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2017.02.05

虚構?現在進行中⁉︎の105分

2月4日(土) 「ザ・空気」 14:00〜 於・東京芸術劇場シアターイースト

(二兎社公演41)
作・演出/永井愛 出演/田中哲司(今森俊一・編集長)、若村麻由美(来宮楠子・キャスター)、木場勝己(大雲要人・アンカー)、江口のりこ(丹下百代・ディレクター)、大窪人衛(花田路也・編集マン)

今回は友人が先行で取ってくれた。D列センターで、前列から1段高くなってるしラッキー……実は上を見上げるような構造になってるので、後ろでもじゅうぶんではありました。

上演1時間45分のほとんどは、あるテレビ局の1日の、そのまた何時間かの出来事。現実でも記憶に新しい、総務大臣による「電波停止」発言から、このニュース番組の本日の特集として、報道の自由をテーマにしたものが作られたのだが……。

事前に試写を見ていた保守系のアンカーから、当日になって「ほんの二、三の手直し」要求が入る。もちろん編集長もキャスターも絶対それを受け入れない。それらの会話から、彼らの人間関係や背景が少しずつわかってくる。また視聴者からの嫌がらせ的な電話が入ってきたり……どんどんどんどん、状況が悪くなっていくのが恐ろしいくらい。
とてもフィクションと思えないような、ありうる、そうかもしれない、という展開だからねー。その中では、たとえばメディアの人が総理大臣と何回も会食してたり、記者クラブ問題とか、編集権の現実とか、あらためて突きつけられてるよう。

田中哲司さんが、ここでもまた(「浮標」に続いて)追い詰められ、自分と戦う人だよ、と思いながら見ていた。まっすぐさも弱さもリアル。

最後の数分だけ、ポンと時が2年後に飛ぶ。そこにあるのは現在の「危機感」の反映なんだけど、いやー、だから救いも見出したいなぁ。

役者さんはそれぞれ、複雑な人物像を好演してたと思う。まあ、イキウメの大窪さんは声がちょっと苦手で、前の「太陽」ではそれほど気にならなかったのに、今回は「うわ、ちょっとダメかも」と思ってしまった。それも含めてインパクトは強かったとも言える。木場さんの憎たらしいくらいの老獪さは、ご本人にも役にも通じてるし。実はそれに対応(対照という意味で)するのが江口のりこさんかな。役としての丹下にはエールを送りたい。……ほんと多分、一人一人をくっきり覚えているだろうと思う。

最初、「ザ・空気」というタイトルだけを聞いた時には、なんとなく「空気を読め」的な身近な圧力のようなものをイメージしてたんだけど、もっと大きなものであった。アンカー氏は「中立の立場」を標榜して、でもその中立とは、全体が右に寄っちゃえばその真ん中は当然、以前より右に寄ってる、ということ(by編集長)なんだよね。(もちろん右は例なだけで、右には限定されないよ)

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