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2016.08.29

頭がシャキッとする舞台

8月28日(日) 「いま、ここにある武器」 14:00〜 於・シアター風姿花伝

(風姿花伝プロデュース vol.3)
原題"LANDSCAPE WITH WEAPON" 脚本:Joe Penhall
翻訳:小川絵梨子 演出:千葉哲也 出演:千葉哲也(ネッド)、中嶋しゅう(ダン)、那須佐代子(ロス)、斉藤直樹(ブルックス)

8月15日からの公演、千穐楽の今日、やっと見に行けた。シアター風姿花伝は2回目だけど、プロデュース作品は初めて。
出演者の顔ぶれを見ただけでも、惹かれるというもの。得てしてそういう勘は外れないんだなー。徹底的に何もない舞台の上。故に色もほぼ排除。2幕構成のうち、前半はネッドの部屋(椅子が一脚)、後半はたぶんオフィスの一室(キャスター付きのワゴン?があって、そこに座ったりする)と、またネッドの部屋。

冒頭、ネッドの部屋に兄のダンが訪ねて来るところから。2人の会話でだんだん状況がわかってくる。ここはイギリスなのね、ってことも。
ネッドは技術者でドローン開発がほぼ成功したらしい。守秘義務があるとかなんとか言いつつ、兄にしゃべっちゃってるよ。その開発でアメリカに出かけてた期間も長く、妻とは別居中。
兄は歯科医だし、要は2人ともそこそこ成功者の部類なのかしらん。そんな2人だけれど、自分の成功をウキウキ語る弟に対して、最初は「知的所有権」を渡しちゃダメだ、などと言ってた兄が「兵器」としての事実に驚き言い合いになる。弟の言い分は「抑止力」だ(誤爆を避けることができるし)。

2人の喧嘩は、子供っぽいといえば子供っぽく、頭からペットボトルの水をかけたりもする。そういう仲の良さもあるだろうし(互いの環境は変わっても)、つい頭だけで考えてしまいがちな観客には気分転換にもなる。
那須佐代子がこの技術開発の元締め会社の営業部長・ロンとして登場。徹底的に会社の理屈から、ネッドに契約のサインを求める。けれども、もはやネッドは当初の彼ではない。自分の開発したものが自分の手を放れ、例えばアメリカが自由に使えるなら、イスラエルに対立している国に対して使えるではないか、と。
ネッドとロンは、徹底的に対立。第2幕の彼女のキレっぷりにはほれぼれするくらい。←実際、さらに重いシーンが少し救われる。やっぱり素敵な女優さんです。

でも、こういう抵抗は結局、負けるしかない。第2幕、諜報部員ブルックスが登場して、ロンと2人でじわじわ責めてくる。この諜報部員が不気味。精神的に追い込むのね、この辺りリアルに感じた。

結局、ネッドは屈するのだけれど、最後っ屁よろしくシステムにバグを仕込んでメチャクチャにしてしまう(これでロンが切れた)。そして逃亡。居所を探るべく今度は兄のダンに向けてブルックスが「尋問」する。……見つけだされても「命」を取られるわけじゃないけどね。

当初は純粋な科学的興味からであり、苦しくても研究の喜びの方が勝る開発であっても(そして完成のさらなる喜びがあっても)、いつ、自分をも破壊する物になるんだろう。「これで金持ちになれる!」と考える人種なら「よかった」のか。誰が幸せになってるの?

客席100ほどの小さな舞台で、ストーリーも役者も満喫。ブルックス役の斉藤直樹もインプットだわ。

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