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2015.09.10

見応えあった!二人芝居

9月8日(火)  「RED」  19:00〜   於・新国立劇場 小劇場

(シス・カンパニー公演)
作/ジョン・ローガン   翻訳・演出/小川絵梨子  美術/松井るみ   出演/田中哲司(マーク・ロスコ)、小栗旬(ケン)

   二人芝居の情報はわりと早くから出ていたんだけど、そのわりに、どういう内容なのか全く知らず、調べもせず、ここまで来てしまった。かろうじてアート方面なんだな、とわかっていたくらい。
……で、この「RED」2009年ロンドン初演で、その後ブロードウェイにて上演、トニー賞6部門受賞なんだそうです。それはまぁ、付帯情報で、そんな知識は何もなく見て、いや〜、まんぞくまんぞく。やっぱり田中哲司、小栗旬、二人とも素晴らしい。

  20世紀半ばのアメリカを代表する画家、マーク・ロスコの代表作の一つ(シーグラム壁画)をめぐる創作の過程が、彼の助手に採用されたケンとのやりとりを通して描かれる。
ポロックやウォーホルの名が出てくるように、ちょうど時代はポップアートへ。(いや、ここでそういうポピュラーな名前が出てきて助かりました)

  ロスコは登場した時から、大家、なんである。今回、田中哲司さんが髪を短く刈っているのは(びっくりした〜)、実年齢以上の役なのでその感じを出すため、とか(友人情報)。確かに、助手であるケンとの外見の「差」も重要と思う。
ケンは、憧れの有名画家の助手に雇ってもらえるかも、というところから登場。若いだけの、何も知らない、でも画家を尊敬している、そんな生き生きした部分が全身にみなぎっている。
それから2年あまりの折々。常にロスコは先生であり質問をし、ケンはそれに満足に答えられない。そんな中で、ケンの特異な少年時代の体験が、色彩の記憶とともに語られたりもする。

  ロスコの側も、純粋な芸術性と対価の間での葛藤が大きく、最初あんなに子犬のようだったケンからの批判も浴びることになる。いや、それでもねじ伏せるんではあるが。
  師弟(教えてはくれなくて雑用ばっかであっても)だったんだけど、最後はなんだか、息子が父親という大きな壁を乗り越えていく情景にも思えた。

  ところで、ほんとにほんとに二人芝居で(笑)、場面転換で大きなキャンバスを動かしたりするのも、レコード(モーツァルト)をかけるのも彼ら=ようするに単にBGMじゃなくて、意図して劇中のその場面に音を存在させる、ということね。働いてました。
あと、大きなキャンバスを、実際に赤で塗りつぶす、その動きがスリリング。これと、ヌードルを食べながらがんがん喋る(当然モゴモゴ言う)、このあたりが、100分とはいえかなり緊張を強いられる舞台のいいアクセントにもなっていたかな。

  もう1回見たいなー。(前日の)当日券申込み電話にチャレンジしようかしらん。と、うかうか思ってしまう。現実にはなかなかいい日がないんだけども。

そして、このロスコの絵(彼はここで描かれていた時から10年後に自殺)は、なんと千葉は佐倉のDIC川村記念美術館で見られるんだってね。ふーむ。覚えておこう。

*田中哲司の次の二人芝居「オレアナ」は、しかーし、なんだかチケットを買えないでいるの。なんか辛そうなんだもん。どうかな。

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コメント

二人芝居なのに結構なロングランですよね、これ。私は先月みたので、ずいぶん前の印象なのですが、日に日に変化するのかもしれないなーと感じました。だから後のほうでもう一度見られたら…というのが理想なんですけれども、そういうわけにもいかず…とりあえず今の感想がうかがえてよかった!

投稿: 猫並 | 2015.09.12 01:07

猫並さま
このところ、たいていの芝居は猫並さんが先にご覧になってる印象です。國語元年なんて、私は最近チケットを買いましたもの(後半日程はもう安く出ないかなと、こまつ座で買ったら、お知らせが来たのよねー。まぁ自分で席を選べたからヨシとします)。
ほんとかなり長くやってますね。あのハコだし、みっちり凝縮された贅沢な100分でした。同じ絵つながりでいうと「ART」はやっぱりサンシャインじゃなくて、これくらいの劇場で見たかったです。

投稿: きびだんご | 2015.09.12 11:30

きびだんごさま
アート方面にはとんと疎い私ですが、この舞台は
とてもおもしろく観ました。
きびだんごさまのご感想を読ませていただいて、
そうそう、2人がキャンバス運んでたなぁ、とか
レコードわざわざかけ替えに行ってたなぁ、とか
いろいろ思い出して、また観たくなってコマル(笑)。
BSプレミアムステージあたりでやってくれないかしら。

タナテツ好きとしては「オレアナ」も観に行くつもりです。
確かに辛そうではある(不安)。

投稿: スキップ | 2015.09.28 09:17

スキップさま
いや〜、ほんとに見ごたえありましたね!と、また思い出しています。感想を書いた時には、小栗旬くんだったのに、日が経つにつれて田中哲司さんの存在感が、記憶の中で増幅してます。ふしぎ。
今日はランチしながら友人と「DIC川村に行きたいよねぇ」なんて話になりました。
スキップさまが東京で一緒にご覧になったマクベス、私はやっと金曜日に見ます。そして……オレアナ

投稿: きびだんご | 2015.09.28 21:54

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