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2016.03.14

2回目の「逆鱗」(;_;)

3月12日(土) 「逆鱗」 14:00〜 於・東京芸術劇場プレイハウス

作・演出/野田秀樹 美術/堀尾幸男 照明/服部基 衣裳/ひびのこづえ 出演/松たか子(NINGYO)、瑛太(モガリ・サマヨウ)、井上真央(鵜飼ザコ)、阿部サダヲ(サキモリ・オモウ)、池田成志(鵜飼綱元)、満島真之介(イルカ・モノノウ)、銀粉蝶(鰯ババア〔逆八百比丘尼〕)、野田秀樹(柿本魚麻呂)ほか

前日、夜10時くらいまでいた東京芸術劇場で、翌日は2時開演なんであるよ。
2月3日に見て以来、2回目の「逆鱗」。今度は一人で観劇。前回は、健康を回復して行動も活発になった友人と並んで見ていて、たとえば「人魚の世界では、必ず親より子供の方が先に死ぬ」という台詞に、自分が過剰に反応してしまってた。今回はストーリーもわかった上で、しかも一人、ということあって、そんな台詞の一つ一つを、しっかり受け止めた気がする。

そう、ストーリーの終わりを知って見るとき、アハハと笑ってたあれこれが向かっていく先を思うと、それだけで胸が痛むというもの。たとえば、電報を受け取るのに上のハンコがいる、とか、人魚の作り方の図、とか。
だけど、もちろん舞台の上では、単純にドタバタと進んでいき何の気配もない。まさにパンフレットで池田成志さんが語っている。
「早々と先を読まれないように、お客さんをミスリードさせていくというか、どこかしら隙間を見つけて明るいムードを出していかなきゃならないだろうな」
ええ、その過剰さにまんまとミスリードさせられちゃって、後半の落差に(彼の役どころ自体は変わらないのに)啞然としたのだった。

そんなこんなで、後半はボロボロ泣いちゃって。特に電報を受け取る母(鰯ババアだ)などは単純に「情」の部分で。一方、戦争の末期のある局面を見せつけられ(そうか?そうなのか?的に)別の部分も発動しちゃう感じ。単純じゃないのよ、全く。

海の底を表す舞台装置や衣裳なども美しくて、アンサンブルの方々の動きとともに、目を奪われる。そして作者の野田秀樹ですよ。ここ5年くらいの作品の中では一番好きだな。
(そういえばちょうど5年前は「南へ」を上演してたっけ)
ちょっとした言葉遊びにはアハハと笑ってたけど、NINGYO EAT A GEKIRINN のアナグラムには驚くのみ。参りました。

前半に見た時よりも、瑛太がすごく良くなってた気がする。井上真央も。もちろん、銀粉蝶ほかの役者さんも素晴らしいよ。瑛太の(役の)ナイーブさと満島真之介のそれとの違い、とか、後からじわじわくる。
というわけで、まだぼーっとしているのです。「逆鱗」の戯曲を読もうっと。

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コメント

重い言葉を抱いて沈んでいくあぶくとか、いつにもまして観念的なのに直接感情に響いてくるようなセリフが多かった気がします。
人魚って、どこの文化でも不気味で哀しい存在ですねー

投稿: 猫並 | 2016.03.14 16:46

猫並さま
いや〜、久々に何回見てもいいよ、と思う芝居でした(というか、見過ごしてるものがありすぎると思う)。台詞ひとつひとつがおろそかにできない感じで。でも、理詰めじゃないんですよねー。
人魚と聞いてモヤモヤしてたんですが(笑)、倉橋由美子が何か書いてたかも、と思い当たりました。なるほど、常に哀しい存在!

投稿: きびだんご | 2016.03.14 21:56

きびだんごさま
拙宅へのコメントできびだんごさまがそうおっしゃってくださったように、
私もきびだんごさまのご感想をお読みして、そうそう、そうなのぉ、と
何度も首を縦にぶんぶん振りました。
ここ5年くらいの野田作品の中で一番好き、というのも同じですね。

切なくて苦しくて、今も思い出すと胸がキュッとなる感じがしますが、
少し時間を置いてまた観たい作品です。

投稿: スキップ | 2016.04.13 13:10

スキップさま
ほんとによかったですもんね 私も、今でも思い浮かべると、ちょっと胸が苦しくなります。
お互いに、2回見たんですよね 野田さんのお芝居って、なかなか理解が届かず、できるだけ2回見ようと思ってるんですが、このところ1回でも?と思ったりしてました。なんかわかりやすい感じがして。
でも、これは違ってました。私はぜーんぜん機雷のことなんか思いもせず(それもどうかと思う)、ドカンとやられました。もちろんそれだけじゃなくて、よくこんな風に作り込める、とひたすら感服、でした。彼の頭の中を覗いてみたい。

投稿: きびだんご | 2016.04.13 22:13

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