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2016.07.14

こわい映画

7月13日(水) 「帰ってきたヒトラー」 於・吉祥寺プラザ (18:30〜の回)

監督/デヴィッド・ヴェンド 2015年/ドイツ/116分

6月17日封切り。早く見に行きたかったけど、上映館がちょっと不便……と思っているうちに、吉祥寺でも上映されることに。駅近の吉祥寺オデヲンが16日からなので、そちらを待とうか……いやいや、行ける時にだな、と初めての吉祥寺プラザまで。今はなきバウスシアターの跡地を横目に進むと、古い映画館がありました。
そして、おほほなシルバー割引 演劇も割り引いてほしいぞ。

ストーリーは2014年のベルリンに、突如ヒトラーが蘇ったところから(公園の中に軍服姿で倒れていて、自ら目覚めるシーンから。本人は1945年だと思ってるから、そのトンチンカンな対応がいちいち笑わせる)。
もちろん、みんな「なりきり」モノマネ芸人と思って対応してる。そのうち、リストラされた若手テレビマンに、見出されて(彼はこれなら視聴率が取れる、復帰できると踏んで)、車でドイツを旅して動画を撮影する。
一方には、このメディアの対応という大きな柱がある。出世競争も込みで「売れてナンボ」の世界。その臆面のなさは、ほんと笑えない。

笑えないといえば、ヒトラーに対する反応も笑えない。この映画の大きな特徴として、街の中のあちこちに出て行って一般の人と喋っているという「ノンフィクション手法」がある。政党本部(国家民主党だったかな)にも出かけてるんだけど、どこまでがノンフィクションでどこから作ってるのか、ちょっと混乱してしまう。人々の反応も、まっとうなこと(教科書で習うような)を言ってる人は少数派に感じられる。
さらに何よりも、いつしかヒトラーの論法がマトモじゃん、と思ってしまう自分にぎょっとする。

結末は、半端なホラーよりはるかに恐ろしい。いやー、ブラックコメディじゃなくてホラーですよ。

もしも日本に、戦争に関する「悪の権化」的存在がいたとして(誰でもわかるビジュアルの)、同じように日本のあちこちで「対話」して歩いたら、やっぱり似たようなことになるだろうか。これに関しては、悲観的なんだけども、幸いなのはそんな圧倒的アイコンを持たない、ということかもね。

原作は河出書房新社刊。Kindleを覗いたらかなり安くなってたので、つい購入してしまった。

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コメント

それぞれの始まりは知らないんですが、ちょうど知られるようになったタイミングが同じだったせいか、夜中の番組でオウム真理教と幸福の科学のそれぞれのトップが討論するようなのを見たことがあるんです。前者が麻原死刑囚で後者は大川隆法氏でしたっけ。まだオウムが総選挙に出る前で。
その時、その番組だけに限った印象では、オウムの思想や主張ってとてもわかりやすく、筋も通ってるように感じられ、共感まではいかなくても興味を覚えるくらいはあったんですよね。
どの時代のどの思想も、天下を取ったものには、それなりに耳目を集める力が備わっていたんだろうなって気がします。
ヒトラーなんて、頼朝と同じで、最初は自分一人から始めたんですもん、よっぽど…と想像してしまいます。それに頼朝はイケメンだったけど、ヒトラーはドイツ人視点でもイケメンではなさそうだし(爆)

投稿: 猫並 | 2016.07.15 23:03

猫並さま
オウムや幸福の科学のこと、気がついたら新聞(広告とかも)でよく見るようになったな、くらいで、今に至るまで何も知ろうとしてません。が、国政選挙に出てたり、学校を作ってたり……。
自分には関係ないと思って、ある意味、面白がっている(あるいは仮託して鬱憤晴らしをしている)うちに、とんでもない方向に進んでいる、というのを実感しました。映画の中だけじゃなくて、Brexitやトランプ現象で目の前に。って外国のことだけじゃないし。

投稿: きびだんご | 2016.07.16 09:13

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