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2016.10.19

舞台で「映画の話」

10月18日(火) 「フリック」 13:00〜 於・新国立劇場 小劇場

作/アニー・ベイカー 翻訳/平川大作 演出/マキノノゾミ 美術/奥村泰彦 出演/菅原永二(サム)、木村了(エイヴリー)、ソニン(ローズ)、村岡哲至(スカイラー/夢見る男)

年末の「ヘンリー四世」のチケットを早く確保したいがために、3公演セット券で購入したもの。まあ、そんなことをしなくても良かったかな、とは思うものの……。そういえば、新国立版の「るつぼ」は、「リチャード三世」とのセット券で見たんだから、見逃さないきっかけではあるわね。

でも、よくよく様子を見てみれば、どうやら映画の話題がいっぱい出てくるらしくて、そんなのほとんど見てないし!と、ちょっと不安だった。 劇中に登場する映画はおよそ50作くらいらしい(そんなにあったっけ)。でも、知らなくても問題はなかった。エイヴリーが(サムも)とても映画に詳しいんだな、と分かればいいのよ……ま、知ってれば、いろいろ頷けたでしょうけど。

出演者は4人だけど、実質的には菅原、木村、ソニンの3人。古っちい映画館で働いている。この映画館の客席が舞台上に作られていて、我々観客がスクリーンの位置になってる。椅子がこちら向きに10列くらい並べられていて、背後に映写室。ローズは映写係で、サムとエイヴリーはほぼ常に掃除していて、掃除しながらいろいろ語り合っている。

冒頭は新入りのエイヴリーにサムがいろいろ教えるところから。このエイヴリーだけ黒人の設定。髪の毛もクルクルだから、木村了くん、別人のようだったわー。最初、教わりながらモップを使うんだけど、滑らかな動きのサムと、無駄に力が入ってるエイヴリーの対比とか、面白かった。次のシーンでは上手になってた。
基本、掃除がメインなので、暗転のたびにポップコーンが何度も散らばってたな。そういえば、映画館ってどうしてポップコーンが付き物なのかしらね、というのも可笑しかった。先日、滅多に行かないシネコンに行ったら、トレイに大きなポップコーン容器を載せてる人が何人もいて、へー、と思ったところだったので。

作者は1981年生まれのアメリカの劇作家。んでもって、この作品は2年前、ピュリッツァー賞を受賞しているとか。映画がフィルムからデジタルに替わる、時代の流れ。だけどフィルムが最高さ!の気概。
とはいえ、チクッと顔を出す、黒人や障害者、女性への、差別意識や貧困の問題。なるほど、映画オタクの話では決してないわけで……。

主役は木村了のエイヴリー、なのかな。でも、話が進むにつれてサムの存在感が大きくなっていく。ちょっと不思議な感じ。エイヴリーが大学を休学してここで働いている背景には、精神的な葛藤もあって(自殺未遂が語られる)、そういうあたりがいかにもアメリカ的というか、あんまり好きじゃない部分でもあるんだな。

休憩を挟んで3時間というのにはビックリ。第1幕がちょっとダレる部分も感じられたけど、2幕は勢いがあった。

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コメント

コレを見ていて、フィルムにこだわる映画好きと、紙にこだわる本好きがダブって見えました。どちらも、理屈っぽく聞こえるわりに主張が感情的で、言い分の内容をよくよくみれば思想や信仰のようですよね。もしかしたら、映画や本に限らず、自分が好きなもののうちでたまたま過渡期に行き合わせることがあって自分が時代の流れに乗れないなって感じたとき、○○じゃないと本当の××好きとは言わない!なんて言い出すのかも。
うーんと昔には、フィルター付きなんてタバコじゃないっていうオジサンもいたし、デジカメじゃダメという主張あたりは今でもまだ生きてるかもしれないですね。
私は何にあたるかなー

投稿: 猫並 | 2016.10.20 18:11

猫並さま
わー。そんなこと、まったく思いもしませんでした。
映画そのものにそんなに思い入れもないから、所詮よそ事っぽく見てたんだろうか……。などと書いてるうちに、「こういうのじゃなきゃダメ」というこだわりめいたものとは、全く無縁なんじゃあるまいか、と思い至りましたよ。うーん、私にも何かあるかなぁ
これを見た翌日に、シネコンに行ったので、ポップコーンでした。

投稿: きびだんご | 2016.10.20 23:53

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