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2015.01.14

菊之助トークを90分

1月14日(水) 「尾上菊之助×長谷部浩トークショー 『歌舞伎、美の根源』」 19:00〜 於・紀伊國屋ホール

(第257回 新宿セミナー@Kinokuniya 「菊之助の礼儀」刊行記念)

私の席はA列2番、すなわち最前列の一番下手でした。で、菊之助は舞台の上手側に座り、こちらに向いてるから、端とはいえわりとよく見えてましたよ 本日、濃紺の着物と羽織で。音羽会の関野さんも、入り口付近にいらしたけど、でも会ではチケットを扱ってくれなかったのよね。

初めから終わりまで、菊ちゃんはほんとに真面目に、長谷部さんの質問に答えてました。あ、最初にあいさつをしてる最中、客席に千之助くんを見つけて、「千之助くん」と。
私らしくもなく、少しメモをとりつつ聞いたことでもあり、忘れないうちに。(ま、この本に書いてあることも多かったけど、本人の言葉で聞く、ということで)

二人の後ろのスクリーンに、話に沿って画像が出る(長谷部氏が手元のPCで操作)。まぁ、それほどのでもないけど。というか、まず写真付きの家系図が出されて、菊ちゃん「古いっ。顔、いじったみたいじゃないですか」だって。

以下、話の順に少しだけ。
家の芸というものを意識し始めたのは、菊之助襲名の頃から。小さい頃は、オモチャを買ってもらえるとか、そういうことで(←役者さん皆さんそうおっしゃいますよね)。

「型と気持ち」の部分。玉三郎からはいつも言われていると。その例として、妹背山のお三輪が求女を探しに行くところのことを。動きはできてても「ほんとに探してる?」と。
舞踊、たとえば「鏡獅子」では、弥生は衣裳を替えるわけではないが、それぞれの場面で、違う色を描くように踊っている。

「役づくり」まず台本をもらい(←会社から台本がくるのが遅いんですよ!)、資料本や映像を当たる。そのあと、先輩のところに教わりに行き(1〜3回)、舞台稽古は3回。こんな風に舞台を作っていくのは他にはない、という話。プロンプのこととか、初日の完成度に話が及ぶ。しかし、(長谷部氏から)能や日本舞踊の舞台は1回限りだけど、歌舞伎は25日。あの能の緊迫度でとても25日間はできない、という発言も。
菊五郎が台詞を覚えるのに関しては厳しいから、台詞が入ってないということはないですよね、という問いかけには、「松緑のおじさんから、そうだったみたいですよ」と。十二夜の時、舞台稽古の段階で、菊五郎はきちんと台詞を入れてきたとのこと。

「これからは立役が主に?」別に肯定も否定もしなかったけど、ちょっとしたエピソードが。演舞場で「盟三五大切」の三五郎を演じた時、最初は小万の役が来ていた。しかし、コクーンで小万をすることで話ができていて(←出たかったんですよ)、時期も接近しているから、まずいだろうと。で、三五郎をやってもいいということで。でも、三五郎をやることを菊五郎は反対していた。1回目の稽古を見に来て、黙って帰った。その時は「小万の気持ち」で三五郎をやっていた。だからまずかった。
先月「岡崎」で米吉くんと一緒にやったけれど、ああいう「その年だからできる女形、処女性」のようなものはねぇ……。(でも、片はずしの大役とか、ありますよ!の声には、すぐさま九段目と定高を出してた)

玉三郎との二人道成寺は、いままで5回やっているが、1回目はほんとに大変だった。玉三郎が、花子・桜子、二人で一つという世界を作ったので。
娘道成寺は、出の道行が一番難しい。鞨鼓で一度踊りきって、そこからまた新しく巻き直している。

「 團十郎、勘三郎の思い出」團十郎の「柔らかく受けとめ、ドーンと返してくる」そのやわらかさと大きさ。また、勘三郎の企画力と実行力を即座に。本にもあったと思うけど、幻となった勘三郎の企画(曽根崎心中を、野田脚本、デビッド・ルボーの演出で)は、ご存命だったら去年の秋くらいに実現していたのか。
しかし、歌舞伎において新作は絶対に必要だから、ぜひ40歳までには何か、と。

そうそう、「NINAGAWA十二夜」を歌舞伎座でやると決まった時、当初は、昼夜の片方は見取りで、のつもりだったけど、永山会長が「昼夜で」と言ってくれたんだって。

長男の初お目見え、初舞台の話を長谷部氏が振って、「今は初お目見えもずいぶん早くなってますから、(自分のところも)それでいいかな」と。来年くらいでしょうか。そりゃあ、菊五郎も吉右衛門も出るといいますよね(←長谷部氏)。

あっという間の90分で、びっくりするくらいでした。最後、下手に引っ込む時、袖の近くで挨拶されて、おお!視線いただきました(←誤解としても)という、宝塚状態だったことを告白しますわ。

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コメント

レポ、ありがとうございます!

行けば良かったな~なんて
興味深いお話がいろいろ聞けて充実の90分でしたね。
初お目見得のこと、来年かもしれないなんて楽しみ

千之助くんって菊ちゃんのファンなのかしら。
浅草でのチャリティーの時も来ていたし。
共演したことありましたっけ?

投稿: 尚花 | 2015.01.16 23:27

尚花さま
今回の本は、音羽会からサイン入りのをくれる、なんてのもなかったですねぇ。ま、前のは新書だったけど、こちらは普通の単行本というのもあるかしら。トークの会場ではもちろん売っていて、どうやら菊ちゃんサイン入りのもあったとか(私は全く無視してたのでよくわからない)。

「徹子の部屋」などでの受け答えそのままと言いますか、ほんとに真面目に考えて答える菊ちゃん ま、そんなキャラ、なんですね。
初お目見えは、今年か来年か、な感じです。菊ちゃん初舞台は村上元三がそのために書いた「牛若丸」だったけど、和史くんもそういう、新しく書いてもらう、というのもあり得るんだそうです。

千之助くんには、ビックリですよね。途中でもう一度、長谷部さんから話を振られたりもしてました。

投稿: きびだんご | 2015.01.17 16:43

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