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2016.06.20

シンプルで熱い台詞劇を堪能

6月18日(土) 「コペンハーゲン」 18:30〜 於・シアタートラム

作/マイケル・フレイン 翻訳/小田島恒志 上演台本・演出/小川絵梨子 出演/段田安則(ハイゼンベルク) 、宮沢りえ(マルグレーテ) 、浅野和之(ボーア)

前回2007年に、全く違うカンパニーで見て以来の、コペンハーゲン。いかに忘れっぽい私とて、このお芝居の記憶は強烈であった。なんだかワケわかんないけど圧倒された台詞と、主にハイゼンベルク役の今井朋彦ゆえに。

なので、今回のキャストで、段田さん? と思ったのは、前のイメージを引きずりすぎていたから。それはよっくわかっていたのです。で、いざ蓋を開けてみたらば、段田安則、素晴らしいよ。
そうねぇ、頭脳明晰な部分が先に立ってた感のある(あくまで私の記憶の中で)今井さんと、苦悩する科学者の部分を強く感じさせた段田さん、というところかしら。

たった3人の出演者ゆえに……より強く思うことかもしれないけど、今回、3人バランスがとても良かったように思う。もちろん個々の役づくりの上にあるチームワーク的なものね。小さな舞台だから、余計にその濃密な感じを受け取ることができた。
前回だって、新国立劇場の小劇場だから、小さいっちゃ小さいんだけど、シアタートラムはさらに客席と近いでしょう。

宮沢りえも、こんなシンプルな舞台で輝くよねー、と。輝く、って語弊があるか。こまやかで力強い。華やかな舞台もいいけれど、こういう役、すきだなぁ。

浅野さんはもうねぇ……見るたびに驚かされる、その引き出しの豊富さ。この前見たのは、ワンピース歌舞伎でしたかしら? ベッジ・パードンなどでもだけど、そんな「怪演」部分に気を取られちゃ、煙に巻かれるわね。

「コペンハーゲン」の主たる「とき」は1941年。その時、ハイゼンベルクとボーアは何を語ったのか。
…… 起こったかもしれないが実際には起こらなかったこと(その理由)も含めて、過去をきちんと検証することは、ものすごく困難なのだと思う。で、同じことが繰り返されるのなら、学問の意味はどこにあるんだろうねぇ。

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コメント

私はこれ、初めて見たんですが、物理の教科書に出てたボーアの写真とぜーんぜん似てないのに、浅野和之がボーアにしか見えなくなってしまってビックリしました。浅野さんに大感動。
段田安則はもともとセリフが巧い記憶がありましたが、まったく見劣り(聞き劣り?)しない宮沢りえもすごいし。
長い芝居じゃないのに間に休憩が入るのは、あれだけしゃべりっぱなしだと休まないとできないんでしょうね。っていうか、水かなんか飲まないと、口がからからになりそう!

投稿: 猫並 | 2016.06.20 21:01

猫並さま
ほんとすばらしかった! 浅野和之には見るたびに驚かされる、という感じですが、今回もまた。もっと年をとってからの芝居も、ずっと見ていたい、というか、常に新鮮な俳優さんじゃないかと。
段田安則って、うまいんだけど、私の中ではもう一つパンチ不足、みたいなところもあったんです。今回それを払拭。宮沢りえはもちろんだし、うん、やっぱりこの3人でプラスアルファのところがありますね。

たまたま翌日、太宰の朗読に行ったわけですが、西岡徳馬、終わった瞬間に、口がヘロヘロと言ってました(最後にちょっと喋ったとき)。小道具がてら置いてあった徳利のお水をごくっ。

投稿: きびだんご | 2016.06.20 22:57

きびだんごさま

>頭脳明晰な部分が先に立ってた感のある(あくまで私の記憶の中で)今井さんと、苦悩する科学者の部分を強く感じさせた段田さん

さもありなん!さもありなん!と思いました。
今井朋彦さんのハイゼンベルク 観てみたかったです。

とはいえ、見応え、聴き応えありましたね。
物理のことなんて皆目わからないこの私が(笑)、ピクリとも眠くなりませんでしたもの。

宮沢りえさんは浅野さんボーアの奥様には少し若すぎるのでは?と観る前は思っていたのですが、ビジュアルはともかく、全く違和感なくて、おっしゃる通り3人のバランスもとてもよくて。

あー、もう一度観たくなってきました^^;

投稿: スキップ | 2016.06.22 09:11

スキップさま
ほんと私も物理の用語なんて、ほぼ呪文としか思えないのに、わけわからずとも面白く聞けたんですよね。わかってれば、さらに面白かったのかな……無理だ〜 今井さんでも、また見てみたいですが。
そういえば 段田さんとりえちゃんって、元禄港歌にご出演だったんですよね。見ながら、一瞬あの舞台が頭をよぎりもしました。私はこういうにが好き、なーんて思ったりも。

むむ、再見したくなりますね。中毒性がある

投稿: きびだんご | 2016.06.22 23:55

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