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2016年11月

2016.11.28

晩秋の大人な時間

11月27日(日) 「肉声」 14:00〜 於・草月ホール

(主催・企画制作:小田原文化財団)
原案/ジャン・コクトー 構成・演出・美術/杉本博司 作・演出/平野啓一郎 主演/寺島しのぶ 節付・演奏/庄司紗矢香

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この公演を知った時には、内容も知らずただ顔ぶれに、ほへ〜。見に行きますとも!だった。幸い、というか、音羽会にお願いすることもできて……最前列(センターブロック上手)でなくてもよかったんですケド。

公演まで、あまり情報も入れずにいたけど、「朗読劇」「妾・語り」というのはなんとなくわかってたかな。最初、一人芝居と思ってたかも(ま、台本を手にしてるというくらい?) 原案・コクトー「声」に想を得た「別物」らしい。
当日もらったパンフを今頃読んでるけど、これ、見る前に読んでおくべきだったかな。早めに席に着いてたのに、客席が狭くて読むどころじゃなかったの。
↑入口にはお花がいっぱい。端っこの、作家宛のを撮しておいた。

開演前からステージ後方には白いモダンな家が映されてる。くっきりしたものではなくモワモワしたピントの。そして下手に黒電話の置かれた台、そこから上手にオットマンのような白い椅子と、やはり白のソファ。それだけ。
*協賛:カッシーナ・イクスシーとある。

まず、庄司紗矢香さんのヴァイオリン(下手で)。演奏は冒頭と、中間=間奏曲(設定の年が1940年から45年3月の東京大空襲直後に変わる間)、最終盤の3回。あ、年は背後のスクリーンに映し出される。その間奏曲の間に、しのぶさんも衣裳替え。前後半ともに黒のシックな洋服だけど、前半はセクシー、後半はエレガントなジャンプスーツ(モンペの時代だから?)

パンフの杉本さんの言葉を読むと、この作のモチーフは堀口捨己設計のモダニズム住宅に住む愛人、とのこと。実際に堀口は資産家の妾宅を設計しており、愛人は趣味がフェンシングと水泳という当時のモダンガールだったんだって。作中、このお家にはプールがあるし。

太平洋戦争の直前と、敗色が濃くなった時(この家は無事だったけど本宅は焼失)。女に、「旦那」からかかってくる電話。それに向かって語る「妾・語り」というわけ。
しのぶちゃんの声は柔らかくて……こんな家に住むに(そして受け答えの内容に)ふさわしい、知的な女、でありました。

私がわりと朗読劇方面が好きなのは、空想の余地がすっごくあるからだな、とつくづく思った。そんな世界に浸ったのでありました。

クラシック、庄司紗矢香ファンもきっと大勢いたのでは。これまたものすごく贅沢な空間。客席も、文学関係かしら、な大人な雰囲気。ちょっと場違いなワタシ?感は否めなかったかな。……ま、前にここに行ったのが落語だからね

ところで草月ホールなくなっちゃうの? いいホールなのにね。



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2016.11.27

ゲゲゲ忌って知ってる?

11月27日(日)

土曜日は国立劇場、千穐楽へ。そして今日は草月ホール(寺島しのぶ「肉声」)から、国立能楽堂(万作を観る会)へのハシゴ。ちゃんと感想を書きたいんだけど、またもやパタパタ。……ということもあって、地元ネタを投入!

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今朝、甲州街道を渡ろうとしたら、おや向こうにいるのは河童と……? この後ちゃんと手を上げて渡ってたわよ
彼らが目指してるのは布多天神↓


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土日とここの境内で、「ゲゲゲ横丁」開催。境港の「カニ汁」を手にしてる人たちがいたんだけど、発泡スチロールのお椀から、カニがはみ出てたわよ。……と、つい食べる方に。

11月30日が水木しげる氏の命日「ゲゲゲ忌」。スタンプラリーもやってるよ。図書館に用があって文化会館の「たづくり」に行った23日が、ちょうどそのスタートの日だったので、ついついスタンプ押しちゃったわー。


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2016.11.25

すっかり冬だ

11月24日、朝8時半ごろ↓
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11月24日、朝10時半ごろ↓

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そして11月25日、8時半ごろ↓


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わーん、また横向き。富士山が寝ちゃったよ。
しかーし、もうすっかり冬ね。

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2016.11.23

美術展にはなかなか行けない

11月12日(土) 「東京国立近代美術館」

あー、いいのやってるから早く行かなくちゃ、と思っているうちに会期終了を繰り返している。最近では世田谷美術館の志村ふくみ展に行けなかった。時間さえあれば、我が家からのバス乗り継ぎ旅も含めて、楽しいんだけども。11月13日まで、という展覧会もいくつかあって、その中からなんとか行ってきたのが近代美術館。行きやすい、というのも理由のうちかも。

と言っても、目当てはトーマス・ルフ展(写真)ではなかった。いや、せっかく行ったのだから見たけれども、常設だけでもよかった。常設のコレクション展のうちの「奈良美智がえらぶMOMATコレクション」が13日まででした。ほぼ半年間やってたのに、終了1日前に行くなんて。

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奈良美智さんが、近美のコレクションの中から60点ほどをえらんで、コメントなどとともに展示されていた。上は松本竣介&奈良さんのドローイング。彼の言葉を集めた冊子「近代風景」も配布されてた。

さて。今後は……ついついクラーナハ展の前売券を生協で買っちゃってるんで、これには行かないと。あと、目黒区美術館の「色の博物誌」は岡山の国絵図が出ていることもあって、先輩から招待券をもらってしまった。会期内(12月18日まで)に絶対に行かなくちゃ。優先順位はこれが一番だわね。

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↑手前は土方久功・作「猫犬」。猫犬って、なんだね

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2016.11.21

ミス・サイゴン

11月5日(土) 「 ミス・サイゴン」 12:00〜 於・帝劇

出演/駒田一(エンジニア)、笹本玲奈(キム)、小野田龍之介(クリス)、パク・ソンファン(ジョン)、知念里奈(エレン)、神田恭兵(トゥイ)、池谷祐子(ジン)ほか

いまふっとチラシを見たら、もうすぐ千穐楽(23日)ではないの。ずっと感想を書けないままだったけど、せめてキャストのお名前くらいは記録しておけば、後になって「誰で見たんだっけ」となった時に便利だもんね。

もちろん、ちょっとお安い企画のA席にて。今回の公演は市村正親のファイナルステージということで、市村さん以外の、駒田&ダイアモンド☆ユカイの回がそんな風に見られるチャンスだった。この日も、どこかのカード会社の貸切(終演後、挨拶あり)。
*しかし、最近は何でもかんでも「卒業」と言っちゃうのね。
席は1階の後ろから2列目、左寄り。いや、どこでも、ですわよ。双眼鏡も忘れず持って行ってたし。

前回見たのは、2年前の8月。急な代役の筧さんで見てた、のは覚えてたんだけど、この時もイープラスで半額になってたから見た、とこのブログに書いてたわ〜。やっぱり、些細なことでも書いておくものね

オープニングの歌の後、赤いジャケットのエンジニアが登場した時、そうだった!と、その2年前の筧さんの姿を思い出した。これ、絶対に赤だからよね。そして今になって思う、やっぱりあの時の筧さんは(私が見たのは代役の2ステージ目だった)、もういっぱいいっぱいだったんだろうな、ということ。当時は、とにかく初めて見る「ミス・サイゴン」だから、ストーリーを追うのに気を取られてたと思う。

それと、もうホーチミンに行ったことは相当忘れてるんだけど、見ているうちに、暑かった統一会堂前の公園(統一会堂の入場に昼休みがあって、しばらく入れなかった)とか、戦争博物館の様子とか、いろいろ蘇ってきたのだった。ま、統一会堂=大統領官邸で、まさに舞台のその場所、だからね。そりゃあ思い出すわよ。

と、旅の思い出には浸ったんだけど、2年前の舞台は「そうだったっけな」というのが多くて いや、いつも新鮮に見られますです。駒田さんのエンジニアらしい「いかがわしさ」とか、小野田さんの歌の上手さとかは、今回ならでは、だわね。
ふだんミュージカルには縁がないけど、なるほどダブルキャスト、トリプルキャスト、いろいろ見てみたいって気になるものだな、と思った←見ないけど。

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2016.11.19

やっと国立劇場へ

11月18日(金) 「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」第2部 11:00〜

浄瑠璃「道行旅路の花聟」錦之助、菊之助、亀三郎
五段目「山崎街道鉄砲渡しの場」「同 二つ玉の場」菊五郎、松緑、菊之助、権十郎ほか
六段目「与市兵衛内勘平切腹の場」菊五郎、東蔵、菊之助、魁春、團蔵、歌六、権十郎ほか
七段目「祇園一力茶屋の場」吉右衛門、雀右衛門、又五郎、種之助ほか

ほんとは1週間前に見にいくつもりだったんだけど、都合によりやむなくパス。やっと今ごろ、という感じ。音羽屋なのに、この体たらくであるよ。今回の席は2階4列の右端。相変わらず、選んでこの席には座らないでしょ、という場所をお試し中 でも、けっこう見やすいし出口に近いから、そう悪くはなかった。

気楽に見られるなー、とゆったり道行を見てたけど、途中(開幕10分後くらい)、なぜか別々の3組の人がいっぺんに入ってきて、ちょっと集中が切れちゃった。集中、というほどちゃんと見てなかったかもしれないとしても。
道行の後、35分休憩が終わって席に戻ったら、それまで空席だった私の前後が埋まってた! んでもって、真後ろは大向こうさん。七段目では、若播磨、大播磨、大当りなどとかけてた。

五段目、松緑の斧定九郎はわりとあっさりめのというのか、流れとして美しさを感じたな。なんか記憶の中では、もうちょっとコッテリなイメージがあった。なんでかな。

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2016.11.18

また三軒茶屋へ

11月16日(火) 「キネマと恋人」 19:00〜 於・シアタートラム

(世田谷パブリックシアター+KERA・MAP #007)
台本・演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ 映像監督/上田大樹 振付/小野寺修二 音楽/鈴木光介
出演/妻夫木聡、緒川たまき、ともさかりえ、三上市朗、佐藤誉、橋本淳、村岡希美ほか

世田谷パブリックシアター友の会で、かなり前に先行抽選に当たってたから、この公演の日程自体を忘れてたけど、15、16日の3公演はプレビューなんだね。

「映画が最大の娯楽だった1930年代。映画に恋する一人の女性をめぐるKERA流ファンタジック・コメディー」とある。1930年代の、日本のとある島(連絡船が通う島)が舞台。2・26事件を思わせるセリフがあったから、ま、そんな頃、ですねー。
「梟島キネマ」で映画を見ながら大笑いしている観客の姿とスクリーンから始まる。

なんと私は最前列のセンターブロックが当たってたので、この時、笑う人たちと映し出されてる映画の両方を見るのはかなり困難だったよ。で、ここで笑ってるハルコ(緒川たまき)は本当に映画が好きな、そしてマニアックな好みの女性。いや〜、魅力的でしたよ。この緒川たまきをたっぷり見られただけでも大満足。
ハルコのマニアックさは、人気の時代劇シリーズの主役ではなくて、「まさかの寅蔵」役の高木高助(妻夫木)が好きでずっと注目してることにも現れてる。あ、この寅蔵は、うっかり八兵衛みたい……なのかなぁ。
で、寅蔵が、なんとスクリーンから飛び出してくるなんてねー んでもって、残された劇中人物がスクリーンの中でまた別のストーリー(帰りを延々待っている)を生きてるし。

映画関係者(このシリーズの出演者やプロデューサーなど)と、島の人たち。緒川たまき以外は一人何役かしら、ってくらい。場面転換には椅子を使った美しい動き。これって、小野寺修二なんだよね。最近よく見る名前。

ハルコには妹ミチル(ともさかりえ)がいて、二人とも、別々に、この島から出て東京に行くことを夢見る。妹はともかく、ハルコちゃんは現実に甘んじてるかのようだったのにね。
様々な現実があるからこそ、映画で夢を見ていられた、そんな時代。大人のおとぎ話みたいに、ちょっとほろ苦い、

カーテンコールは2回だったかな。外へ出たらば10時20分! ひゃー、だったけど、ちっともそんな長さを感じなかった。

KERAさんはこの前は「ヒトラー、最後の20000年」などという、訳わかんないのを作ってたんだよね。この振れ幅も魅力なのかもね。

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2016.11.15

昔話でも怪談でもない、遠野物語

11月14日(月) 「遠野物語 奇ッ怪 其ノ参」 19:00〜 於・世田谷パブリックシアター

原作/柳田国男 脚本・演出/前川知大 出演/仲村トオル、瀬戸康史、山内圭哉、池谷のぶえ、安井順平、浜田信也、安藤輪子、石山蓮華、銀粉蝶

「今は昔、あるいは未来ーーある架空の国を舞台に語る『遠野物語』」
こんな書き出しで始まる、チラシのリード。そしてそんな言葉を、まず舞台の上手に登場した山内圭哉が、前説のように語り始める。とりとめのないお喋り?と思わせたりして。たとえば標準語だの大阪弁だのの話とかね。彼のキャラクターならでは。

中央にはちょうどボクシングか何かのリングのように、二方をロープで仕切られて一段高くなった空間があって、そこが取調室になったり、民家の部屋になったり。その場面転換や人の入れ替わり(たちまち別の役になったり)が鮮やか。その空間とバックの色が変わるのが装置の全て、という感じかしら。

まず、警官の制服を着た男が立っているから、ここが取調室とわかる。座っているのは、どうやら「柳田さん」(仲村トオル)。国の「標準化政策」に違反した出版物を出したかどで、事情を聞かれるらしい。その判断のために「井上先生」(山内圭哉)が呼ばれたんだって。ムゥ、フルネームは言わずとも、柳田国男&井上円了でしょうか、こんな話なんだし、と。

出版の経緯を話しているうちに、そこが柳田の家になったり、あるいは遠野出身の佐々木くん((瀬戸康史)が語った、遠野の話の舞台になったり。山内さんだって、ずっと井上でいるわけではなくて、「遠野物語」の世界の中では、娘が神隠しにあった父親とか、いろいろ演じてる。
意外と、と言っていいのかどうかだけど、山内さんがわりと真面目な役で、仲村さんの方が天然っぽい役かなぁ。

それぞれのシーンの切り替わりがほんと鮮やか。そして、語る人としての瀬戸康史の純朴なイメージが、すごく合ってたな。彼なら、物語の世界から戻って来られなくなった、というのが納得できるもん。

未来の話かもしれない、というのは、「自由に表現できなくなる」「幻想の物語を排除する」という舞台上の「今」があるから。それを見すえつつ、我々がすっかり失ったような、大きな自然的な存在への畏怖心などが蘇ってくるような。

イメージがふくらんでいく、とても興味深い舞台だった。まあ、けっこうこの手の話が好きだから、というのもあるかな。でも、私はもっとわかりにくくてもいいな、とも思った。なんていうのかな、想像力を信頼してほしい、みたいな。

それはともかく。東日本大震災の翌年の夏、遠野を訪ねたのを、今更ながら思い出した。

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2016.11.13

ロ短調ミサ、再び

11月11日(金) 「バッハ・コレギウム・ジャパン 第120回定期演奏会」19:00〜 於・東京オペラシティ コンサートホール

J.S.バッハ:ミサ曲ロ短調 BWV232 指揮/鈴木雅明
第1部 ミサ(キリエ、グロリア)………休憩……
第2部 ニケーア信経(クレド)
第3部 サンクトゥス
第4部 オザンナ、ベネディクトゥス、アグヌス・デイとドナ・ノビス・パーチェム

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オペラシティもクリスマス仕様。白、ブルー、グリーンの3色に。

さて、昨夏、物好きにも広島で聴いたBCJのロ短調ミサ。それが東京でも聴けるというのでホイホイ出かけた。チケットは古楽好きでBCJ会員だった友人(今は会員ではないらしい)に頼んで入手。SではなくA席で、前方の左端あたりだったけど、去年は右側で聴いたので、ちょうどよかった。なぜなら、演奏スタイルがなかなかカッコいいトランペット隊(3人)ガン見席だったから。あとティンパニなども

正直言うと、戦後70年の年、原爆記念日の直前に広島で聴いたロ短調ミサはやっぱり特別だったな、とも思う。音楽的なことより(って、ホラ何も語れないし)、背景のストーリーが残ってしまうのね。ま、それがあまり過剰にならないように自戒しつつ、でも全てをひっくるめての経験であるとも。

確かにコンサート専用のホールであるから、音の響きが素晴らしい。合唱の最後の一音までスーッと天に消えて行くような感じ。ほんとはもっともっとバッハについても勉強すればいいんだけどね。とりあえず、充実したプログラムは買って来たから、ちゃんと読む。


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2016.11.11

襲名2カ月め

11月9日(水) 「吉例顔見世大歌舞伎」昼の部

「四季三葉草」梅玉、扇雀、鴈治郎
「毛抜」染五郎(粂寺弾正)、松也(秦秀太郎)、梅枝(巻絹)、彌十郎(八剣玄蕃)ほか
「祝勢勢揃壽連獅子」成駒屋の襲名4人、萬太郎、右近、梅玉、仁左衛門、藤十郎
「加賀鳶」幸四郎(梅吉/道玄)、秀太郎(お兼)、児太郎(お朝)、錦吾(伊勢屋与兵衛)、梅玉(松蔵)ほか

前日、仕事が手を離れたのでちょっと気分ゆったりで見に行けた。夜の部は初日を買ってたけど、行くのを諦めて友人のお母さんに買ってもらったのでした。歌舞伎は長時間だから、つい挫けがちでダメだな。
でも、いつもながら最初の踊りはぼんやり見てました。パスしなかっただけマシかも。

「毛抜」はあんまり染五郎のイメージはなかったから、あらー、という感じかな。やはり少し線が細い。というか、ガハハな笑いがあまり迫力なかったのが、一番残念。ここでは、門之助(小野春道)、亀鶴(万兵衛)が、「おっ」でした。もっと出て欲しいものです。
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先月の祝い幕とはまたずいぶん趣が違う。佐藤可士和らしいのは、こっちよね。

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2016.11.10

記憶に残るであろう「かもめ」

11月8日(火) 「かもめ」 19:00〜 於・東京芸術劇場プレイハウス

作/アントン・チェーホフ 翻訳・上演台本/木内宏昌 演出/熊林弘高 出演/満島ひかり(ニーナ)、田中圭(トリゴーリン)、坂口健太郎(トレープレフ)、渡辺大知(メドヴェジェンコ)、あめくみちこ(ポリーナ)、山路和弘(ドールン)、渡辺哲(シャムラーエフ)、小林勝也(ソーリン)、中嶋朋子(マーシャ)、佐藤オリエ(アルカージナ)

「かもめ」はわりとよく見ている、と思うんだけど、この日記を遡ってみると、あれ、こんなの見たっけ!というのもあった。まあ、忘れすぎと言われれば、そうなんですが。
そもそも、何回見ても、よくわからないんだよね。面白かった、とはなりづらい。戯曲はその昔、カルチャーで「声に出して読む」講座で、読んだのに。
今回、見終わってから久しぶりにそのテキスト(白水uブックス)を出してみたら、書き込みもあったわー

まぁ、この芸術劇場版は、翻訳・上演台本、とあるわけで、かなり個性的でした。なんで戯曲を出したかというと、学校の先生(メドヴェジェンコ)の給料とか、アルカージナの貯めているというお金の額とかが、絶対に「今の日本の相場だよね」だったから。戯曲ではいくらだったか確かめたかったのよ。お芝居の中では確か、ルーブルとは言わず、数字だけだったけど、それでも一瞬、えっ⁉︎と思ってしまった。

……と、これは一例で、台本も自由なら、登場人物もかなり自由気ままふうに、シンプルな舞台の上を動く、転がる。それだけではなくて、客席に話しかけたり。台詞?の中に千田是也だの佐藤オリエだのってが聞こえたと思うよ。

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2016.11.05

気晴らししてきた!

11月5日(土)

はたと気がつけば、今週は電車に乗って出かけたのは11月3日の文化の日と今日だけ。皆さんが働いている日には家にいた、というわけ。まあ、自宅で仕事してたわけですが。それと、明日が〆切の書の公募展に苦しめられて……。

そんな中、今週2度目の外出先は帝劇! 「ミス・サイゴン」に行ってきた。前回、筧利夫さんが急な代役を引き受けてエンジニア役だったのを見て以来。1階の後方席だったけど(わりと安くなってた)、面白かった。今回はじっくり見られた、というところかな。エンジニア役の駒田一さんって全然知らなかったけど、いかがわしさがいい感じ。
オススメされてたクリス役の小野田龍之介さん。なるほど! 声もいいし素敵でしたわ。

一度見ていたとはいえ、けっこう忘れてて。で、日本が大雪だった時に旅行してたホーチミンを、いろいろ思い出しながら見てた。うーん、やっぱりハノイ(とかハロン湾とか)行きたいなー。

というわけで、感想はまた書けたら・・・。

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2016.11.01

いいお芝居って、そこを入口にどんどん興味が深まっていく

10月30日(日) 「治天ノ君」14:00〜 於・シアタートラム

(劇団チョコレートケーキ 第27回公演)
脚本/古川健 演出/日澤雄介 出演/西尾友樹(大正天皇嘉仁)、松本紀保(貞明皇后節子)、谷仲恵輔(明治天皇睦仁)、浅井伸治(昭和天皇裕仁)、菊池豪(有栖川宮威仁)、青木シシャモ(原敬)、吉田テツタ(牧野伸顕)、佐瀬弘幸(大隈重信)、岡本篤(四竃孝輔)

最初ノーマークだったこのお芝居、東と西の、私がよくブログを読んでる観劇好きな方々が揃ってご覧になる(ご覧になった)とのことで、詳細をチェックしてみれば大正天皇ですと? ということで、出演者は松本紀保さん以外、どなたも知らないながら見に行った。パブリックシアターのチケットサイトではもういい日はなかったので、「こりっち」で。そしたら日曜なのにH列のセンターブロックで、ラッキー(当日、行くまで席はわからないけど)。ま、シアタートラムならどこでもいいし。

ちなみに、もらってきた簡単なパンフ=配役などの他に、年表や語句説明がある、をテーブルに出していたら、夫が目ざとく見つけてギョッとしてた。何?誰??と。

開演前から、舞台下手に置かれた赤い椅子(玉座よね)と、そこから上手にのびるレッドカーペットの存在感に圧倒されるような気分に。芝居がはじまっても他に小道具がでてくるわけでもなく、ノンストップ2時間20分ほどが、このシンプルな舞台で演じられた。
その分、照明がとても効果的に使われてたし、今ここに存在してない明治天皇が嘉仁のそばに現れて語るのも違和感がない。

という意味でも、脚本、演出ともに、素晴らしいと思う。さらに出演者もみな力演……という言葉は合わないかも、だけど、ずっしり安定。皇后節子を演じた松本紀保が背景などの説明ナレーションも担当。 彼女の品のある語りや、ここ、という時の毅然とした佇まいなど、素晴らしかった。小劇場の地味なお芝居によく出てるイメージだけど、また見てみたい(と言いつつ、以前、椿組の夏の野外劇での蓮っ葉な女も思い浮かべてた)。

大正天皇ってずっと忘れられた存在というか、口に出すのが憚られる(=やんわり虚弱と言っちゃうような)感じだった気がする。15年しかなかったしね。でも、何年か前に原武史「大正天皇」が出版されて、その実像が注目されるようになったんだっけ。そういえば、大正って、大正ロマンとか大正デモクラシーとか、およそ戦前の帝国主義だのなんだのとは関係ない言葉と結びついてる。

この本は評判を聞いただけで(仕事上、書評用などで手に取ったことはある)読んではいない。今回のパンフでも参考資料何冊かの一番に挙げてある。単純だから、すごく興味をもってしまった。

劇中では大々的に「明治60年」を祝おう、というシーンが出てくる。つまり偉大な明治帝を嗣ぐ裕仁の存在がクローズアップされるわけ。そういえば、私には「明治百年」わーい!みたいな記憶はあるぞ。あの時も、そんな時代の賛美を苦々しく受け止めてた人たちがいたんだろうなぁ。

しかし、摂政である。歴史用語かと思っていた「摂政」がまさに今、クローズアップされている。東京公演の初日だかに三笠宮が亡くなって、そんな「時」の不思議さも含めて忘れられない舞台になった。

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