。
ありがとうございました。

投稿: スキップ | 2014.09.25 10:36

スキップさま
そっか、中村倫也くん目当てでいらしたんですね。お目が高い
彼は蜷川シェイクスピアでの記憶は鮮やかでしたが、あれはまぁ特別な役だし……という感じだったんですよね。私もこれからもっと注目します。
桃李くんはやはりハル王子で、今月の文楽・不破留寿太夫でも思い出したり、いろいろつながってるなー、などと。

あの、紙の使い方はほんと鮮やかでしたね。呆気にとられるくらいに。
詩に関しては、私もさらにわかってないんですが、気になって帰りにパンフレットを買ったら、ちゃんと書いてあったのでした。
浅野さんも見るたびに、すごい!と思ってしまいます。

投稿: きびだんご | 2014.09.25 23:16

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 2014年9月:5年と10年 | トップページ | ライン川下りのお土産 »