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2016.11.10

記憶に残るであろう「かもめ」

11月8日(火) 「かもめ」 19:00〜 於・東京芸術劇場プレイハウス

作/アントン・チェーホフ 翻訳・上演台本/木内宏昌 演出/熊林弘高 出演/満島ひかり(ニーナ)、田中圭(トリゴーリン)、坂口健太郎(トレープレフ)、渡辺大知(メドヴェジェンコ)、あめくみちこ(ポリーナ)、山路和弘(ドールン)、渡辺哲(シャムラーエフ)、小林勝也(ソーリン)、中嶋朋子(マーシャ)、佐藤オリエ(アルカージナ)

「かもめ」はわりとよく見ている、と思うんだけど、この日記を遡ってみると、あれ、こんなの見たっけ!というのもあった。まあ、忘れすぎと言われれば、そうなんですが。
そもそも、何回見ても、よくわからないんだよね。面白かった、とはなりづらい。戯曲はその昔、カルチャーで「声に出して読む」講座で、読んだのに。
今回、見終わってから久しぶりにそのテキスト(白水uブックス)を出してみたら、書き込みもあったわー

まぁ、この芸術劇場版は、翻訳・上演台本、とあるわけで、かなり個性的でした。なんで戯曲を出したかというと、学校の先生(メドヴェジェンコ)の給料とか、アルカージナの貯めているというお金の額とかが、絶対に「今の日本の相場だよね」だったから。戯曲ではいくらだったか確かめたかったのよ。お芝居の中では確か、ルーブルとは言わず、数字だけだったけど、それでも一瞬、えっ⁉︎と思ってしまった。

……と、これは一例で、台本も自由なら、登場人物もかなり自由気ままふうに、シンプルな舞台の上を動く、転がる。それだけではなくて、客席に話しかけたり。台詞?の中に千田是也だの佐藤オリエだのってが聞こえたと思うよ。

そうそう、席はE列(前から3列目)の左ブロック。特に誰かを近くで見たい、というのではなかったから、もうちょっと後ろがよかったな。やや、見えづらい部分も。だってわりと寝そべったりするシーンが多いんだもの。でも、よく見えなくて幸い、ってのもあったかもね。

開演前、まだ客電が落ちる前に、わりと長いことかもめの鳴き声が聞こえる。そして真っ暗な中でも鳴き声……そこから。だけれども、実際の舞台では、トレープレフが撃ち落としたかもめも、その剥製も「鳥」の形としては出てこない。

端的に言って、登場人物の言動や性格をデフォルメして(抽出して)喜劇風味を加えた、という風に見えた。「かもめ」はその結末もあって、重苦しさをもって受け止めちゃうんだけれど、チェーホフはこれを「喜劇」と言ってるそうだし、そんな作りだったのでしょう。

役者はたぶん演出家のイメージ通り、なのでしょう。普通にイメージするよりちょっと過激ね。特に脇の人たちが。支配人夫婦はその典型だけど、ドールン、ソーリン、マーシャたち。そのせいか、アルカージナとトリゴーリンがちょっと薄めだった。この2人は絶対的な存在じゃないとなー、と思うんだけど。
田中圭くんはトレープレフでいけると思うくらいだし。
*田中圭はこの日の公演の翌朝(明け方)、交通事故に遭ったんだけど、無事に出演はしたらしい。ビックリ。

坂口健太郎くんのトレープレフはとても良かった。ニーナもね(第4幕はなかなか難しい)。そういえば、シンプルな舞台だけど、第4幕では出演者で出番のない人も椅子に座って見守る、というスタイル。満島ひかりが演じ終えて座ったとき、なぜあんな風に?と思っていたらというのは、新鮮に受け止めた。

いろいろな手法で演じられる、そのこと自体が魅力的な戯曲なんだよね、と思う。これからもきっといろいろ見るのでしょう……って、はや来月、吉祥寺シアターで、地点の「かもめ」を見るよてい。

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