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2015.12.05

和泉流狂言を見る

12月4日(金) 「野村狂言座」 18:30〜 於・宝生能楽堂

解説(萬斎)
「八幡前」三宅近成(聟)、右近(舅)、高澤祐介(太郎冠者)、右矩(教え手)
「川上」万作(盲目の夫)、萬斎(妻)……休憩……
「米市」石田幸雄(太郎)、深田博治(有徳人)、高野和憲ほか(通行人)

年4回の野村狂言座も今年はこれでおしまい。中正面席の年間チケットだと1回あたり3500円だから割安なのです。でも、送られてきたチケットに来年の申込(振込)用紙が入ってたのに放置してたので、来年分はキャンセル扱いよ。ま、1回券もきっと取れると思うし。

萬斎さんの解説はいつものように立て板に水、どころか、本人曰く「立て板に滝」だそうです。ま、時に早口すぎるか、というくらいよどみなく的確に見どころを。
途中、「川上」の解説で、10年前には目は見えてたのに失明してしまった、ということに絡めて、演者がどういう年齢かで、また違って感じられるという話、そして「私も来年は50歳」と。ほぉぉ、いつの間に、ですよね(と言いつつ、私より10歳下、というのは知ってたのさ)。

「八幡前」(やわたのまえ)は、三宅右近一門で。どなただったか、松也とか七之助の学校友達でテレビに出てたよね。
数多くある聟取りものの一つだけど、これは聟候補に名乗りをあげる、というもの。聟取りものはだいたいパターンが決まってるから、酉年には鶏聟、とか、どうしても片寄るんだって。
場所は石清水八幡宮の近く(なので八幡前)。「美人の娘」(とほんとに言う)の聟として一芸に秀でた者を募集!と高札を立てる、ってところからして変だわよね。

「川上」は、万作さんの得意曲と言っていいのでしょうね。海外で演じることもあるそう。前は妻を石田さんが演じることが多かったかも。見る前は、「川上」かぁ、ちょっと気が重い、なんて思ってたけど、実際にはそんなことなかった。能楽堂だからこそ、最初に橋掛かりを出てくる夫の杖の音を長くはっきり聞くことになる。そして最後は、妻に手を取られて二人でこの長い橋掛かりを帰っていく。よくできてるなぁと思う。
これを見た帰り、黄色電車で新宿まで行ってホームから下り階段を目指してたら、少し先を行く杖の音が。人は確認できなかったけど、やけに明瞭に聞こえたには、余韻のうちかもしれない。

「米市」(よねいち)はまったく初めて。年の暮らしい曲。毎年、年末には有徳人から米をもらってる太郎が、今年は忘れられちゃってもらいに行く。けっこう図々しいので、妻への小袖ももらって、背負った俵にその小袖をかけて人を背負ってるかのような姿になる。有徳人から「俵藤太の娘 米市御寮人の里帰り」と答えるように言われ……そこへ若者の不良グループが現れる。いま、万作家にはほんと若い人が多いから、出演者には苦労しないわね。妙にお調子者な太郎がまた石田さんにぴったり。長い棒をバトンのように扱って、不良グループをエイヤッとやるんですわ。
その時、俵を下に降ろして小袖を掛けてるんだけど、ほんとに女性が座って下を向いてる風情なのに驚いちゃった。
狂言ばっかりもねぇ、と思うこともあるけど、気楽に気分スッキリ。そして、万作家主催の会は、意外と(?)見所がしっかりしててストレスがないのも大きい。

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