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2016.03.10

ブロツキーと娘

3月9日(水) 「対岸の永遠」 14:00〜 於・シアター風姿花伝

(てがみ座 第12回公演)
脚本/長田育恵 演出/上村聡史 出演/石村みか(エレナ・ミンツ)、亀田佳明(ユリウス・ミラー)、西田夏奈子(リーザ)、福田温子(オリガ/職員)、みやなおこ(ベロニカ/セダ)、半海一晃(アンドレイ・ミンツ)ほか アフタートーク/長田育恵、上村聡史、大堀久美子(編集者:聞き手)

てがみ座・長田育恵さんの作品を見るのは、去年の「蜜柑とユウウツ」(茨木のり子)、「地を渡る舟」(宮本常一)に続いて3回め。今回はヨシフ・ブロツキーがテーマ。名前は変えてあるけれども。
そして演出が「炎 アンサンディ」などの記憶も鮮烈な上村聡史さんだもの! これ、見られてよかった。初めて行くシアター風姿花伝は、目白駅から徒歩18分。雨の中を歩いたわよ。

チラシにあったリード文は
「レニングラードから
ケープコッドへ、
父の旅」

芝居の舞台は主に1999年のサンクトペテルブルク、運河沿いのアパート。ここへアメリカから一人の男が大きな荷物を持って、訪ねて来る。彼女が小さい時にこの家を去り、アメリカに行ったまま死んだ父親が残した荷物を届けに来たのである。

すでに死んでしまった父アンドレイだけれど、エレナが父を拒絶する言葉を語る時、あるいは出されなかった娘宛の手紙を読む時……彼は姿を現して、様子を見守り、また当時を再現する(時が一気に遡る)。

一方、エレナの家は、一緒に住んだ祖父母もすでになく、何人かでシェアしている。それぞれに事情を抱えていて、そこにソ連崩壊から10年の混乱や行き詰まりが見て取れる。それだけではなくて、アンドレイの時代の国境問題、いまエレナの時代の国境問題(チェチェンなど)も大きく立ち現れる。

といっても、中心にあるのはあくまで娘の視点、心情だから、見ながら、どうして?とか、どうなるのか?と思うわけで……。石村みかが、知的だけれどいろんな意味で先が見えないエレナを好演。見るのは初めてじゃないはずだけど、しっかり認識しましたわ。
半海一晃以外の役者さんはほぼ知らないんだけど(見ているかも、だけど)、力あるなぁと思った。特に女優陣が。

自由席で、到着した時はもう相当うまってたのでやむなく最前列 小さい劇場だから、ほんと近すぎるでしょ、な位置でした。てがみ座初のロングラン公演で、30日までやってるから、行けるものならもう1回見たいくらい。

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コメント

 目白の[シアター風姿花伝]、私も去年の8月に、知人が出演するという芝居を観に行きました。目白駅からかなり歩くんですよね。真夏の暑さに、めげそうになりましたよ。たどりついたら私も開演直前で、自由席で最前列が空いているからいるからと案内されましてしまいました。舞台と客席がこれだけ近いと、ちょっと気恥ずかしい、感じがありますね。

投稿: ケイジ | 2016.03.11 07:53

ケイジさま
わー、真夏にあの道のりはつらいですね。もっと近い駅もあるけど、目白駅が一番便利ですよね。
そして、客席に入った時に一段上がるのと、最前列に隙間があるのと、足元に罠が 観劇の気力の前に、体力・注意力
友人と一緒でしたが、彼女はアンドレイ半海さんから、バッチリ(同意を求める)視線を浴びてました。

投稿: きびだんご | 2016.03.11 09:58

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