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2015.04.10

三浦大輔ワールド、全開

4月8日(水)「禁断の裸体」 19:00〜 於・シアターコクーン

作/ネルソン・ロドリゲス 上演台本・演出/三浦大輔 翻訳・ドラマターグ/広田敦郎 出演/内野聖陽、寺島しのぶ、池内博之、野村周平、木野花、池谷のぶえほか

わ〜、しのぶちゃんの舞台で、共演は内野さん うほほと思ったのもつかの間、三浦大輔さんの演出なのね。三浦さんは、ポツドールのお芝居の他にも、映画「愛の渦」の過激さでも話題になったかしら。私も過去に、三鷹市芸術文化センター、本多劇場、パルコ劇場あたりで見てはいるのだけれども、常に居心地の悪さを感じてしまうので、最近は遠ざかり気味。
でもまあ、怖いもの見たさ的な感じもあって、コクーンシートから見てきた。左側7番の席は文化村チケットサイトで選んだ。通路際だから、ほぼ前を向いて見られるのよ。舞台下手は見切れる部分があるけどね。オペラグラスも持たず、ぼわ〜っと見てました。あのシーン、このシーン、ガン見はつらいからちょうどよかった。

セットは高さを生かしてあって、最初から十字架イメージが象徴的。そして音楽も開演待ちの間からブラジル音楽が流れていて、それがグワッと盛り上がったところで開演。そう、舞台はブラジル。妻を病気で亡くしたエルクラーノ(内野)と息子、弟、おばたち、そして娼婦のジェニー(寺島)の物語。

たぶん「厳格な(狭量な)カトリック」というのが通奏低音のように流れていて、それをエルクラーノの、独身のまま年老いた3人のおばさんが表してる。だから、弟のパトリーシオ(池内)も、聖なる母親を亡くしたセルジーニョ(野村)も、その抑圧から、別々の方向に歪んでいるよう。
おばさんたちは、ほんとに口やかましくて、病的に性を忌避してるみたいなんだけど、常にセットで登場するから、「3人の魔女!」と思っちゃったよ。バスタブの周りに棒を持って立ってる場面などは特に(これはやっぱり狙ってるんだよね)。彼女たちにとっては、娼婦もゲイも、唾棄すべきものに他ならない。

それぞれの破綻、破壊的な行動、思考の中で、でもちょっとエルクラーノがとらえどころがないんだな、私には。
あと、妙にキーワードな乳癌も。(たまたま仕事でその日読んでた短編小説が、長い付き合いの友人同士が時を前後して乳癌にかかった、という話だったので、へんな符合でもあった)

……で、のちのち思い出すとしたら、セットの巧みさとか音楽とか、脱ぎっぷり、とかかしらね。まぁ、あえてしのぶちゃんがやらんでも、とも思うし。やはり下北沢あたりで見るくらいがいい感じ。
三浦大輔だなーと思うのは、執拗なほどの行為描写よりも、「(あえぎ)声」かな。これが、いたたまれないような、笑いたくなるような、そんな感じなので。

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コメント

音羽会でとってもらった私は、前半分の真ん中の真ん中のあたりで見たのですが、役者の立つ位置にしろセットの構造にしろ最前列は何かとキツそうだと感じました。なんとなく、近いと嫌だなって。
前半の最後に木野花が絶叫するセリフが特に、カトリックじゃないとわかりきれないニュアンスなのかなーって思ったりも。
ホント、あのオバサンたちはセットだとマクベスの魔女みたいで!

投稿: 猫並 | 2015.04.10 11:24

猫並さま
さすがに音羽屋席はセンターですかご贔屓のおばあさまとか、間違って見にいらしたら、キャーだったりして ま、最前列だと無難な場面は見上げる位置で首が痛くなりそうだし、間近では目を伏せたくなるかもだし。
私はほんとにキリスト教のことなどなんにもわからなくて、わからないがゆえに「これにはどんな意味が」とか、いろいろ疑っちゃう、みたいなところも。
魔女3人、組み合わせもよかった

投稿: きびだんご | 2015.04.10 23:11

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